表紙が可愛らしく、そして「きりこは、ぶすである」という言葉から始まるのにソソられ読んでみました。
猫好きな人にはたまらない本だと思いますが、特に猫が(犬も)好き!って程じゃない私でも面白く読みました。
幼少時代、10代、大人になってからの人間の移り変わり?や、「容れ物」=外見にとらわれる事や意識について、色々考えさせられる本でした。4つ★
本当はブスだけど、両親から可愛い可愛いと言われつづけて育ったが故に、11才まで自分がブスだと解らずにいたきりこ。きりこが小さい頃の描写「ブスなのに威張っている強気な女子」が圧倒的な迫力でした。給食の白玉を長時間ほっぺに・・の処はやったことないけど気持ちは解る!
そういえば、自分の過去のクラスメートとかを振り返ってみると、11才位までは、外見が不細工だろうがなんだろうが、リーダーシップを取るタイプの性格の子供の方が、仲間内のボス的立場でいたりする傾向があるみたい・・。
そして、ルックスは良いけれど、性格が大人しかったが故にそれまで地味だった女の子が、ちょうど11才頃から、ぐんぐん目立って行く様になる・・・というのも解る。
それと、幼少~10代の頃、カッコ良くて、走るのが速くて、ケンカが強くて・・・そういうことで女子からモテモテだった男の子が、大人になったらモテなくなってしまう。 それとは逆に、昔は、軟弱でガリ勉とか言われてた男子が、大人になってモテ出す。
女子は、正反対の人間に鞍替えしたのである。
その鞍替えの理由や背景を詳しく説明している188頁には、なるほどなぁ・・・と読み入ってしまった。
★以下ネタバレです 白文字で書いています★
192頁で解ること。それはきりこ本人も、「容れ物」にこだわっていたという事。こうた君を好きだったのは、こうた君の容れ物を見ていたということに気がつく。この展開も、やるなぁ~!と思いました。
それと、ちせちゃんが露出の激しい服を着て、出会い系サイトで知り合った男性と逢瀬を繰り返している・・という生活をしてたある時、強姦されるという出来事が起きる。同意じゃなくて、強●だったと、ちせちゃんが強く憤るんだけれど、世間は「そんなの自業自得じゃないか」と言うという部分がありました。ここは以前何かの雑誌か番組で、西さんが「ある女性が露出の激しい服を着ていて・・されたら、そんなカッコをしていたのが悪いと言うのはおかしい!うんぬん・・・」と強く訴えていたんですね。もしかしたら西さんご自身か、お友達に、そういう目に遭った人がいるのかもしれない・・・。私は、ちせちゃんが怒る気持ちも良く解るけれど、でも反面、やっぱりちょっと自業自得かもなあ・・・という気持ちも少しあるんですね・・・。 ここの部分は、すぐにちせちゃん側の身方になってあげられなかったかな・・・。
でも、小説では、204頁に「自分がおかしくないと思うことであっても、周囲にはおかしいと思うことはある。私は少し頑なでありすぎたのかもしれない」と、人間が少し丸くなったちせちゃんがいました。今ちせちゃんは、弁護士さん一人と・・・という風に締めくくっているんですが、なんとなくそこが良いんだか悪いんだか・・・まるく納めてしまった感じがして微妙でした。 ちせちゃんには特定の人じゃなく、ずっとその筋のハンターを続けている・・って設定で終わっても良かったんじゃないかな?と思ったりもして
でも最後はみんな幸せになって、ほっとしました。太っていて地味に目立たなく見下げられていた存在のみさちゃんは漫画家として大成し、外見も内面も自信に溢れ、色々な男性をgetしたし、蚊の幻聴から精神を病んでしまったさえちゃんは税理士になり、会社を株式会社にしてくれた。あずさちゃん(同性からは憧れの存在で、颯爽として、何でも優秀。一般的に日本の男性は、自分より背が高いとか、自分より勉強や仕事が出来る女性が苦手な傾向があるらしく避けられがち・・)が凄く年下のフランス人男性と結婚以上
表紙のイラスト(装丁)は、永田キナコさんによるものだそうです。永田キナコさんHP 過去の作品とか手がけたイラストを見せてもらったら、とても可愛かったです。色づかいが良いですね~。グリーン系の色味が素敵だな~。カラフルなフェルトの作品などもありました。
内容(「BOOK」データベースより)
