ポコアポコヤ

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「いつか読書する日」感想 ずっと同じ町で生き続けること

2006-08-07 | 映画感想 他

ituka

いつか読書する日を見ました。この映画は、あまりお金がかかってないし、一見地味な映画なのだろうけれど、引き込まれて2時間釘付けで見てしまいました。かなり練られた上質なシナリオという感じでした。2時間の中で、子供のネグレスト問題や、老人の認知症の問題もからめながら、メインは、30余年間思い続けた50才の恋愛(田中裕子と、岸部さん)を深く描いた映画。

この映画見て思ったことは色々あるけれど、一番思ったことは、若い時に過ごした町で、ずっとその後もずっと住み続けること・・・について色々自分に置き換え考えてしまいました。私は若い時に暮らした町とは凄く離れた場所で今住んでいますが、学生時代の友達の9割が、この「いつか読書する日」と同じに、地元にずっと住み続けているんです。だから、友達から「誰々は今こうなってる・・・」「誰々の子供は、こんな子供で、親とそっくりなんだよ」etc・・・などの話を聞くことが良くあります。大人になっても、その後の消息や現況を回りが知りつつ、老人になっていくんですよね。故郷に住み続けるということの長所と短所(回りは知ってる人ばかり、友達、知人が多くて、楽しいことが多い反面、色々昔繋がりや、色々な呪縛?から縁が切れない)をふと思いました。
そして私がもし、あの町で生き続けていたら・・・・と、考えると、何となく口の中が苦くなってくる。ちょっとその辺に出る時も、だらしないカッコでは出歩けないな~!とか、思って焦ります。いつもどこかにちょっとだけ、緊張感伴う暮らしなのかもな・・・。

「30年間も思えるか?」って処ですが、田中さん的に一途に・・って事が出来る人はあまりいないかもしれないけれど、岸辺さん的に(結婚もして、普通に暮らしながらも、心のどこかに秘めている)30年なら、結構可能というか、そういう人はいるんじゃないかな・・・。私の回りの友達を考えて見た時、本人にズバリ聞いたことはありませんが、「多分○○ちゃんは、今でもあの彼のこと今でも絶対引きずってるハズ!」というのが、ザクザクありますもん(^_^;) もし、何かがきっかけで、再会することがあったら(殆どの人が地元に今も住み続けてることを考えれば、そういうチャンスは大いに有り・・・)、バッ!と火がついてもおかしくない様な・・・例えそれが、70才だとしても。

岸部さんが「50から85までは長いですか?」って聞くセリフがあって、それが、異様にガツーン!と来ました・・・。考えてみると35年もあるんですよね・・・。私まだ50才になってないんですが、それを思うと・・・・。

凄く下品な表現で申し訳無いのですが、私が今まで生きて来て、回りを見渡して思うには、何かある恋愛・ある人を長いこと引きずっている人は、その相手と一線を越えることがないまま別れてしまってる気がします。何度かHしちゃった仲で、長年強烈に思い続けるってことはあんまり無い様な気が・・・。一応やることやっちゃったか、やらずじまいだったか?って、その後の引きずり?に、かなり左右する事なのかも・・・特に男の人。でも、この映画では、田中さんの方が岸部さんよりも、もっと思いを引きずってた感がありましたが。
この映画で、岸辺さんが「ずっと思ってきたこと。 したい」 田中さん「全部して」ってセリフが出て来て、さすがにこのセリフには、ギョッ・・・ってビビリました。多分この2人は、そういう事しないまま別れちゃったんだろうなあ・・・と勝手に推察。

この映画を見ながら、「チルソクの夏チルソクの夏の感想が頭に浮かびました、早朝牛乳配達するシーン(チルソクは新聞だったかな?忘れちゃった)風情のある、坂道や細い路地の街並み・・・。チルソクも、ごくわずかな何カ所かだけ除けば、凄く良かったし、泣けた映画でした。ロケ地は、長崎だったらしいですが、何とも言えない良い雰囲気でした☆

挿入歌に、ポール・ウィリアムズの「雨の日と月曜日には」がかかって、私はカーペンターズのばかり聞いていたので、とても新鮮でした。この曲、良い曲だな~。そして中高生の様に、50才になってもラジオのDJに片想い?の文とリクエストをする田中裕子が、少女っぽくて可愛いというか、何というか・・・微妙ですが、カワイイと思いましたよ私は。多分彼女の頭の中(恋愛体質?)は、高校時代で止まってるんだろうな~って思いました^^。

★以下ネタバレです★文字反転して下さい
他の誰とも恋愛せず、ひたすら一人の人を思い続けた田中裕子。すごい・・・けど、ちょっと・・こわい・・・です。彼女が誰と恋愛することもなく、唯一の趣味・時間つぶしとして、結果的にあれほどの量の本が集まってしまったという、30年分の重み?が、圧倒的な迫力で・・・。岸辺さんがそれを見た時に、思わず引きそうになっちゃう(様に私は見えた)。あのシーンは圧巻でした・・・。
ちょっと思ったことは、この映画では、仁科さんが病気で早く亡くなってしまうけれど、もし、元気で90才過ぎまで生きれる人生だったら、、田中さんは、どんな人生を送ることになっちゃったんだろう・・・って思いました。
それと、仁科さんも、なんだかちょっと可哀想に思えちゃいました・・・
★ネタバレ終了

緒方明監督、田中裕子、岸部一徳、仁科亜季子(この3名の演技の上手さたるや、拍手!!!) 杉本哲太 香川照之 渡辺美佐子(彼女が好きなので、久し振りに見れて嬉しかったです。お年を召されても、やっぱり、昔とおり、どこか素敵だった!!)


