「推し、燃ゆ」先日読みました。(2023年2月)
うーん、、ここまで一人の芸能人?に夢中になったハマった事が無いので・・・。
もし私にも推しがいて、お金を一杯使い、生きがいみたいな存在だったら共感する部分もあったんだろうけど。。
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「かか」
宇佐見りんさんの本はこれが初めて。
「かか弁」という、うーちゃんと母の間でかわされる言語。
薄い本なのだけれど、とても読み難い。
ここの一家は、かか、うーちゃん、弟(おまい)、かかの姉の夕子の娘明子、認知のババ・ジジが一緒に暮らしている。父親は他に好きな女性が出来て出て行ったが、一緒に暮らしている間、うーちゃんを殴ったりしていたDV男だ。
そもそも、かかが精神を病むようになった大きな理由の一つが、ババが夕子ばかりを可愛がったから。かかが、ずっと親に愛されたくて愛されず、夫と知り合って愛されたくて、でもそれも破綻してしまう。
かか 2019/11/14 宇佐見りん
19歳の浪人生うーちゃんは母親=かかのことで切実に悩んでいる。かかは離婚を機に徐々に心を病み、酒を飲んでは暴れることを繰り返すようになった。鍵をかけたちいさなSNSの空間だけが、うーちゃんの心をなぐさめる。
彼女はある無謀な祈りを抱え、熊野へと旅立つ。
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「くるまの娘」
数日後こちらも回って来て読みました。宇佐見さんの3作目、一番新しい作品です。
祖母の訃報で、久しぶりに集まった家族。
昔、家族で旅行に行く時、車の中によく寝泊まりしたものだった・・・。
設定や細かい部分は違うものの、「かか」を更に具体的に描いたのが「くるまの娘」という印象。
「かか」では母と娘の事をメインに描かれていたけれど、父や弟や祖母については説明が少なかったです。
親から愛されなかったのが「かか」では母親で、「くるまの娘」では父でした。
くるまの娘は「かか」よりも文章はずっと読みやすく、更に深く書かれていて、読み応えもあって、引き込まれて読ませてもらいました。
父は母親から愛情を受けずに育った末っ子だった。
自力で図書館で勉強し、第一希望の高校、大学、一流企業に就職と、自分だけの力で進んで来た。母とは大学時代には既に交際しており、就職が決まった時に喜んで泣いてくれたのは自分ではなく母だった。
父は彼なりのやり方で子供に勉強を教えて来た。
父は難しい数学の問題も全て子供に教えられるとても頭の良い人だったが、切れると殴る父親だった。でも救いようの無いDV男では決してなくて、子供への愛情はあって、子供が熱を出せば夜中に病院にかけこんだり、子供が悩んでいるといえば学校にかけあったりと、かんこ自身も父への愛情があるのですよ。
3人の子供の中で一番優秀で、父の教育について来れたのがかんこだった。
尚、長男や弟は途中で実家に嫌気がさし、それぞれ家を出て行った。
でも、かんこはこの家から逃げ出したいと思っていない。
かんこが第一希望の中学に合格した時、父が泣いて母とかんこを抱きしめた。その時かんこは窮屈な腕を一番外側に出し、父を抱き締めなおした。かんこが本気で親を守らなければと感じたのは、その時が初めてだった。
でも、その後数年して、かんこは不登校になってしまう。(多分お母さんの脳梗塞が大きな理由の一つなんだろうと思うが)
母は綺麗で気丈な人だったが、数年前脳梗塞になってから変わってしまった。
半身麻痺や最近の記憶障害、人格もたまに崩壊してしまう。
昔の記憶や幸せだった時の思い出に固執してしまいがち(⇒切ないメリーゴーランド事件?に繋がる)
久しぶりに会った家族だけど、車の中で言い争いになるシーンが辛い。
弟に父が「そんなんだからイジメられたんだろう」と言い放ち、父は「そうですか、はいはいはい、いつも親のせいですか」と言う・・・。
★以下ネタバレ★
かんこは車の中で生活し、車からなら学校に通える様になる。
最後の方で、父が死んだ母の家を処分する為に片付けに他の兄妹と行った時に、自分だけアルバムが無かったと車でかんこに告げるシーンが悲しい・・・ 以上
子供が自分が親になって、ダメな親を子供の様に包み込んであげたい・・・という描写が2作品とも描かれていて、そこが印象的でした。
あと、自分も弟にひどい事言ったりしていたのに、すっかり忘れていて弟はしっかり憶えていて・・という、傷つける側と傷つけられた側の意識の違い、みたいのも、ある、ある・・・って思いました。
宇佐美さんのインタビューを読んだら、
「高校生の頃に、私生活でちょっと自分では乗り越えがたい苦しい時期があって、それを日記に書いていました。もう十冊くらいになっていますが、毎日書いていて。その日記を、ちょっと客観的に見て他者化して書くということを始めたんです。」
と言っていて、高校の時にお母さんがご病気になられて大変だったのかな・・・とか、勝手に想像してしまいました。
それにしても、まだ大学生で、こんな小説を書いてしまうのは凄いな・・と思います。
でも、この2冊を読むと、実際のご家族のことが気になってしまうんですよ、、実体験された事なのではないか?と・・・。多分お母さんもお父さんも、まだ生きていらっしゃるだろうし・・、実話とか一切書いてないけれども。
今後も彼女の小説を読んでみたいと思います。
「推し、燃ゆ」も、そのうち回って来たら読んでみます。
くるまの娘 2022/5/11 宇佐見りん
とくに「かか」は読みにくい!
作家さんたちから、高評価な作家さんなのかな?素人の私は、ただ「読みにくい」って思ってしまう。プロ受けするんでしょうね。
コメントありがとうございます。
「かか」読まれていたんですねー。
「推し、燃ゆ」は、あらすじを読んで、これは私には面白く読めない予感がして、リクエストしなかったんです。
で、「かか」や「くるまの娘」は何故かリクエスト数がわずかだったので、ちょっと読んでみたんです。
「かか」すんごい読み難いですよね。
かなりストレスかかった読書でした。
「くるまの娘」は自分の親と共通する処があったので、それで真剣に読んでしまったのでした。
まあ2冊読んでしまったし、「推し、」も読んでみるかー、と気持ちが変わって今更リクエストしたので、そのうち読んでみます。
母親は病気で仕方がないところもあるのかな、と思いましたが、父親の言動はひどかったですね。でも、それも、自分の母親からの仕打ちを考えると、仕方がないのかな、と思えなくもなかったのですが。
両親どちらにも振り回される人生って辛いですよね。子供は、親から無償の愛情を注いでもらえる存在の筈なのに。世の中には、こういう家庭もたくさんあるのでしょうね。そういう意味では、すごくリアルな内容だったのかな、と思いました。
こちらのコロナの記事も読んで下さって、ありがとうございました。温かいコメント、とても嬉しかったです。latifaさんも、くれぐれも身体大事になさって下さいね。
残暑、厳しいですねーー。ふぅーー。
ほんとにね・・・主人公が可哀想でした。
しかも、両方の親だものね。
でも、そういう親も100%ダメな人間ではないんだ、って描写や説明があったのが良かったです。
なかなか親子関係って難しいですよねー、この小説に出て来る親程じゃなくても、やっぱり多少は親も人間、難があって当然だし、子供との相性もあるだろうし・・・。
コロナも何時になったら鎮静化して、普通に生活出来るのでしょうね。
まさか、こんなに長引くとは・・・。