きりこは両親の愛情を浴びて育ったため、自分がぶすだなどと思ってもみなかった。小学校の体育館の裏できりこがみつけた小さな黒猫「ラムセス2世」はたいへん賢くて、しだいに人の言葉を覚えていった。ある事件がきっかけで引きこもるようになったきりこは、ラムセス2世に励まされ、外に出る決心をする。夢の中で泣き叫んでいた女の子を助けるために…。
西加奈子 「あおい」「さくら」感想
私は猫恐怖症ですが、とってもおもしろく読みました。
この本を読むと、猫の見方が変わるかも…ですね
猫恐怖症ですか、
私も特に猫が好きって訳ではなく、犬もなんですけれどもね。
でも猫は何を考えているんだろう?と思う処があるので、ああいうラムセス2世みたいな賢い猫もホントにいるのかも・・と思っちゃいました。
読み人さんちの記事、私が読んだ本と偶然一杯重なっていたので、嬉しかったのでした。
また今後も遊びに行くのでよろしくお願いします
自分はかわいいと思い込んだきりこの無敵ぶり。思考するネコ。
この二点は、めちゃめちゃツボでした。
それと親の刷り込みって「あるな~」と思いました。
コメント、TB、どうもありがとうございますとっても嬉しかったです♪
前に、豊島ミホさんの本で、ある女子高生が、中学まで田舎の少人数のアットホームな小中学校に通っていたが為に気がつかなかったけれど、高校に進学し沢山の子を見て、自分のいけてない度と不細工ぶりを初めて気がついてショックを受けた・・・ってお話があって、きりことはちょっと違いますが、ぶすだ・・・って物心ついてからある時気がつく!!というのは恐ろしい・・・と思いました。
子供や孫には、「○ちゃんは可愛いね~」と言いつつも、でも人並みかも・・・って匂わせる言い方をせねばいかんな・・・と、この小説を読んで思った次第です
特に、はじめの、「きりこはブスである」でしたっけ、「吾が輩は猫である」みたいに、「はい、そうですか」みたいな感じしません?
ずっと前読んだ漫画家の吉田秋生さんのエッセイの中で、「(学生時代っていうか、少女時代は)ブスにチャンスはないね」って仰っていて、おお、まさに、そうだ・・・ってしんみりした覚えがあります。
しかも私は貧乳だよ・・・って少女時代、その言葉をリフレインしていました。
でも、何て言うか、どんな顔のつくりでも、笑顔だったらみんなカワイイって思いません?
(いや、タレントに関しては私、厳しいんですが、一般人についてはそう思います。)
多分、そういう理由でみんな結婚したり恋人を作ったりしてると。
ねぇ? それをね、世の男子が少年時代から気づいてくれれば、世界の煩悩の7割くらいなくなるのでは・・・
でも、そうだったらこの本は生まれない・・・
私もね、表紙いいと思ったんです。
色もすごく西さんの今までの本に合ってると思います。
そうそう、私、ずうっと前に、latifaさんが堀内健一さんのことを記事にされていて、そいで、興味持って、遅ればせながら、堀内さんのフェアしようかなって計画たててます。
「ぐるんぱのようちえん」「たろうのおでかけ」とか以外にも、こう、レトロなんだけど、100%orangeさんの芯に何か共通するようなものを感じてたんです。
今度35年ぶりに復刻した絵本があるんで。
イイチャンスかなって思って。
あと、「旅と絵本とデザインと」っていう本が出たんで、これは中は拝見してないんですけど、アンアン時代の仕事について書かれていたら並べてみようと思って。
何並べても、そんなに売り上げ上がらないなら、「ふーん」って思って貰える売り場にしようと・・・
>はじめの、「きりこはブスである」でしたっけ、「吾が輩は猫である」
私もそこ、似てるな~(意識してのことでしょうね^^)って面白かったです。
吉田秋生さんの漫画って未だ読んだことがないんです。図書館に置いてなくて誰も持ってなくて・・(買えば良いんですけどね)
>ブスにチャンスはないね
私の学生時代には、「どうしてあの子(可愛くない子)がモテるのにor彼氏がいるのに、カワイイ・美人のあの子にいないの?」っていう逆パターンも一杯あったような
胸に関しては、私の世代は、牧場主さんよりも10年前だったせいか、今よりはあまり凄くは重要視されてなかった気がします。とはいえ、ずっと私は悩んで来ましたけど・・・。
痩せていて胸が無いっていうのと、ぽちゃっとしてるのにもかかわらず胸が無いというのは、大きな違いですよっ!!