コメント (12)    この記事についてブログを書く
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12 コメント

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濃い映画ですねー (存在する音楽)
2006-08-07 21:17:27
ゲド戦記はイマイチだったようですね。見に行きませんが(笑)



エッチしても引きずることってあると思いますよ。

多くの人がそうなのかどうかはわかりませんけれど、

思いを残しているっていうのはエッチだけではないんじゃないかなー

別れ方というか、一緒に居なくなった状態がどのようなものだったのかでも変わるのかもしれませんが…



確かにエッチしてない方が「もっと知りたかった」的な欲望が強くなって引きずりやすいかもしれませんね。



漫画やドラマでは…

あすなろ白書とかってエッチしてませんでしたっけ?
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存在する音楽さん☆ (latifa)
2006-08-08 10:22:53
こんにちは~存在する音楽さん

うはは・・・。そんな部分に反応して下さって、スイマセン(^_^;)

実はこの文、映画倉庫の方で10日ほど前先にアップしていたんですが、女性2人から、その辺の部分に、そうかも・・っていう感想を頂いておりました。



>思いを残しているっていうのはエッチだけではないんじゃないかなー

 ここはよもや、勘違いされたままだったら困るので、今一度追求しておきますが(^_^;)、Hに思いを残している という訳ではないんですよ!汗))そうじゃなくって、なにかお互いのこと、まだ良く知らないまんま別れてしまったって処から、色々な面で(良きも悪きも)・・・って意味でした。言葉が上手くみつからなくてゴメンナサイ。



でも、貴重な意見、(そこの部分の男性からの感想は初めてでしたし)ありがとうございます!

別れ方っていうのも、かなり重要ですよね。徐々に・・・っていうのだと心の準備もあるけど、突然だと、いつまでたっても、引きずってしまいそうです。

あすなろ、懐かしいですね~。内容だいぶ忘れちゃいました
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はい(^^) (存在する音楽)
2006-08-08 19:58:34
Hに思いを残しているとは受け取っておりませんよー

表現しにくいですよね、確かに。



あすなろ白書は

安田成美扮する女性が突然、最高に素敵な恋愛を消さないうちに緒方直人扮する恋人のもとを離れて消えてしまい、どこかのだれかと結婚する終わり方だったと思います。

こんなことをされたら、残された側はヘロヘロになっていまうなーと当時思っていたことを思い出しました。

きっと納得できずに呆然とする日々が(例え彼女が出来たり、結婚しても)続くだろうなって思っていました。
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おしん (hide3190ymo)
2006-08-08 20:56:35
こんばんは。田中裕子さんといえば、「おしん」のイメージが強かったのですが、だいぶ老けましたねー。(笑)



30年想い続ける、うーん、まだ未体験ゾーンですが、「無意識ゾーンのこころの奥底に生き続ける異性の存在」っていうのは、あるかも知れません。



昨日ちょうど、夢の中で、今では好きでもなんでもない10年前の恋人が出てきて、その彼女の結婚式に出席をして、なぜかお祝いに「くるり」のベストアルバムを渡そうとして、彼女に受け取ってもらえずCDをたたき付けられたうえに、案内された宿泊場所は、深い深い不気味な地底で、さらに上司と相部屋だったという、変な夢を見ました。



夢に出るということは、まだ想いがあるのかと、ハッと目が覚めたときに気づきます。



とりとめのないコメントですみません。。
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存在する音楽さん☆ (latifa)
2006-08-08 21:25:14
こんばんは、存在する音楽さん

あ、ちゃんと通じていたようですね(^_^;)良かった、良かった



ところで、あすなろ白書なんですが、存在する音楽さんの書いて下さったやつって、もしや、別のドラマかな?もしくは、映画版なのだろうか?

私の知ってるあすなろ白書は、主題歌が『TRUE LOVE』藤井フミヤで、筒井道隆演じる掛居君という人と、石田ひかりが主役。

石田さんを片想いする眼鏡の男の子が、キムタクで、一時2人は付き合うのですが、石田さんは、キムタクを本当に好きになることが出来ず、掛居君のことが好きだったんだったのかな?その掛居君のことを親友の西島秀俊さんも好きで(男同士ではありますが・・)という内容のやつなんです。

存在する音楽さんの、説明して下さったドラマは、私、残念ながら見てないみたいです・・・思い出せないところを思えば・・
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hideさん☆ (latifa)
2006-08-08 21:27:25
hideさん、こんにちは!

