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経営法務(会社分割 part1)

今日は会社分割について学習しましょう。

【会社分割制度】
企業の有する事業部門をスムーズに分離・独立できるよう平成12年の商法改正で創設されました。
それまでは現物出資や営業譲渡により分社化を進めるのが一般的でしたが、費用や時間がかかり、短時間での分社化が困難であることから創られたわけです。

【会社分割の種類】

会社分割は譲渡先が新設の会社か既存の会社かにより、それぞれ新設分割吸収分割に分類されます。
また新設分割、吸収分割ともに承継会社が発行する株式は、分割会社もしくはその株主に割り当てられます。
前者は物的分割(分社型)、後者は人的分割と呼ばれています。
ちょっとややこしくなりましたが要するに4つのパターンがあるわけです。
以下にその内容をそれぞれ整理します。

【新設分割とその手続】
新設分割とは会社が営業の全部又は一部を新設する会社に承継させることをいいます(商法373条)。先ほど申し上げたように新設会社が発行する株式が分割会社に割り当てられれば新設分割の物的分割、新設会社が発行する株式が分割会社の株主に割り当てられれば新設分割の人的分割になるわけです。
そしてその手続きとは以下のようになります。
①分割計画書作成
   ↓
②分割計画書の事前開示
   ↓
③株主総会の承認(特別決議が必要)
   ↓
④反対株主の株式買取請求権
   ↓
⑤債権者保護手続
   ↓
⑥分割の公告・実施
   ↓
⑦会社分割登記
   ↓
⑧新設分割報告書の事後開示


【吸収分割とその手続】

吸収分割とは会社が営業の全部又は一部を既存の会社に承継させることをいいます(商法374条16項)。こちらも承継会社が発行する株式が分割会社に割り当てられれば吸収分割の物的分割、承継会社が発行する株式が分割会社の株主に割り当てられれば吸収分割の人的分割になるわけです。
その手続きとは以下のようになります。
①分割契約書作成
   ↓
②分割契約書の事前開示
   ↓
③株主総会の承認(特別決議が必要)
   ↓
④反対株主の株式買取請求権
   ↓
⑤債権者保護手続
   ↓
⑥分割の公告・実施
   ↓
⑦会社分割登記
   ↓
⑧吸収分割報告書の事後開示

なお、営業を承継する会社については⑥の「分割の公告」は不要になっています。
また新設分割が「分割計画書」となっているのに対し、吸収分割では「分割契約書」になっていることに注意してください。


次回も会社分割について説明します。

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