ポコアポコヤ

食べ物、お菓子、旅行、小説、漫画、映画、音楽など色々気軽にお話したいです(^○^)

「間宮兄弟」小説と映画 感想

2007-01-28 | 小説・漫画他

電車男が兄弟だったら?という感じを受けました。「良い人」でも、全然モテない男2名・・・。
この兄弟に幸あれ~!と願わずにはおれなかったです。
小説版にしろ、映画版にしろ、残酷だな・・って思う部分もあって、心の底から笑ったり、楽しかった!と手放しで思えない処も少々有りましたなぁ・・・。
イタイ人・・・気持ち悪いとか、そう言われちゃうこと、あるんだろうなあ・・・・と、第三者的な目で冷静に見ると推察が出来たりするんだけれども、なんとかこの優しき良い人達を、そういう部分も含めて、愛すべき可愛い人という風に見てくれる女性が彼らの前に、いつかきっと現れてくれ~!って願うばかりでした。(なんか、彼らの母的な目線で、この映画や小説を見てしまう自分がいた)

小説を先に読んだ後、暫くの後、映画を見たのですが、主人公の兄弟に佐々木蔵之介と塚地武雅というのは、かなり近い人選だったと思いました。でも弟は皮のジャンバーとかハード?なファッションや、音楽もお兄ちゃんと違った系統の音楽がお好みだったはずだけれど、チノパンにシャツという、こざっぱりしたファッションになっていました。


凄く違和感あったのは、北川景子演じる妹役。彼女自体は可愛いお顔なのだけれど、なんだか笑い方とか演技が、まだ新人さんだからしょうがないのかもしれないけれど・・・・、そのボーイフレンドもイメージと全然違っていました。このボーイフレンドが、結構どんな人が演じるのかな~って期待してたんだけれども、ちょっとがっかり・・・。

小説で読んでいて胸が痛くなった部分は、この兄弟が小さい頃から今に至るまでの間、少しづつ蓄積されていった傷というか・・・活発で元気一杯で体育会系な男の子には、きっと解らないであろう運動神経がにぶめで、性格が優しいけれど繊細で、ちょっと弱い感じの男の子の小学生時代、中学校時代が何とも切なかった。

あまり楽しい事ばかりじゃなかった学校なのにもかかわらず学校が好きで、弟君が学校で働くに至る部分等も、もの哀しかったです・・・。
私も運動神経が異常に悪くて、ほんっとに小学校時代は情けない惨めな思いを一杯してきたから、この兄弟の気持ちが部分的にすっごく良く解りました。

小説は全体に少し物哀しい雰囲気が漂ってるというか・・独特の味わいがあって、凄く入り込んで一気読みしたし、読み終わった後の余韻というかも深かったのだけれど、映画版はコメディ色を強めていていました。
比較するのも、なんですが、断然、小説>>>>>映画でした。

映画では、まるで「植物の様な男たち」に見えたけれど、小説では心の中の葛藤や挫折や苦い気持ちなどが表現されていたし、ちょっぴりこの2人の性的な事も書かれていたし、映画では常盤さん演じる先生は、行き止まりの恋って表現だけで、あまり良く解らなかったけれども、小説ではその相手が、家庭を持つ同じ学校の男性教師で不倫で、って事もしっかり書かれていました。
そして、沢尻エリカのお相手、小説では最後の方で、え??そうなの?そういう展開になるのかい?というのが、ちょっと意外でした・・・。

失恋すると必ず電車を見に行く陸橋・・・って描写が、映画でリアルに表現されていました。小説で想像していた場所とか風景と違ったけれども、ここの部分が小説でも映画でも好きでした。
映画倉庫の方でアップしようかな?と思っていたのだけれど、小説の方がずっと面白かったので、こちらで小説扱いでアップしました。


間宮兄弟 (2006/日)
監督・脚本 森田芳光 原作 江國香織
出演 佐々木蔵之介 / 塚地武雅 / 常盤貴子 / 沢尻エリカ / 北川景子 / 戸田菜穂 / 高嶋政宏 / 中島みゆき

