数ヶ月前、ハチクロの羽海野チカさんのマンガ「3月のライオン」「3月のライオン」二階堂のモデルの村上聖棋士とはがきっかけとなって、「聖の青春」→「将棋の子」も読むという経緯に至りました。「将棋の子」は誰かが借りたまんまずっと返さなかったのか?同時にリクエストしたのに、ブランクが2ヶ月ほど開いてしまいました。
まずは「聖の青春」ネフローゼになる前は、元気いっぱいで何も心配の無い子だった村上聖さん・・・。少年時代に病院のベッドの上で将棋を覚え、家族も彼を応援し、そして無理を押しながら対戦に臨み・・・。将棋に人生のすべてを捧げた様子が、時として壮絶に、時としてほほえましく描かれています。
それにしても、惜しいです・・・。癌のために29歳で亡くなるなんて・・・。
(もっと色々感動したエピソードが色々あったんだけれど、2ヶ月経つと、思い出せない!!! 読み終えた時、これは5つ☆だな!!と思ったし、読んで良かった!と思ったのに・・・。
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「将棋の子」
素晴らしいノンフィクション小説。文句無しの5つ☆
「無念にも奨励会を去って行った将棋の子達のことを自分が書き残す!」という筆者の大崎さんの熱い思いが凄く伝わって来る。
将棋の子の母と家族を、そして奨励会を去った後の彼らを、渾身の愛情込めて描いた作品。ご本人も将棋が大好きで、そして長年実際に彼らと近しく接して来て、密接にかかわってきた大崎さんだからこそ書けた作品。この作品を書く為に、将棋関係の雑誌の編集長の仕事を辞めたなんて・・・。大崎善生さんが本書の中で何度も言う「僕が君に持ち続けている、君の才能への羨望や、奨励会で戦う君の立場への憧れを」という言葉があります、自分も将棋が上手かったし大好きだった、でもその場所に立つことは出来なかった、そういう立場の彼が描く文章は、すごく深いものを感じました。将棋に興味が無い人でも、絶対に感動する作品だと思う。
特に成田英二さんとのエピソードは、これはもう、、、
映画の様です。最初の出会いのシーン(一方的に6年生だった大崎さんが、天才少年と呼ばれている小学5年生の成田さんを見る)から、その後、21才の時東京の将棋会館で灰皿洗いを手伝ってくれた事がきっかけで2人が知り合い、その後~~~ そして40代になった2人。成田さんに札幌に会いに行く大崎さん・・・。
今検索してみたら、成田さんが現在2009年も札幌の将棋の関係で活お仕事されているのが解るサイトがヒットし、とても嬉しかったです。
この大崎さんも成田さんも北海道の人で、私よりは少し年上だけれど、過去の札幌・北海道の町の様子や描写が沢山あって、懐かしく嬉しかったです・・・。
それにしても、将棋しかやってこなかった子供が、20代中盤で、その夢をあきらめざろうを得なかった時、こんなにまで辛い現実が待っている・・・というのが、読んでいてとても切なかったです。
そもそも将棋の強い子っていうのは、頭が良くて、集中力がある。だから将棋一本に絞らず、普通に勉強をしていたら、とっても良い成績も取れ賢い学校に進学していただろうことは容易に想像がつくわけですよ。でも彼らは夢の為に学校というのを切り捨ててる子がほとんどだったりするんですよね。夢がかなえられた人は良いけれど、惜しくも挫折してしまった人の精神的ショックと、現実の過酷たるや・・・。
私が感動してしまった文章や部分は凄く一杯あるんだけれど、その中で一番だったのは「今でも将棋には自信がある。それがね、それだけがね、今の自分の支えなんだ」と、奨励会を去った時もらえる駒だけを肌身離さず持っていて、夜タコ部屋でそっとその駒を出して見る、その駒が勇気をくれる・・という部分でした。
この小説読みながら、何度も涙が出ちゃいました。過酷過ぎる将棋の世界。特に3段から4段に上がるための年齢制限というのは、どうにかならないのでしょうか・・・。
どちらも良い作品でしたね(*^_^*)
まずは『聖の青春』から…
何故神様は村上にこれほどの試練を与える
