羽田さんの本は、以前「ワタクシハ」を途中まで読んだだけなので、ちゃんと完読したのは、これが初めて。
とても薄い本なのと、登場人物が少なかったので、読みやすかったです。
また、祖父と同居する孫の目線で、その母やら介護についての描写が多いので、他人事ではなく、身近に感じ、興味深く読ませてもらいました。
今まで気がつかずにいた事とか、はっとさせられる部分もあったし。
いやーほんと、こういう本を読んで、自分の事を一人でできなくなるまで年老いた場合、どうしたらいいんだろう(ここは、自分が、そのできなくなった側を想像し、とても恐ろしくなります。)
どうする事が介護する側・される側、双方が幸せなんだろう?
また、御年寄がよく言う「早くお迎えが来て欲しい」「じいちゃんは死んだ方がよかね」とか、そういうの・・・本音だとは思うし、家族に迷惑をかけているという後ろめたい気持ちから出る言葉だろうけれども、その言葉連発されるとなると、聞く側の気持ちも、またか・・?ってなってしまうようだし・・・。果たして、心で思っても、黙っている方が良いのか?どういう発言なら良いんだろう?と、本当に色々と考えこんでしまいます。
この小説では、謎を少し残しています。
果たしてじいちゃんは、本当に弱っていたのか?
機敏な動きを見せた黒い影は、じいちゃんではなかったのか?
同居する職探し中の暇人な孫を気遣って、わざと、じいちゃんの介護という、彼の仕事を作ってあげた??というのは考え過ぎなのかしら・・?
★以下ネタバレ 白文字で書いています★
最後は無事就職が決まり、社宅に引っ越すため、家を出て行くことになる。
じいちゃんは、とても喜んでくれて、笑顔で彼を送り出す。以上
スクラップ・アンド・ビルド 2015/8/7
羽田 圭介
「芥川賞の、又吉ではないほうです」と本人が言ったいたのも面白かったです^^
ボリューム的にも気軽に読めそうです。
スクラップは壊すで、ビルドは建てるなので、物語の最後では主人公も得るものがあるのだろうなと思います。
すっかり朝晩冷え込む様になりましたね。
これ、図書館では待ち順番もあまりなくて、早くに回って来ました。
気軽に読めますよー。
今まで読んだことがある、介護とかについて書かれた本とは、ま逆?な感じの視点で書かれている処があって、面白かったです。
はまかぜさんの感想、楽しみに待っています。