(あらすじ・内容)amazonより
兄・明信、35歳、酒造メーカー勤務。弟・徹信、32歳、学校職員。2人暮らし。読書家、母親思いで、マイペースで人生を楽しむ兄弟だが、おたくっぽいと女性にはもてない。一念発起で恋人をつくろうと、徹信の同僚・依子と、ビデオ屋の店員・直美を誘って家でカレー・パーティーを開く。不倫の恋に悩む依子は兄弟には興味なし。明信は直美をデートに誘うが断られる。その後徹信は、明信の同僚・賢太の妻・沙織に心惹かれるが冷たくふられる。しかし、直美の妹・夕美は徹信に興味を持つ・・・

コメント (26)    この記事についてブログを書く
« 青山七恵 「窓の灯」と「ニシ... | トップ | ロイヤルキャラメルチーズケ... »

26 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ほっこり切ない (現象)
2007-01-28 23:18:41
小説版の沢尻彼氏の行方も気になりますね。
短編じゃない小説の映画化って大体がスケールダウンしてしまうものでしょうか。
2時間前後という尺は厳しいものを感じます。
切なさみたいなものは映画でも表現されてましたかね?
ラスト近くの「二人でこれからも暮らそう。~」というセリフは、
深い悲しみを感じる場面でもありました。
返信する
その後が気になる (fizz♪)
2007-01-29 12:44:40
latifaさん、こんにちは♪
そうですか、小説もあったのですね。
映画しか観ていないのですが、偏ったところは見受けられるものの、歪んでいず、清潔に真面目にくらしている兄弟が、あの歳でも相手に深い思いやりを持ちながら仲良く暮らしてしるって、受け止めてました。
いやいや、latifaさんの記事を読んで驚きです。
子供時代からの内容が不可欠な気がして来ましたよ。
俄然興味が湧いてきました。
ありがとうございます
返信する
現象さん☆ (latifa)
2007-01-29 19:15:19
現象さん、こんばんはー
切なさみたいのは、映画では、あんまり表現されていなかったような・・・
元々、たぶん、監督は、そういう部分よりも、ユニークでくすっと笑える様な雰囲気の映画を作ったんだと思います。映画は、映画なりに楽しかったのですが、私は、小説では、どちらかというと、その物哀しい部分に、惹かれた感じだったようです。
返信する
fizz♪さん☆ (latifa)
2007-01-29 19:31:26
fizz♪さん、こんばんはー
わ~い、こちらにも遊びに来て下さるなんて、うれしいですー!
fizzさんも、映画版ご覧になられていたのですね。
いやいや、たまたま、自分の幼少時代と、かぶる部分があったので・・・。それと、私の兄弟、親類の男子は、ちょっと間宮兄弟的(少々オタク体質、運動苦手)な処があるので、つい、そういう処に強く反応しちゃっただけかもしれません!みなさんが、物悲しく感じるかどうか、解りません!
 あと、弟の方が、大人になって就職した後、誰もいないシーンとした学校の中に自分だけがいる・・(働いている)描写が好きでした。私も身内に学校関係者がいたので、そういう経験をしたことがあり、不思議かつ、凄く楽しい思い出になっているので・・・。
返信する
こんばんは (狗山椀太郎)
2007-01-29 20:17:29
コメント・トラックバックありがとうございました。

小説の方が、人物心理とかネガティブな面をしっかり描いましたね。
その描き方がリアルすぎて痛いくらいでした。
弟が(思いを寄せていた)女性から「あなたは、はっきり言わないと分からない人のようだから・・・」と言われていた場面があって、何だか自分のことを指摘されているような気がしてビックリした記憶があります。
本を買って読んだ当時はちょっと辛い気分でしたが、今から思えば小説後半のかなり切ないムードもなかなか良かったと思います。
返信する
狗山椀太郎さん☆ (latifa)
2007-01-29 21:49:31
狗山椀太郎さん、こんばんは~
こちらこそ、ありがとうございました。
狗山椀太郎さんも、同じに、小説⇒映画なんですよね。
そのシーンは、痛かったですね・・・。私は、ちょっとその女性の対応が、冷た過ぎるんじゃないかな?、弟がちょっと可哀想・・・なんて思っちゃったんですけどね・・・。
その反面、たいして親しくもない人から、色々親切にされちゃって、ちょっと怖い・・って思っちゃった彼女の気持ちも解らないではないんだけれども・・・。でも全く見ず知らずの他人ではなくて、知人の兄弟って身元がしっかりわかっているから・・・。
返信する
まだ読んでないのですが (yottyan)
2007-01-31 08:51:29
だいたい想像が付きました。なんか切ないですね。何度もそんな状況を作って来ましたから共感します。
人には言えないことも結構我慢してきましたね。
たまに南の島で河童と狸と泳いでみたいときがありますね。ファー。
返信する
yottyanさん☆ (latifa)
2007-01-31 11:17:17
こんにちは~yottyanさん
似たような経験を何度もされている人って、実は多い気がします。

