凄く引き込まれて、一気読みしてしまいました。どうなるんだろう?と、ページをせかせかとめくらせる力量が有りました。しかし、う~ん、どうも・・・あんまり好きな小説ではなかったかもしれません。
最初から最後まで、引っかかったキーワードが「出会い系サイトで知り合った」という部分でした。
恥ずかしながら、この作家さんのことを知らなくて、この「悪人」の内容を以前どこかで見聞きして(一体誰が悪人なのか解らなくなる小説という触れ込みに惹かれて)図書館で借りたのです。
で、読み終わった後、この吉田修一さんは、どんな本を他に書いていらっしゃる方なのかな?と、検索して、あっ!フジ月9ドラマ 仲間さん主演の「東京湾景」の作家さんだったんだ・・・と解りました。このドラマもなかなか面白かったものの、最後まで「出会い系で知り合った」という部分だけが、どうしても引っかかっちゃってたんです。くしくも、両方同じ事で、ブツブツ言ってる私・・・。
小説の内容に戻って。
殺されてしまう佳乃、保険会社の仲間の沙里、老舗旅館の息子で大学生の増尾、この3人が大嫌いだった(爆)
特に佳乃と沙里、眞子の3人の関係を描くのが、イヤになる位に上手で驚いた。確かにこういうタイプはクラスに必ずそれぞれ1人位づつは、存在する気がする。佑一は嫌いじゃなかったな。むしろ好感持ちました。だから、可哀想に思っちゃったな。
佳乃が殺された理由というのを知りたくて、ついつい先を急いで読みまくってしまったものの、私が勝手に頭で想像した理由と、ほぼ同じだったので、意外感がなくて、ちょっと拍子抜けしてしまった。どんでん返しがあるのかな?と、ちょっと期待しちゃったので・・・。
これと、ほんの少しだけ似た内容では、角田光代さんの「八日目の蝉」や、犯罪者側から見た小説として東野圭吾さんの「手紙」がありますが、この2つは、私的には、5つ★なお気に入りの作品なのですが、残念ながら、この「悪人」は3つ★半というところ。どこが違うのだろう?と暫し考えてしまいました。多分「悪人」に登場する人に対して、作者さんが、割と意地悪な目線で描いてる・・・ような気がしたんです(全員じゃないけど、数人の主要人物が・・)少なくとも佳乃と増尾は、私から見てですが、救いようが無い描かれ方をしていたような・・・。意地悪で、発言、行動も、嫌悪感を抱く様に・・・。
★以下ネタバレです 白文字で書いています★
増尾が、佳乃を車から無理矢理降ろすシーンには、絶句でした。極めつけに、けっ飛ばすなんて・・。ここら辺りの描写が、何か作家さんが過去にこの手のあくどい?女性に凄く嫌な目に遭わされてしまって、こういう女らには、こうしてやりたい!って、願望でも入ってるのか?と錯覚してしまうほどでした。
そして、ラスト。
佑一が捕まった後、一緒に逃避行した光代の事を愛するが故に、全て自分が罪をかぶり、光代が世間から少しでも白い目でみられないように・・・と(私はそう解釈しました)嘘の発言をしたことが、ジーンと来ました。
佑一が刑務所から出て来て、光代が待っていてあげて、数十年後、2人で幸せに暮らせる日が来ると良いのに・・・と、つい思ってしまいました。 何にせよ、殺人という罪を犯したわけで、佳乃のご両親の立場になってみれば、到底許される事ではないのだけれど・・・・以上
吉田 修一 ウィキペディアより経歴
1997年、「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞し、小説家デビュー。
1998年、「破片」
2000年、「突風」
2001年、「熱帯魚」
2002年、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞受賞。
映像化作品
『東京湾景 ~Destiny of Love』仲間由紀恵主演でドラマ化(2004年7月 - 9月)。
『春、バーニーズで』 西島秀俊、寺島しのぶ主演(2006年2月WOWOW)⇒未見
『7月24日通りのクリスマス』大沢たかお&中谷美紀主演で映画化(2006年11月3日公開)⇒見ました。中盤以降つまらなくて見るのが辛くなってしまいました。
その後、映画版を見ました。すっごく良かったです。私は小説より映画版の方がガツーンと来たし、好きです。 映画「悪人」の感想
それでも、誰かと繋がりたい、自分の存在を受け止めて欲しいと願う佑一の孤独感には切なくなっちゃいました。
エビノートさんは、東京湾景を本で読まれたことがあったのですね~。
いや~監督さんは、きっと出会い系で何らかの体験をしているにちがいないと勝手に推測しています。
それじゃなかったら、こんなに何度も出て来ない様な気がする・・
佑一はルックス的にはカッコイイのに、話すと無愛想でつまらない・・って事でしたよね。過去の自分の幼い時の体験などで、性格形成に影響が出ちゃったんでしょうね・・・。
で・・・この作品。
latifaさんとしては、引き込まれるけど好きなタイプじゃないのね。わかるわ~。私もこういう小説は
好きってわけじゃないけど.
