小川洋子さんの自身の実話なのか、それともフィクションなのか?が解らないところが面白い7編の短編集。1998年4月~99年3月まで「本の旅人」に連載されていたもの。他の小川さんの作品とリンクしていたり、同一の登場人物?が出て来たりしていました。以前の「静かなグロテスクな」小川さんらしい内容。やっぱり、こういうの私好きです
失踪者たちの王国
心臓が弱く部屋にこもったままの賢く美しい少女(この少女がどこかミーナに少し似てる^^)は絨毯屋さんの娘だった。タクラマカン砂漠で突然失踪してしまった叔父さん・・・。
そして嘔吐袋コレクターの伯母さん・・。(この嘔吐袋コレクターというのが、また可笑しい♪)
盗作
21歳の誕生日に死んでしまった弟、そしてその後交通事故に巻き込まれ大怪我してしまった私が通院する際であった美しい女性、彼女の弟は、水泳の才能があったが、片手が上に上がったままになってしまった・・・
(これは、デビュー作の「完璧な病室 冷めない紅茶」他に何度か出て来る、「弟」や「プール」「病室」などが出て来てました)
「ミーナの行進」「完璧な病室・冷めない紅茶」感想
キリコさんの失敗
キリコさんという優しい捜し物を見つけてくれるお手伝いさんと、万年筆の思い出・・。
(この万年筆への思いと、書くことへの喜びは、実体験かもな~って思わされました。キリコさんは、とても優しくて良い人だな~と、後味も良くて、一番好きな作品かも。)
エーデルワイス
私の書いた小説のマニアであるストーカー的男性・・
涙腺水晶結石症愛犬アポロが病気になった・・
時計工場
南国のリゾート地にて、フルーツバスケットを持った老人と、そこで出会った指揮者の彼・・
蘇生
息子と私の小さな手術・・
同じ病室にいた謎の刺繍好きな老婦人、アナスタシア(「貴婦人Aの蘇生」に出て来る老婦人とリンクしてるみたい貴婦人Aの蘇生は、2002年出版なので、こちらを書いていた際、既にイメージや作品のアイディアが出来上がっていたのですね)
妊娠カレンダー、貴婦人Aの蘇生、寡黙な死骸 みだらな弔い
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「博士の本棚」 (2007/07)
小川さんの思い入れのある本とそれに付随する出来事をからめて書いている短編集。
幼い頃の図書室の可愛らしい思い出や、小川さんが小説を書くに至るまでの学生時代の思い出(ほんわかする良い話しが幾つも☆)、小川さんが84年から約2年間、私立病院で秘書として働いていたこと(これをお聞きして、色々なことが納得!!彼女が過去沢山書いて来た、お話は、ここがルーツだったんだな・・って) あと、お友達の息子さんが日本では手術することが出来ない心臓の病気で、海外で手術をするための資金集めの支援をしたお話、小川さんが、いかに村上春樹さんの小説を愛していたか?というのが伝わって来る話しが色々^^
で、ビックリしたのが、小川洋子さんが、村上春樹の「午後の最後の芝生」に、とっても強い思い入れがあった!!という事でした。私もこの「午後の最後の芝生」は、くしくも、82年頃読んで、村上春樹好き確定!した最大のお気に入りの作品なのですよ。
私は、宝島だかに掲載されていた「午後の最後の芝生」を読んだのですが、「中国行きのスロウ・ボート」は、私も出版と同時に文庫本を買って持っていましたが、それに、最後の芝生が入っていたとは・・。今は、全然覚えて無いんですね・・・)
小川さんと私でとは年齢もほぼ同じだし、ほぼ同じ時期に同じ作品にハマっていたんだな~と、ものすごい嬉しさ!いや~~。小川さんと私じゃ、その当時の暮らしぶりも、学歴も、全然違っていて、文学への思い入れみたいのも、比較出来ないほど雲泥の差。(私なんて大学も出て無いし、ちゃらけた暮らしをしてたし・・)それにもかかわらず、同じ作品に強い感銘を受けてた(何かツボが同じだったのね~)っていうのが不思議!