のかと、胸がつまってしまうシーンが多か
ったです。彼のすごいところは、病気を
体の一部として受け入れ、たくさんの経験に
感謝すらしているところかと...。
壮絶な人生でしたね。
そして『将棋の子』
本当に素晴らしいノンフィクション小説
でした。
ここまで書いたら本人嫌だろうな~という
ところも多かったけれど、大崎さんが渾身
の愛情を込めて描いた作品でしたよね。
成田さんが今も将棋の関係でお仕事されて
いると知って良かったです(^_^)
私も成田さんが部屋で駒を出して見るシーン
はすごく印象に残っています。
『3月のライオン』の二階堂のモデルが
村上聖棋士なのですね。早く読まねば(^_^)
成田さん、今も将棋のお仕事をしてるんですね。こちらでそれを知って、すごくほっとしました。
それにしても将棋の世界は厳しすぎますよね。
将棋がそれだけ強いのならば、勉強でも何でもその頭脳は生かせるのでは?って私も思うのですが、他のものを全て切り捨てても・・と思わせるものが将棋にはあるんでしょうか。
将棋のできない私には想像することすら難しいものがありますが・・。
latifaさんも抜き出している
>「今でも将棋には自身がある。それがね、それだけがね、今の自分の支えなんだ」
という成田さんの言葉、そして部屋で駒を見つめるあの場面は、私も胸が熱くなりました。
どんな状況に陥っても、何かを一生懸命にやってきたということは自分を支えてくれるんですよね。
「聖の青春」も「将棋の子」も、読み終えてずっしりと心に残るものがありました。
私はlatifaさんとは逆に(同じように?)、昔働いていた会社が関西将棋会館の近くだったんですよ。
だから、その頃もしかしたら棋士の方々とすれ違っていたんじゃ・・・と思いながら『聖の青春』読みました。
村山さんが住んでらしたところも、あの辺りだったんだ、、とかね。
それから成田さんの「その後」が私もとても気になっていたので、今も将棋関係の仕事をされているとわかってうれしいです。
『将棋の子』を読んだ直後は、私もあの年齢制限の厳しさは何とかならないものかと思いました。
その後特例で瀬川さんがプロになれたときは本当に驚いたし、うれしかったです。
でも、やはりそれだけ棋士になるということは凄いことで、大変なことなんだと思います。
よほどの精神力、知力、体力がないと続かないし、将棋ファンを感動させる棋譜は生み出せないと思う。
だから、今はあの年齢制限も仕方ないことなのかな・・、と思っています。
ところで、『沈黙』スコセッシが映画化するんだよね。
すごいキャストみたいなので、今から期待しています。
原作は高校生のとき課題図書で読まされたので、また読んでみたいな~。
ではでは、また来ますね~。
2作品とも、すっごく良かったです。
なにか、マラソンとか、ダイビングとか、運動系に一生懸命になる!って小説は読む機会が多かったんだけれど、将棋に命をかける人たち!という題材が、私には、とても物珍しく感じたんです。
やっぱり、作者の大崎さんが、将棋が大好きで、棋士の人たちにも特別愛情を持っているからこそ、こういう名作が書けたんだろうな~とほんと最近読んだ本の中でも、抜きんでた感動本でした。
>成田さんが今も将棋の関係でお仕事されて
いると知って良かったです(^_^)
そうなんですよ! 本を読み終わった後、つい彼の名前で検索しまくってしまいました。すぐにヒットはしなかったのですが、辛抱強くやってたら、2009年度のとある日の将棋の仕事に名前がありまして、嬉しかったです。
あの網走の女性とはその後復縁出来たかな?とか、そんな事まで願ってしまいます・・・。
>『3月のライオン』の二階堂のモデルが
村上聖棋士なのですね。早く読まねば(^_^)
そうなんですよ。私の場合、読む順番が逆で。先に3月のライオン読んでから、この2冊に至ったのですが、3月のライオンの中で、この2冊にも出てくるセリフとか、印象に残る部分とか描かれていて、なるほど~と納得しました 是非お読みになってみて下さい!