もうすぐ、旅行じゃないですかー☆
存分に楽しんで来られますよ。お仕事、がんばー!です
返信する
こんばんは♪ (ミチ)
2007-01-31 20:12:42
latifaさん、TBありがとうございました☆
そっか、小説>>>>>>>映画なのね~(笑)
江国さんの本には一昨年ハマって、数冊読んだのですが、この小説は未読でした。
彼女の小説の中でももしかして異色なのかな?
latifaさんの感想からこの兄弟の子供の頃のことをうかがって、なんだかちょっと物悲しくなってきちゃった。
容貌もいまひとつで、勉強もスポーツもそれほど得意じゃなくて・・・っていう子って意外と多いと思うのよ。いや、男子だけじゃなくて女子だって・・・。
それがどうやったらこういう兄弟になっていくのか興味があるな~。
映画では、あの兄弟はもうちょっとのところで女性とも何とかなれそうな感じがしたのだけど、あまりガツガツとそれを望んでいないんだよね。
居心地の良さを優先してるのかなぁ。
latifaさんはいつも本と映画とか映画同士を比較検討しているのがいいわ~

ところで、映画倉庫の「それボク」にコメントを入れてあるの。
あまり大したことないコメントだけれど、読んでね!
返信する
ミチさ~~~~ん!! (latifa)
2007-01-31 22:17:35
ミチさん!!!まずは、映画倉庫の方の件からですが、キャー!大変!!投稿ボタン押したはずなのに、アップされていなかった本当にすいません!!! 今、アップしました。お許しを~~~

ところで、ミチさん、江国さんの本に一時ハマった事があるだなんて!私は、彼女の本を読んだことがなくて、読んでみよう、って思った矢先、TVで、彼女の原作の「東京タワー」(映画版)を見て、がっかりしちゃって・・・。(もしや、原作は良いのに、映画はダメだったのかな・・・?)以来、読むのが後回しになってしまっていたのです。そして、去年の秋に、間宮兄弟を読んだら、結構良くて・・。

>容貌もいまひとつで、勉強もスポーツもそれほど得意じゃなくて・・・っていう子って意外と多いと思うのよ。いや、男子だけじゃなくて女子だって・・・。
  しばし、自分の小学校時代や、子供のクラスメートなどのメンバーを振り返って考えてしまいました・・・(^^;)。
小学校時代までって、やっぱり運動が、メタメタにダメだと、とっても惨め~なんですよ。(自分及び弟及び自分の娘もそうだから良く解る(x_x)
でも、スポーツはダメでも勉強出来るとか、両方ダメでも容貌良いとか、両方ダメでも何か才能や趣味があったりとか、何か有ると、良いのだけれど・・・。何も無いとなると、自信喪失しちゃって、その後の人格形成に影響が出ちゃう子も中にはいる様な・・・。

 でも、残念ながら、何も取り柄の無い子だからって、絶対に人生諦めて欲しくないです!、友人に恵まれるとか、地道にコツコツ働くとかだって充分立派なことだし!
それに、特に何にも取り柄が無くても、好きになってくれる異性が現れた日には、自信につながると思うんですよ・・・。

>あまりガツガツとそれを望んでいないんだよね。
 そうでしたね・・。本では、何度も失恋を繰り返して行くうちに、諦めることを身につけてしまった・・って感じもありました。
返信する

コメントを投稿

小説・漫画他」カテゴリの最新記事