まずPPMに入る前にその前提理論である「製品ライフサイクル」と「経験曲線」についてとりあげます。
【製品ライフサイクル(PLC)】
製品ライフサイクル(PLC)とは製品が市場に導入されてから衰退するまでのサイクルのことです。
一般的に製品は導入期→成長期→成熟期→衰退期をたどります。
(導入期)
製品が市場に導入されたばかりの時期です。
売上は低く、マーケティング支出は大きいため利益はマイナスになります。
またキャッシュフローもマイナスになります。
またマーケティングの中心は「製品認知」におかれます。
(成長期)
製品が急速に市場に受け入れられる時期です。
売上は急速に成長します。しかし、参入企業が増えたり、増産のための設備投資が行われるため、利益はあまり上がりません。
キャッシュフローはやや緩和されてきます。
マーケティングの中心は「市場浸透」と「ブランド選好」におかれます。
(成熟期)
売上の伸びが止まります。ただ、生産設備の増強も必要なく、ほぼシェアも固定するので費用はあまりかかりません。
そのため利益やキャッシュフローが最大になります。
ここでのマーケティングの中心は、「ブランドロイヤルティ」「差別化によるシェアの維持」におかれます。
(衰退期)
需要が減退し、売上、利益も下がります。
マーケティングの中心は「生産性の維持」におかれますが、ここでは撤退を含めた「選択」がなされます。
ちょっと横道にそれますが、PLCに関連して過去の診断士試験で問われていますので以下の用語を取り上げて起きます。
①スタイル(様式)
様々な分野での基本的な表現形態で「時代を超えて様式として確立したもの」のことをいいます。
②ファッション
ある分野で今流行しているスタイルのことです。
特徴としては緩やかにはじまり、しばらく人気を保ち、緩やかに衰退していくところにあります。
③ファッズ
一時的な流行のことです。
熱狂的な受容により急激にピークを向かえ、あっという間に衰退していきます。
【経験曲線】
ある製品の累積生産量が大きくなるにつれてその製品を生産するコストは低減します。
これを経験曲線効果といいます。
さまざまな研究により累積生産量が2倍になると、コストは20~30%低下することがわかっています。
企業は早期参入を行うことで高い市場占有率(シェア)を獲得し、競争企業よりもコスト面で優位に立つことができます。
(規模の生産性)
ポーターの定義によれば「一定期間の生産絶対量が増えるほど、製品の単位あたりコストが低下する」とされています。
大規模企業が中小企業よりもコスト面で優位に立てるのはこのためです。
ここで注意してほしいのは「経験曲線」と「規模の経済性」は全く意味が違うという点です。
なぜなら「経験曲線」が「累積経験量をベースにした動態的効果」なのに対し、「規模の経済性」は「一定期間内の静態的効果」だからです。
(範囲の経済性)
企業が複数事業を行うことにより、単一の事業よりもより経済的な事業運営が可能になることを「範囲の経済性」といいます。
前述したシナジーと関連があります。
次回も成長戦略について整理します。
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