>どんな顔のつくりでも、笑顔だったらみんなカワイイって思いません?
思う。思う。
今では、若い娘は元が不細工だろうがなんだろうが(全く無頓着でほっぽらかしで諦めてる人以外は)カワイイと思いますよ~。
>いや、タレントに関しては私、厳しいんですが
これ、同じ~!!私もタレントには、ちと厳しいです。やっぱり選ばれし者って事で見ちゃうので・・・
男の子がどういう風に思うか?の件は、ほんと私はわからんです。若い頃も解らず、今も解らないんですよ~。勉強不足だな~
堀内健一さんフェアをされるなんて
>レトロなんだけど、100%orangeさんの芯に何か共通するようなものを感じて
そうそう!!! 有りますよね!!
>今度35年ぶりに復刻した絵本 「旅と絵本とデザインと」
これら、知らなかった~調べてみようっと。
牧場主さんのそういった工夫やアイディア、きっと絶対誰かが注目しているはずですよ~
その頃、こう、ぴたっとフィットする本がなくて。
背伸びして大人向けの本読むか、子供っぽいっていうか、現実逃避してるものを読むか、その二択っていう感じがしてました。
今だと、ヤングアダルトっていうジャンルは色々探せばいいものがあると思うんですけど。
その頃はコミックの方が本より優れていたように感じました。
「海街diary 蝉時雨のやむ頃」っていうのがお勧めかなぁ。
何故か吉田さんのコミックは映像化されると、どうも「・・・」っていう感じなんですが、チャンスがあったら読んでみて下さい。
こう、見かけが平凡でも、恋人がいて、キレイ、かっこいい子に恋人が出来ないパターン、むむむ、そうですか・・・
でもキレイ、かっこいい子は、あれじゃないですか、続かないことがけっこうあって、で、けっこうめぐり合うチャンスは多いのでは・・・今回ダメでも、次がいっぱいあるっていうか。
いや・・・ひがみです、正直ひがみです。ハイ。
そうそう、この本で一番私が好きだったのは、ちせちゃんのことをかばうシーンで、きりこが「セッ★ス」と言うとこです。
なんか、初めてその単語を口にしたっていうとこから、だんだん慣れてくるところ、あそこカワイイ。
「植物図鑑」今日読みましたが、ラブコメの王道でした。
まあ、図書館戦争とテイストが似てるかも・・・私は、そうそう、そこでそう言って欲しいんだよ、っていうツボがピッタリなんで、好きだけど、latifaさんは図書館戦争苦手ならダメかも知れないですねぇ。
堀内誠一さんはね、こう、良い本はみんな返品出来ない出版社から出てて。
慎重に計画を立ててる途中です。
秋ごろにやろうかな、と。
今は、夏休みはじまるんで、まあ、感想文系と、自由研究とお化け系と海系とカブトムシ系
でちょこちょこやってて忙しいんですが、それがあきたら、ウ○コ系でやろうかなと。ウン○の後で堀内さんって、ギャップがあっていいかなと。
っていうか、○ンコはね、まだ店長に了解とってない・・・脳内で詰めているところ。
なんだかこの記事だけ、コメント投稿欄とか、他の部分(左の帯)の文字が大きいみたいで、不思議です・・・私は何もいじってないんですけれども
>吉田秋生さんのコミックはね、私が多感な時期に色々教えてくれたんです。その頃、こう、ぴたっとフィットする本がなくて。背伸びして大人向けの本読むか、子供っぽいっていうか
そうなんですかー。それじゃ、牧場主さんにとっては、ほんと特別な作家さんですよね
で、その背伸びして大人向けのか、子供っぽいのか・っていうの、凄く良く解ります。私が中高生の頃って、自分の世代というかにしっくり来る本って無くて・・・。フィットする本に出会えた時の喜びったら無いですよね
