LP21『外国人共生&行政書士相談』クラブ

LP21グループの行政書士が中心となり活動している実務研修会です。

外国人労働者の現状と新たな在留資格

2018年10月14日 |  1.クラブ員情報
1 増え続ける外国人労働者の現状
 法務省の発表によれば、2017年の外国人労働者数は 127.9万人で2008年の48.6万人に比べて約3倍近く増加しています。
※ 日本文化の研究者や国費留学生などは、この数に含まれておりません。

<内訳>
 ①身分に基づく在留資格 45.9万人(永住者、日本人や永住者の配偶者、日経3世や中国残留邦人)
 ②資格外活動  29.7万人(日本語学校や専門学校の留学生等で、資格外活動の許可を得て働いている者)
 ③技能実習生  25.8万人
 ④専門的技術的分野 23.8万人(大学教授、中学高校の語学教師、機械工学等技術者、法律・会計業務の専門家等)
 ⑤特定活動    2.6万人(ワーキングホリデー、EPA協定に基づく外国人介護士等)

2 新たな在留資格
 外国人労働者の受け入れ拡大に向け、政府は新たな在留資格の創設を発表した。(2018年10月12日)
一定の知識・経験を要する業務に就く「特定技能1号」 熟練した技能が必要な業務に就く「特定技能2号」という二つの在留資格を新設し、1号は在留期間は5年で家族帯同を認めないが、2号は長期間の滞在を可能とし、配偶者と子の帯同を認める。
 正式な実施は2019年4月からだが、これにより今後数十万人規模での外国人労働者の増加が見込まれる。
現在の日本の労働力不足からすれば、こうした措置は必然的かもしれませんが、日本語学校や外国人専門の専門学校の在り方を含めて総合的に検討していかなければならない。また、外国人の日常生活や職業生活などの支援をする取り組みもより必要になることでしょう。

3 在留資格の種類(参考)
 日本での在留が認められている資格は28種類(2018年10月現在)あります。先に述べた新たな在留資格制度ができれば、その数は更に増えることになります。
<就労が認められる在留資格> 18種類
①外交 ②公用 ③教授 ④芸術 ⑤宗教 ⑥報道 ⑦高度専門職 ⑧経営・管理 ⑨法律・会計業務 ⑩医療 ⑪研究 ⑫教育 ⑬技術・人文・国際業務 ⑭企業内転勤 ⑮介護 ⑯興行 ⑰技能 ⑱技能実習
<身分・地位に基づく在留資格(活動制限なし)> 4種類
 ①永住者 ②日本人の配偶者等 ③永住者の配偶者等 ④定住者
<就労が認められない在留資格> 5種類
 ①文化活動 ②短期滞在 ③留学 ④研修 ⑤家族滞在
但し、資格外活動許可を受けた場合は、一定の範囲内で就労が認められている。
<特定活動>
 ①特定活動 ワーキングホリデーやEPAに基づく外国人看護師等

※新在留資格 一部の国を除外

2018年10月10日 |  1.クラブ員情報
<メモ>
政府が来春の導入を目指す外国人労働者受け入れ拡大のための新たな在留資格で、法務省は出入国管理業務上の支障があると判断した国からの受け入れに制約を設ける方針を決めた。(1)日本から強制退去となった外国人の身柄を引き取らない国からは受け入れない(2)乱用的な難民認定申請や不法滞在者が多い国は在留資格付与を厳重に審査する方向で検討している。(毎日)

 交通事故 自賠責保険と任意保険の関係と被害者請求について

2018年10月08日 |  1.クラブ員情報
 交通事故 自賠責保険と任意保険の関係と被害者請求について

1 人身事故と自動車保険の仕組み
  交通事故にあって怪我などの治療費を支払う場合、先に自賠責保険から支払われ、自賠責保険の支払限度額を超えた部分が任意保険から支払われます。
 (例)300万円の賠償金が支払われる場合
    120万円は自賠責保険から、残りの180万円が加害者の任意保険から支払われることになります。
  <参考>
自賠責保険の支払限度額
     障害 120万円  死亡 3,000万円 後遺障害 4,000万円
 
2 被害者請求とは
  被害者は、加害者との示談を待たずに、直接加害者の加入している自賠責保険に賠償金を請求できる制度です。
  加害者側が任意保険に未加入の場合や、誠意ある対応をしてくれない場合なども、被害者請求の制度が大いに利用できます。示談成立前でも、それまでの損害の請求(内払金)をして賠償金を受け取ることができます。

3 交通事故の後遺障害認定請求について
  人身事故で怪我をして治療したが、怪我が完治せず後遺症が残ってしまった場合、後遺障害の程度の応じて賠償金が支払われます。
  後遺障害認定請求とは、その後遺症が後遺障害等級の何級に該当するかを自賠責保険会社に審査・決定してもらうことです。 第1級から第14級まで分かれていています。
  後遺障害認定請求も被害者請求で手続きを行うことができます。

4 まとめ
  交通事故に遭ってしまった時、加害者側の任意保険の担当者が親切に医療費の支払いや損害賠償の相談に乗ってくれて、任意保険の担当者が被害者のために立ち働いているように錯覚してしまうことがありますが、これはあくまでも加害者側の担当者であり、その保険会社にとって賠償額は少なければ少ないほど良いわけで、本当の意味での被害者の立場に立った対応をしてくれる訳ではありません。
  たとえば、怪我が完治していないにもかかわらず、一定の期間が経過すると治療打ち切りを打診されたり、担当医に対して、保険会社の有利な診断書作成を誘導するようなことも往々にしてあるようです。
  任意保険会社の担当者が示談代行して、早く示談を済ませようとしますが、その担当者は、所属する会社と加害者のために立ち働いているということを頭に入れて対応することが大切です。
  特に最近の問題として、保険会社同士が合併を繰り返した結果、大きく分けると3っつのグループに分けることができるようですが、加害者側と被害者側が同じ保険会社ということもあります。この場合、会社側の利益が優先され本当の意味での被害者の立場に立った保証が得られるか疑問です。
  交通事故の対応で困ったことがあった時は、弁護士や交通事故対応に詳しい行政書士に相談してみてください。