そして、それから約25年経って、小川洋子さんの小説に、ハマっている自分がいます
小川さん曰わく、村上春樹の作品には、死の気配がいつもつきまとう・・とのこと。意識してなかったけれど、そうかも。そして小川さんの小説にもそれは通じる部分がある様な。
以前書いてた村上春樹についての記事
すごい感じ悪い記事なんですが・・・、ブログ開始したばかりの頃書いたんです。
文体が今と違ってマス。この記事書いた後、1年半位して、ひさ~~しぶりに、オウムに関しての村上春樹さんの小説、「アンダーグラウンド」と、続けて「約束された場所で―underground 2」を読んだら、凄く良くて!やっぱり、村上春樹さんは、好きだわー!!と、10数年ブランク開けて、再確認したんですよ。
村上春樹の死の気配というのは納得です。
小川洋子の作品はまだほとんど読んでいないので、わかりませんが、同じ時期に同じ作品に感銘を受けた作家の作品を読んで、リンクする感じを持てるのは特異な体験だと思います。
そういうのワクワクします。
ブランクがあって再確認するものって
昔の自分に「よしよし」って言ってやりたくなります。「お前、わかってるじゃないか」
バイトがんばってます(^_^;) 食べ物系のお仕事じゃないんですよ。でも立ち仕事なので、キツイです~。
元々すぐヒザとか足とか痛くなっちゃうタチなので。
おお~存在する音楽さんも、村上春樹に死の気配が・・は、納得されますか。
小川洋子さんは、佐野君の大ファンらしいので、もしかしたら、存在する音楽さんとツボが同じ部分があるかも
運動がてらに出来ればと思っても立ち仕事は身体にきますねー
小川さんを初めて知った(初めて読んだ)本は
『アンジェリーナ』だったんです。
勿論、佐野元春のデビュー曲をタイトルにしているので手にとって見ると「佐野元春と10の短編」とサブタイトルが書いてあったので、思わず購入したことを覚えています。
村上龍が『トパーズ』で「someday」を使った時は少しイメージダウンでした(笑)が、小川さんの短編は不思議なストーリー展開で歌とイメージが重ならず、しかし最後は外れてないなーと感じている部分もあり、歌詞も作品の始めに書いてあるのですが、ファンには賛否両論あるかもしれません。
小川さんの本のことだけでなく、
過去にまつわるさまざまな事までわかって面白かったですね。
小川さんとの共通点を見つけた喜び、伝わってきました。
村上さんの作品に死の気配がいつもつきまとうこと…
小川さんの小説にも通じていてびっくりしました。
『小川洋子対話集』も楽しいのでおすすめです。
>村上龍が『トパーズ』で「someday」を使った
え~~そうでしたっけ!
昔、図書館で借りて読んだことがありましたが、サムデ~が使われていたとは。
全然、そぐわない(爆)イメージですな
>小川洋子対話集
以前読んだことがあるんです^^
レビュー書かずに終わってしまいました。
面白かったのだけれど、恥ずかしながら、対談されているお相手が、知らない人が殆どで
知らない方でも、それなりに楽しく読んだ処もあったものの、やっぱり知らなくて、いまひとつ解らない処もあって、、、、
あぁ、そうだったんですね。
「博士の本棚」のことを話せないくらい、驚かせてしまって、
なんだか闇雲にすすめて無理強いしちゃったみたいで
ごめんなさいね。
あ、それともこのアイコンは…風邪をひかれたのでしょうか?。
ちょっと心配です。
やだ~藍色さんを勘違いさせて、かえって困惑させちゃったみたいです!
「博士の本棚」は、藍色さんからお薦め頂いた日よりも、ずいぶん前に、図書館で借りて読んでいたんですよ
だから、藍色さんからお薦めされたから読んだのでは無かったのです
それと、ゴホゴホマークは、風邪を引いたんではないんです!ちょっと言葉に詰まった⇒(文学の知識不足で、まいった~)の意味で、使っただけなんです。
でも、藍色さん、良い方だな~。とても細やかな配慮が出来る素敵な方だな、って今回また改めて感じちゃいました。
図書館で予約を入れても誰も順番ついてなくて、すぐに借りる事ができました。
新品同様だったなぁ。
小川さん、私も大好き作家さんです。
で、小川さんが村上春樹をすごくリスペクトしていることを知って、私ももう一度村上春樹にチャレンジしようかと思った次第です(単純~~~・笑)
でも、私の場合読むたびに「なんか違う・・・」って思ってきたんだからやっぱりダメかしら~?
『午後の最後の芝生』がかなり気になってマス。
こんなところでなんですが、サムスンあと2話までこぎつけましたよ~~(笑)