成田さん、今も将棋のお仕事をしてると知って、私も凄く嬉しくて、プライベートな事だけれど、書かずにはおられませんでした。
>他のものを全て切り捨てても・・と思わせるものが将棋にはあるんでしょうか。
将棋も極めようとすると、ものすごい過酷なレース?というかですよね・・・。
長年諦めずに続ければいつか・・・という訳にはいかず、何歳で何段、その後何年で次の段と、その年齢制限とかあるのが、キツ過ぎです・・・
>どんな状況に陥っても、何かを一生懸命にやってきたということは自分を支えてくれるんですよね。
うん、うん、そうですよね!将棋にかかわらず、やっぱり人間一生懸命にやったという事って、結果がどうであれ、その人にとって大切な宝なんだなぁ~と思いました。
またそのシーンを思い出すと、涙腺がやばいです・・・
いやぁ~ここまで良い作品だとは、予想以上でした!!真紅さんのお薦めで、背中を押して頂けて、大感謝です~~!!
で、なんとー!!関西将棋会館の近くを毎日行き来していたんですか~~!!!それじゃ、その頃もしかしたら棋士の方々とすれ違っていたんじゃ・・・といやがおうにも考えちゃいますよね!!
>村山さんが住んでらしたところも、あの辺りだったんだ、、とかね。
あっ、あの先輩と2人アパートで暮らしていたお家でしょうか? それとも一人になってからかな? どちらにしても、真紅さんの解る場所なのね~~~ そういう土地勘があって読むとなおさら感情移入しちゃいますよねー。
成田さんの「その後」、嬉しくて書いちゃいました。
この小説自体が、まだご存命の方のこんな事一杯書いて大丈夫なのか?と、ちょっと思ったりもしたんですね。
でも、もしかして、成田さんの人生をここまで世間にさらしてしまう事と、自分が会社を辞めて小説を書く、って事と引き替えにしたのかな?とか思ったりして・・。
で、他の作品でお薦め出来るのは「パイロットフィッシュ」位しか・・って~~
そうかあ、、他は、恋愛小説が中心っぽいみたいですし・・・期待しないでおこうっと。
個人的には、また棋士小説の第三弾を書いて欲しいんだけどな~
>『沈黙』スコセッシが映画化するんだよね。
そうなんですってねー!全然知らなくて、本を読んだ後調査しました。
真紅さんは、高校生の時読まれたんですかー!それじゃ、また今読むと違った発見が出来るかも。
プロの将棋棋士の養成機関、奨励会は、ご存知とは思いますが、小学生5,6年生でアマチュア将棋四、五段くらいの実力がある、世間的には天才少年と呼ばれる子供達が入会します。
しかしながら、奨励会を卒業してプロ四段になれるのは、全体の2割くらいです。あとの8割は、25歳という年齢制限により、退会します。
この退会者の行く末ですが、世の中はよくしたもので、コンピュータのプログラム作製会社などへ就職します。……奨励会を退会したとはいえ、彼等は物事に対する集中力や理解力が人並み以上にありますから、比較的短期間で仕事に適応し、一人前になるようです。
25歳の年齢制限は、確かに厳しいです。しかし、考えようによっては、本人がまだ若いうちに将棋を諦めさせて、新たな人生・職業に就かせるためのギリギリの年齢が、25歳である、と言えるのではないかと…。
プロ棋士は、四段になっても、普通はなかなか生計が立たないです。しかも、その総人数は、引退棋士を含めて200人余り…。大学教授の数より、ずっと少ないです。
好きな道を職業にする。これって、理想ですが、ものすごく競争が激しいのが実情です。
実際、漫画家とプロ棋士は、よほどの才能がないと、やっていけない職業だと思います。
なお、将棋のプロ棋士になる別ルートが、近年創設されています。その制度は、アマチュアでアマ名人やアマ竜王などのタイトルを取得した者が、プロ棋士の何人かと試験対局を行な、好成績を上げた場合にプロ四段フリークラスとする、という制度です。これには年齢制限は無かったと思います。
ただし、この制度でプロ棋士になったのは、今のところ、瀬川四段だけです。彼は若い頃に奨励会で修行して退会した方です。アマチュアとしては、凄く強かったです。
多分、漫画家になるよりも将棋の世界で生きて行く方が、より大変な気がします・・・。
もちろん漫画家もごく一部の才能のある人しかやっていけないけれど、年齢制限とか特に無いですよね。