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企業経営理論(意思決定システム part2)

今回も「意思決定システム」について整理します。
具体的には「サイモンの意思決定」について取り上げます。


【サイモンの意思決定構造】
サイモンは意思決定の問題を構造的問題,半構造的問題,非構造的問題に区分しています。

(構造的問題)
問題を解決する論理が明確な問題です。
このような構造的問題に対しては、あらかじめ定められた手続きによる定型的意思決定がなされます。

(半構造的問題)
構造的問題と非構造的問題の中間です。
問題を仮定(もし~ならば)に置き換え、人間とコンピュータが協力して最適な解を求めたりします。

(非構造的問題)
解決する論理が存在しない問題を非構造的問題といいます。
この解決にはコンピュータは役に立たず、可能な限り半構造的な問題にすることが有効です。
ここでの意思決定は過去の経験に頼ることができないので、非定型的意思決定になります。

【計画のグレシャムの法則】
上述の定型的意思決定にトップマネジメントが忙殺され、非定型的意思決定がおろそかになり、計画が消滅してしまうことを「計画のグレシャムの法則」といいます。


【サイモンの意思決定プロセス】
サイモンは意思決定の手順を情報活動→設計活動→選択活動→検討活動のサイクルから構成されているとしました。

(情報活動)
経営目標と現実とのギャップを認識し、問題を識別する活動

(設計活動)
どのように問題解決すればよいかを代替案にまとめる活動。

(選択活動)
代替案を比較評価して、最適な案を選択する活動

(検討活動)
選択案の実行結果を分析、評価する活動


【満足化基準と極大化基準】
(満足化基準)
現実では完全に問題解決の代替案を実行することは期待できません。
人間は制約された合理性の下に行動しており、このような環境で意思決定する人の人間観を経営人モデルといいます。
経営人は「充分満足できる」という満足化基準に基づき、意思決定を行います。

(極大化基準)
すべての代替案が網羅され、その代替案が実行されたときの状況が完全に予測でき、合理的な方法で意思決定を行う人間の人間観を経済人モデルといいます。
この経済的合理性を追求することを最適化基準といいます。



次回は「意思決定システムとコンフリクト」のうち「コンフリクト」についてとりあげます。

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