そんな私が若い時に最初にフィットする作品に巡り会ったぞ!って思ったのが(私が勝手にそう思っただけ)村上春樹の「午後の最後の芝生」だったんですよ・・・ その後ノルウェイ以前までの彼の本を読んで来て、そのフィット感を感じることはあったり、なかったり・・だったんだけど(フィット感を感じる事の方が少なかった気がする)とはいえ、その「午後の~」の印象が強かったせいで、好きっていうのがその後も引き続いていました。
今は自分が年取ったせいで、多くの作家さんと世代が同じだったりして、そのフィット感を今は感じる事が多く、たいがいの本を楽しく読める様になって嬉しいです。年取るってことは読書って点では悪くなかったな~って思います
「海街diary 蝉時雨のやむ頃」メモメモ!!いつか必ず読んでみたいな。
>見かけが平凡でも、恋人がいて、キレイ、かっこいい子に恋人が出来ないパターン、むむむ、そうですか・・・でもキレイ、かっこいい子は、あれじゃないですか、続かないことがけっこうあって、で、けっこうめぐり合うチャンスは多いのでは・・・
いやいや、そうでもないですよ。見かけが平凡ではなくて、見かけがはなはだしく良くないのにもかかわらず・・です。平凡だったら、んんん・・・とは思わない
それと、綺麗・カッコイイ子が、あちこちからお声はかかるものの自分が選びあぐねてるんではなく、声がかからないって意味でです。
でも、これは私の回りでだけかも。(中高の頃ね)
ただね、女子から見て同性のカッコイイ綺麗な子ってのと、男子から見てのそういうのって違うみたいですけれども・・・。
最近ね、槙村さとるの「リアルクローズ」って漫画を1巻読んだんです。図書館に入ってて^^そこに出てくる女子2名が、その私の感覚の中の「カッコイイとか綺麗な女子だけど彼氏が出来ない・声がかからない」のタイプなんですよ。もし読んだことあったら、誰だか名前あげますね♪
>きりこが「セッ★ス」と言うとこです。初めてその単語を口にしたっていうとこから、だんだん慣れてくるところ、あそこカワイイ
私もそこはカワイイな~って思いました☆
図書館戦争はね、そのラブモードに入る以前の段階でダメだったんです。最初の20pageくらい、ずっと図書館戦争に至る状況とか防衛軍とかそういうの・・・そこで挫折だったの。だから甘いラブモードが苦手だったわけじゃなくて、あの頭が混乱するような、ありえないファンタジックな近未来?な設定にどうしても入れなかったんです。
ちなみに、昨日「阪急電車」借りてきました~
>返品出来ない出版社から
あわわ・・・・。そうですか・・・。そうなんですよね、本って返品出来るやつ、買い取り?のやつとか、実は色々混ざってるんですよね・・。
>ウ○コ系
おもしろそ~~!!今頭に浮かんだのは、ちょっと可愛らしく描いた、うん○のイラストが表紙になってる絵本。タイトルなんだっけな・・。これ、子供に絶対受けるフェアですね
なるほど、うん。良い短編ですよね。
アメリカによくいそうなおばちゃんが出てくる話ですよね。
私は、何て言うのかな、13、14歳ぐらいで、何を読んでいいのか分からなくなったんです。
ファンタジーが苦手だったし、大人の男女の性愛みたいなものが、日常として出てくる話も困るし、っていう。
んで、フィットする話はどこ~、って探しているうちに結局自分が大人においついてしまったんで、大人の話を読んで違和感がなくなったんです。
その頃は、もう、殆ど読書はコミックばかりなんです。
だから、吉田さんのコミックとかがなかったらすごく寄る辺ない感じだったと思います。
槇村さとる! おお!
まあ、コミックのビニールがけも仕事でするから、まあ、まだ描いてるんだ、って知っていたけど、そうですか。
探して読んでみますね。