
ヒロシは自分の手を見つめた。
震えは怒りからではない。
恥ずかしさからだろうか。
ヒロシはその手を大きく広げてから、恐る恐る拳を握った。
「女をぶつ気?」と、クミの目が鋭く睨みつけた拳だ。
愛してるからこそ…、とヒロシは己を弁護したが、クミの剣幕が彼の言い訳をことごとく打ち砕いた。
こんな日もあるさ。
愛が深まるか、亀裂が広がるかは紙一重なんだなあと、ヒロシは考えていた。
さあ、飲むか!
………………
スペシャル・カクテル
仕入れた美味しそうな生ライムをお好みのジンにたっぷり搾って召し上がれ
ソーダを加えてリッキーにするもよし。
\600‐