でもよく読む部類の小説ではあるかな・・・犯罪ものはなぜか読んじゃう。例え、嫌な人物が
沢山出てきてもね。この吉田さんという作者に限らず。なんか、書いていて自分が趣味悪いと
思えてきたよ・・・笑
<多分「悪人」に登場する人に対して、作者さんが、割と意地悪な目線で描いてる・・・ような気がしたんです>こうやってきちんと分析しているのはさすがですね。八月の蝉の、犯罪者とは確かに、描かれかたが違いますものね。
作者によってカラーが違ういうのもまた面白いところではありますよね。
ところで・・吉田さんの「7月24日通りのクリスマス」今年のなってから観ましたよ。
つまらなかったですね・・・笑
こんな映画だったとは思わなく
しばしショックでしたね。観ていて恥ずかしくなったところもあり・・
あ・・もう一つブログにもカキコしていますのでよろしくね
>好きってわけじゃないけど.でもよく読む部類の小説ではあるかな・・・
私もそういう感じあるわ!私の男と、これと、どこか読み味が似てたわ。ぐいぐい引き込まれて読むんだけど、好きというわけじゃなかった・・・って部分が。
>多分「悪人」に登場する人に対して、作者さんが、割と意地悪な目線で描いてる・・・ような気が
いやいや、どうしてイヤなのかな?って考えてみたら、それ位しか思い当たることがなかったの・・・。
「7月24日通りのクリスマス」
でしょ~~ 私もなんだかガッカリ通り越して、時間を返して~って気持ちになっちゃう映画だったわ。安っぽいっていうのかな・・。主役は2人とも好きな人だったのに・・・
「パークライフ」が文庫になった時に読んでみようと思って購入したのに数ページでリタイア(汗)
で、今回二冊続けて読んだのだけど、とても読みやすい文章を書く人なのね~。
殺された佳乃とその友人たちのやりとりってかなりリアルだったでしょう?
どうして男性作家なのにそんなことまでわかるんだろうって感心しちゃった。
祐一っていうキャラが同情を誘うような愛しくなるようなタイプだったので、とても彼のことを「悪人」だなんて思えなくて、もっともっと「悪人」の登場人物たちに対してムカムカしちゃった。
犯罪を犯していない「悪人」は無数にいるのよね~。
今日からいきなりクリスマスからお正月モードに切り替えですね。
一応飾った小さいツリーなども片付けしなくちゃ・・・。
>殺された佳乃とその友人たちのやりとりってかなりリアルだったでしょう?
うん、うん。凄かったですよね~。作家さんって、ほんと凄いわ。こういうのって、どうやって書けるんだろうか??
>祐一っていうキャラが同情を誘うような愛しくなるようなタイプだったので、とても彼のことを「悪人」だなんて思えなくて
私もでしたよ~。
私はあの増尾って男が嫌いでねぇ~。この小説で一番印象に残ってるのが、増尾が、女を車から降ろす時に蹴とばすじゃない?あまりにひどいんじゃ?と思ったのよね。まあ、その蹴飛ばされる女子も嫌なヤツだし、ムカっと来るのも解るんだけどもね。。。
全然関係ないんだけど、昨日、映画「ブランドネス」を見て、途中の展開で、むか~っと来ちゃった。女子ってだけで、なんでこんな不公平な目に遭うんだろ?って。感想は書かないつもりなんだけど、ほんと頭に来ちゃった~ ミチさんちの感想も読ませて頂いちゃった☆
キャ~、↑ミチさんのコメントが(涙)。お元気なんだろうか。。
いつか再開されないかな、、って期待してるんだけどね。。まだかな~。
ところでこの本。そうか~、小説では、殺害シーンが最後の方に出てくるんだよね。
映画を先に観てしまったら、随分読み方も変わるな、と改めて思いました。
映画もよくできていたんだけど、私は小説の方がやっぱり細かい部分まで描写してあって、納得できました。
あと、私は何故か九州弁が大好きなので、堪能できたわ~。
吉田修一さんって、映画も撮ったりしてるよね。。才能あるんですね。
そうだよね・・・ミチさんのこと、コメントとかTBとかブロガーさんちの古い記事に残ってると、その都度思い出してるよ・・・
きっとどこかで再開されているんだろうけど、全く解らない・・・。
で、この小説。
真紅さんは、映画の次に原作だったのね?
そういう順番の方が両方楽しめて良い事多いよね。
私も早く映画が見たいよぉ~!レンタル待ちだけど・・。
そっか~吉田さんって監督もやってるんだね?
妻夫木も最近あまり出ないなあなんて思ってたら、こんなぴったりの役で
私もラストは、光代に幸せになってほしいという愛から偽証をしていると思っていますが、光代でさえ騙されていたのかしら、って思うほど巧みな嘘ですよね。ちゃんと償って二人一緒になるという方法もあったのに、って思うと悔しくて切なくて、泣いてしまいました。
出会い系にはそんなに抵抗ないなあ。出会いの形はそれぞれだから。
lafitaさんは真面目なんですね
映画も行きたいです。
悪人、読まれたんですねー。世間では、ツマブキ君の初の悪役とかって宣伝していましたが、みどりさんもご存知のとおり、ツマブキ君、悪役過去にやってるんですよね~
まだ映画は見てないのですが、レンタルになったら速攻借りて来ようと楽しみにしています。
ラスト、切なかったですね・・・。
映画ではどういう解釈になっているのかな・・・。
出会い系、みどりさんは、そんなに抵抗無いんですね。私はちょっと頭が固いのかも・・・。
ナンパで出会いとかは、そんなにイヤじゃないんだけれど・・。