設定は面白かったのだけれど、あまり引きこまれなかったです。
淡々としつつ、透明感のある雰囲気は、朝吹さんらしさなのかな。 3つ☆
読み始めてすぐ、句読点が少なく、読みにくいな・・って感じました。
夢と現実と時間が行ったり来たり、浮遊感が漂う文章。
なんというか・・これを読んで受ける印象は、夢見がちな品の良いお家の「理系少女」というイメージです。
朝吹さんちは文学一家だそうですが、雪の結晶や宇宙の話題等も色々出て来るせいか、そう感じました。
夏の間だけ滞在した逗子の別荘を舞台にしているとはいえ、セレブ・特権階級意識みたいのは、この小説からは全然感じられなかったです。とはいえ、このどこか漂う品の良さは、小川洋子さんと似た感じもあるかな。
小学2年生のキコちゃんと、中学3年生のトワ(永遠子)が、夏のある時期、ずっと一緒に遊んでいて、濃密なほどの仲が良かったという設定には、ちょっとびっくりもしました。キコちゃんのお守りとしての15歳なら解るけれど、時に一心同体になって飽きずに一緒に遊べるのだろうか?と少々疑問にも思ったりもしましたが・・・。
でも、永遠子がキコちゃんに再会する前に、色々頭で回想したり不思議な感覚を覚えるという処は、とても共感出来ました。
私も以前より時々考える昔の知人たちがいるんです。20年以上前、暫く居候させて頂いていたお家の人たちと、今再会したら・・。
あの時10歳だった女の子はもう30歳。私がお邪魔していた20代よりも年上になっているわけです。私の記憶の中でのその女の子は幼い小学生のままのあの子なのに、彼女は母になり子供もいるのかもしれない・・と思うと、とても不思議な感覚になるんですよね。
30cmもあるムカデに熱湯をかけ、割り箸で取るというシーンが、やたら気持ち悪くて印象に残っています。
永遠子の母が、むかしいい人がいた、身ごもったけれど産まなかった。もし産んだら貴子と同じ年の妹がいたんだ。と解るシーンがあるので、これから物語が動き出すのかな?と思いきや、それっきりだったな。
(あらすじ・内容)永遠子は葉山の別荘の管理の仕事をしている母と共に、別荘の持ち主一家の娘である貴子と夏一緒に遊び過ごすのが恒例になっていた。しかし永遠子が15歳、貴子が8歳を最後に逢っていない。元々心臓が弱い貴子の母が急死してから、ぱったりと途絶えてしまっていたのだった。永遠子は25年経った今も過ごした夏を夢に見る。そして今、別荘取り壊すことになり、貴子から立会を永遠子は依頼され、久しぶりに再会することになった・・。
朝吹 真理子/ 2011-01-26
本の装丁が素敵ですね♪ 芥川賞が同時に2名受賞。しかもま逆なタイプの西村賢太とのダブル受賞とのことで話題になっていますね。私は西村さんの方が読んでいて面白いかもしれません。
コメントありがとうございました。
そうなんですかー。
私はデュラスの小説は幾つか読んだ事があるのですが、ヴァージニア・ウルフのは一冊も読んだ事がないんです。
解りませんでした・・・。
今度読む機会があったら、頭の片隅に入れて、朝吹さんのと似た雰囲気があるかなぁ~って、意識してみますね。
ヴァージニア・ウルフと
マルグリット・デュラスの翻訳小説を
模倣しただけの文章ですよ……。
そうでしたか、記事アップされていなかったんですね。
お互い、同じ様な感想を持ったみたいで、なんだか嬉しいです
>内側は茶色で外は真っ黒という
初めて見た時は、どうやって染めたんだろう
えっ。
そうだったんですか?
私は何を見ていたんでしょうか・・・。今まで全く気がつかずにいました・・・
今度注意して見てみますね。
>小説家というより言語表現者という印象を持っているのですが
確かに、そういう感じがする人ですね
記事はアップしておりません。
読後に、どう表現してよいものやらウーンと考えていたらlatifaさんの記事がアップされていてビックリ!
同じ印象を持たれてたんですねー。なんだかホッとしました。
朝吹さんの独特の感じがとても気になります。
彼女の髪も
内側は茶色で外は真っ黒という
初めて見た時は、どうやって染めたんだろう?
と思ってしげしげと見ていました。
小説家というより言語表現者という印象を持っているのですが、そのうち既に発売されている他の作品も読んでみたいなと思っています。
うわ~!存在する音楽さんも、読まれていらっしゃったんですね。
記事はアップされていらっしゃいましたっけ・・。存在する音楽さんちは、コンスタントにお邪魔しているのにな~気がつかなかった・・。
もしかしたら、読まれたけれど、感想はアップされてなかったのかな。
>時間を行ったり来たりする 甦る感覚・シーン 曖昧な記憶と思い込み というようなことが読後の印象です。
だいたい同じ感じですね
>彼女が週刊ブックレビューで話をしているのが楽しくて彼女の作品を読んでみました。
そうなんですかー!存在する音楽さんも、週刊ブックレビューご覧になられているんですねー。
私はその時間、裏番組を見ちゃってて・・・。
でも、読んでみようかな?って思い立つ動機がちゃんとしているなぁ~。
私なんかは、賞を取った事と、タイトルと表紙に惹かれてっていう、すごいミーハーな動機で・・
>彼女は江戸時代の庶民の間で使われた言葉なども研究対象にしていて、今では使われなくなった言葉が、もし現代に甦らせたら、過去に失われた感覚や、そこから何か新しい表現が膨らんでいくかもしれないということにも興味が
大学で、そういうのを探求する勉強をやってるって、何かの番組で話しているのを見ました。いつかそういった江戸時代文化についての小説も書かれそうですね。
西村さんの本は最初読んだ時、ウギャー!って思ったのですが、2冊目はだいぶ免疫が出来ていたのか?楽しく読めちゃったんですよ。苦役列車はそのうち回って来ると思うので、3冊目になります
>朝吹さんの口癖「えっと~」
おおー。そうなんですか? 受賞の時のインタビューの様子は、なぜか西村さんのばっかりで、朝吹さんのはあまり見るチャンスが無いままでした。
時間を行ったり来たりする
甦る感覚・シーン
曖昧な記憶と思い込み
今後考えられる事態
というようなことが読後の印象です。
彼女が週刊ブックレビューで話をしているのが楽しくて彼女の作品を読んでみました。なので、読後の感想は、「なるほど」でした。
彼女は江戸時代の庶民の間で使われた言葉なども研究対象にしていて、今では使われなくなった言葉が、もし現代に甦らせたら、過去に失われた感覚や、そこから何か新しい表現が膨らんでいくかもしれないということにも興味があります。記憶は曖昧で、今考えていることも曖昧、小説というより、言葉とか、音の感覚で表現されるものに興味がある。
という内容の印象を彼女の話から感じ取りました。なので、作品は、素晴らしいという感じは無かったのですが、なるほどーと楽しめました。
朝吹さんの口癖「えっと~」が気になって仕方のない自分です
日本語を離す宇宙人を見ているような気分です
多分、読まないかなぁ~