田中裕子さん、未だに頑張ってるみたいです。ゲド戦記でも、凄い上手な声優やってました(悪いヤツの声)おしんね~~~!懐かしいです。私は、おしんといえば、あの小さい子(小林綾子ちゃん?)で、田中さんといえば、「天城越え」とか「駅」の色っぽいシーンが印象に残ってます。



> 30年想い続ける、うーん、まだ未体験ゾーンですが、「無意識ゾーンのこころの奥底に生き続ける異性の存在」っていうのは、あるかも知れません。

 だって、まだhideさん、30代だものー!!!自分が50才になった時、その30年思い続ける・・っていうのを、どういう風に思うのかな~、私も、hideさんも。



hideさんの夢、凄く面白い不思議な夢だけど、なんか現実的な部分があちこち入っていて、妙に可笑しいですね^^ いやいや、10年前の彼女なら、全然最近?って感じっすよ。私なんてね、27年前の彼氏(オイオイ!!自分で、今,換算して、ギョッ@@!と、なっちゃいましたよ。約30年前じゃ、ござんせんか!!)が出て来て、もう28年会ってないんで、顔も殆ど忘れてるのに、hideさんみたいな、ちょこちょこ現実的な部分がミックスされていたんですよ。

でもね、夢に出てくるから、思いがあるとは限らんかもしれません。私は、どってことないクラスメートとか(女子ですが)、大嫌いなかつての会社の上司とか、今でも夢に出て来ることあります。

私は今でも、たまに、朝寝坊して、学校に遅れちゃう!急いで制服着なきゃ!って焦る夢を見ます・・・
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寡作佳作 (現象)
2006-08-08 22:29:59
やることやっちゃったか否か。

それは多い関係ありそうですね。

プラトニックだからこそ、みたな部分があると思います。

カイタがイケメンならまだしも…とはちょっとだけ思いましたけれどもw

岸辺一徳大好きなんですけどね^^;

緒方監督、寡作なだけに上質な作品を撮りますよね。

次回作はまた何年も待たなければいけないのかな…
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現象さん☆ (latifa)
2006-08-13 15:39:16
現象さん、お返事遅くなってしまって、ごめんなさい。ちょっと留守にしていました。

夜寝ちゃった後にコメント頂いていたので、翌朝早朝バタバタ出かけなくちゃならなかったので、タッチの差で、レスが付けられませんでしたm(_ _)m



岸辺一徳さん、私も結構好きです。あの人が出てくると、なんかオーラがあるというか・・・あのぬぼ~っとした顔に長身というアンバランスさが、洒落てる気がします。



>カイタがイケメンなら、まだしも・・・

^m^ いやいや、引きずるのに、カッコイイ・綺麗は、もしかしたら、あんまり関係ないかもしれません☆ 回りを見たらば、なんであんなのが良いのか?なんであんなのを引きずってるのか?って場合も結構あるような・・・
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うーん (マー)
2006-08-17 00:34:11
私はこの映画見ていないので

映画のことは口挟めませんが

30年思い続けていて私だったら

あまりに年取りすぎてイメージ変わりすぎて

興ざめしてしまうと思います



好きだった俳優(熱烈に・・・!)も今見ると

何でこんな人が良いと思ったのかしら?って(爆)



田中裕子さん私は「マー姉ちゃん」が思い出されます



彼女は頑張っていますよね

昨年だったか海を渡ったバイオリン・・・とかいう

ドラマで韓国のオンマーを演じていらっしゃいました

オール韓国語で・・・・



とてもネイティブとは思えないでしたが

そういうトライは尊敬します

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マーさん☆ (latifa)
2006-08-17 09:31:50
マーさん、こちらにもコメントどうもありがとうございます~

いやいや、私も30年後の姿は見たく無いです・・・それと、私の姿も見られたく無い・・・(爆)



>好きだった俳優(熱烈に・・・!)も今見ると

何でこんな人が良いと思ったのかしら?って(爆)

 私も!!!今も名前を出せる様な人もいるけど、とうてい口が裂けても言えない人もいます。

 私が昔、大ファンだった歌手(俳優)の中で、自分が好きだったころとは、明らかに路線が違っていて、まさか、こんなんなっちゃうとは・・・って感じの人もいたり・・・(^_^;)



おっ!!マーさんも、海峡を渡るバイオリン、ご覧になられていたんですねー!いつだっけ?ってちょっと見てみたら、2004年の11月末だったんですね。

出てましたねー田中さん!!

ハングルがんばってましたよね。このドラマ、結構面白くて、その後、自伝小説も読んでしまったほどでした。そういえば、オダギリジョーも出てましたよね~☆

http://blog.goo.ne.jp/latifa/e/04762f578add57602fc1ba406ef63403

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