「バー蓄音機」なんです

浪花の蓄音機隊・隊長のバーなんです
近鉄奈良線・八戸ノ里(06ー4307ー0080) 火曜定休19時〜23時

ビスターカーが好きだった

2011年01月29日 21時46分45秒 | 日記
銀杏の葉を踏みしめて、わたしは緩やかな坂道を登って下宿に向かって歩いていた。
時折落ち葉が風に舞う。
日付が変わる寸前の、一番静かで神聖な時間だった。
希望と愛と欲望を再確認する、唯一のひとときでもあった。

ヘッドライトの閃光と突風が、時折遠慮なく現実を思い出させてくれる。
放っといてくれよ、と思いながらも、そうだ明日はK子ちゃんの部屋に押し掛けようなどと思い出したりして…

実家に帰るために時折乗る特急に、今は自分探しのために乗る。
ごくたまにだけど、ビスターカーが好きだった…

Sidney Bechet(シドニー・ベシェ)

2011年01月26日 14時27分59秒 | 日記
1897年に生まれた彼は、音楽一家の中ですぐさまその才能を発揮することになる。
バンドで見事な演奏を披露したのが、クラリネットを始めてわずか2年後。
まだ8歳だったというから驚かされる。

10代の頃には売れっ子バンドを掛け持ちで演奏したり、華々しい活躍をする。
20代になるとニューヨークに移り住む。
ヨーロッパ・ツアーに参加したり、レコーディングを行ったりの大忙し。

演奏同様私生活も華々しかったと見える。
喧嘩っ早くて銃で傷害事件を起こし、監獄に1年。
ビンが飛び交ったりナイフがちらつく日常だったようだ。

1949年からはパリに居を構え、精力的に演奏活動を続ける。
フランス人の若い奥さんのために曲を作ったり、フランスでも大歓待を受けたようだ。

しかし癌に侵された彼は、生まれ故郷のニューオリンズからはるか離れたパリで世を去る。
1959年5月14日は、奇しくも彼の62歳の誕生日だった。

http://www.youtube.com/watch?v=1azWM7fYHLc


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やっと3週間…

2011年01月25日 21時22分38秒 | 日記
正月休みに漬け込みました。
「きんかん酒」です。
二月の下旬から飲み頃なんです。
機会がごさいましたら、ご賞味下さい。

ただいま「高麗人参酒」もごさいます。
体のために、先ずは初めに一杯いかがでしょうか?
甘味のある独特の味わいが、五臓六腑に染み渡ります!

ちなみにロシアには、唐辛子を漬け込んだウォッカなんぞがあります。
お召し上がりになる機会に恵まれたとしても、おやめになられたほうが宜しいかと存じます。
名前は忘れましたが、覚える気にもなりません。
腹が立つほど最低の酒でございます!

ハブやスッポンなどのお酒もあるみたいですが、やはり漬け込むのはフルーツが宜しいようですね

地下鉄の幻影

2011年01月24日 01時18分47秒 | 日記
疲れていたのか、わたしは深い眠りに落ちた。
車両の揺れですぐに覚醒したが、意識の薄い状態でまどろんでいた。
無重力の体液の中で、脳細胞のひとつひとつが剥がれて浮遊するのを自覚しながら、わたしは刹那的な幸せをむさぼっていた。

夢を見た。
小学生の頃、草津の叔母の家で釘を踏みつけて、残りの夏休みを棒に振ったこと。
幼稚園でお漏らしをして、女児のパンツしかなくて、屈辱感な思いに打ちのめされたこと。
笑いが止まらないのだけど、それが何故だか分からないことなど…

車体の揺れで夢が途切れた。
ひたひたと迫る視線を感じた。
彼だ!
だが手前の女性の髪に隠れて、顔の大半が見えない。
わたしはことのほか焦っていた。
女性がドアにむかって移動した。
その瞬間、隣の男性が吊革に手をかけ、またもやわたしの視界を遮った。
一瞬見えた彼の目が、無表情にこちらを凝視しているのが分かった。
どこか見覚えがある…

わたしは我慢できずに立ち上がると、彼は背を向けて顔を隠してしまった。
わたしは我を失い、彼に歩み寄りながら、視界を遮っていた男性の腕を払っていた。
振り向いた彼の眼差しは、この世のものとは思えないほど慈悲深いものだった。

彼は、何と青年時代のわたしだったのだ。

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今日は蓄音機隊の出動でした!

柿ピーな夜

2011年01月22日 23時42分22秒 | 日記

息子と飲んだ夜は、特別な余韻が残る。
普段立ち寄る居酒屋に行っても、奇妙な後味が残るのだ。

男同士だからね…

彼とはマンションの下で別れて、ひととき緩和の時間を求めて369でワインを一杯。
柿ピーくらいしかないのが、かえって良かったりして。

わたしは首と肩にクレ556をふりかけ、明日のゼンマイ巻きに備えるのだ。

明日は蓄音機隊の出動だからね…

明日、緊急ミニ・ライヴ!

2011年01月19日 20時25分10秒 | 日記


今日バーにピアノが備わりました。
木目が美しい、シックなアップライトピアノです。

お祝いに明日、素敵なミュージシャンが駆けつけてくれます。
「ミニ・ライヴをやりましょう!」と言ってくださったのです。



嬉しいですね!!!

有難いけど、あ、調律間に合わない。
ピッチがちょっと狂ってるけど、まあいいかー

三郎さんに捕まって

2011年01月16日 18時41分40秒 | 日記

若ゴボウをあてに、今日はやっぱり熱燗でしょう。
この冷え込みは、ちょっとこたえます。

この立ち呑み屋に、名物の厄介者がいました。
と過去形なのは、数年前に亡くなったからなのです。

その三郎さんは前科20犯以上。
筋金入りの極道ですが、根は優しくどこか憎めない方でした。
ひとしきり話した後で、いざ帰ろうとすると、体が前に進まないのです。
三郎さんがわたしのベルトをわしづかみにしていたのです。

さすがにかなりの検挙回数を誇るだけあって、身柄確保は完璧でした。

寂しい人は、本来はどこか優しいんだなあー

昨夜も盛り上がりました!

2011年01月16日 11時27分07秒 | 日記
昨夜は中山卓士(ピアノ)さんと小柳エリコ(ヴォーカル)さんの愉快なライヴでした。
極寒の中、大勢の方に来て頂きありがとうございました。

怪しい(?)乗りのピアノと、情感とサービス精神豊かなヴォーカルの素敵なライヴでした。
盛り上がり過ぎたカウンターからは奇声も!

『ゴン&エリ』マジックに脱帽しました!

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人情淡路屋

2011年01月13日 21時57分02秒 | 日記

「落としてますよ」
若いサラリーマン風の若者が声を掛けてきた。
キョトンとしているわたしを見て、彼はわたしの足元から鍵束を拾い上げた。
手に持っていた上着のポケットから落ちた、大事な鍵束だった。

彼の素直な正義感に救われたのだ。

当たり前のように声を掛ける事すら珍しくなった今、彼の一言は、わたしや周囲の人達にいかに爽やかに響いたことか。

この古い居酒屋は今は、息子が亡くなった先代の跡を見事に引き継いでいる。
オヤジ良ければ客までも、かな。