この時期に日本最高気温を達成した熊谷市でゴルフをするとか、どうかしていると思います。
どうもkurogenkokuです。
金融機関にお勤めの方でしたらCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)という財務指標は耳にしたことがあると思います。CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)とは以下の式で求められます。
CCC=受取債権回転期間+棚卸資産回転期間-買入債務回転期間
つまり仕入から販売に伴う現金回収までの期間を示しています。ですから数値が小さいほど資金繰りが改善するという意味ですよね。
一方の表題の件、SCCC(サプライチェーン・キャッシュ・コンバージョン・サイクル)はあまり馴染みがない言葉だと思います。
CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の前にサプライチェーンがつくわけですから、サプライチェーン全体の資金繰りをあらわしています。
これについてこんな資料があります。
「FinTech 導入による地域企業の収益力向上度測定指標の在り方に関する調査検討事業」調査報告書
http://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/itakuhoukoku/03.pdf
経済産業省が帝国データバンクに委託して実施した調査事業ですが、4ページにはこんな記述があります。
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CCCについては、一企業の運転資金回転期間の短縮を図るための指標として有効である一方、他社とのつながり全体として捉えた場合、自社の支払いサイト(買入債務回転日数)が他社の回収サイト(受取債権回転日数)であり、それがサプライチェーンを通して連鎖的につながっていく。自社の利のためにとる支払サイトの延長が他社の回収サイトの遅れとなることから、サプライチェーン全体としての資金循環の効率化には必ずしも結びつかないことが懸念される。
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国はFinTechの導入により、サプライチェーン全体の資金繰りを向上させようとしているわけです。
実は昨日ある製造業にお邪魔してきました。
当期利益はかなりの黒字ですが、営業キャッシュフローはマイナスです。
原因は取引からの債権回収に時間を要すること。
製品を納品してから入金まで、7か月だそうです。
相手は大手企業です。そして自社でファクタリング会社を有しています。中小企業は長期の手形を切られているので、資金繰りが厳しくなるとそのファクタリング会社で手形を割り引きます。割引手数料はかなりのもので、それが一層中小企業の資金繰りを厳しくします。
一言でいえば、国が目指している方向と逆行してますね。
それも正当なルールですし、運転資金が必要であれば金融機関にはビジネスチャンスが生まれますから、完全にダメとはいわないですが、結局、負担しているのが中小企業というのがなんとも。
ちょっと思うところがあったので、記事にしてみました。
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