だいぶ前にリクエストしたのが回って来ましたが、一体何を見て読みたいと思ったのか、もう記憶に無い状態で読み始めました。
ケアマネージャー経験者の50代後半の女性が書いたとのこと。面白かったです。3つ★半~4つ★
「おらおらでひとりいぐも」や宇佐見りんさんの「かか」等の喋り言葉は読むのがとても大変で苦労しましたが、この作家さんの主人公の喋りは、ちょっとだけ変だけど充分解る範囲に崩れており、かわいらしい崩れ具合なのでストレスを感じず読めました。
最初、どこか病院に連れて来られて、みっちゃんと呼ばれているガタイのいい介護のスタッフさんが診察に付き添っている。この女医さんはあまり良い医師じゃなさそう。認知が入ってるっぽい主人公の代わりにガタイの良いみっちゃんが女医さんに薬の処方に関して疑問を感じて、ズバリ言ってくれるところは、やるぅー!と思ったな。つい最近私事ですが、とある医師にビックリするような対応されて気分が悪かったので、スカッとしちゃった。
この最初のエピソードのつかみが良かったせいか、すぐ引き込まれて一気読み。
★以下ネタバレ★
カケイさんの息子は数年前に亡くなってそのお嫁さんが定期的に来てお世話をしてくれてるのよね。言葉とかキツイけど、彼女にしてみたら、カケイさんは夫の母。かつ夫が既に亡くなってる事を思うと、この役目は大変だなあ・・・と思う・・・。
後に解って来るのが、みっちゃんというのは、幼くして亡くなった娘の道子のみっちゃんから来てるのね・・・。カケイさんの人生、あの当時の方たちの壮絶な過去、こんな大変な人生を送って来られたんだ・・・というのが徐々に解って行きます。
チンピラ系の兄は姉の娘みっちゃんを可愛がり、人間が変わりましたが、みっちゃんが突然赤痢で亡くなった後、生きる気力を失ったかのようにまた坂道を転げ落ちる感じになっちゃいました・・・。兄嫁も流産や子宮の負担から、もう子供を産めなくなって、以前用意していた産着等をくれたり親切にしてくれました。
カケイさんは最近まで知らずにいましたが、実はこの2人がカケイさんの為に色々奔走したりお金を工面してくれていたのが解ります・・・。ラストはカケイさんがどうやら脳疾患で倒れた様子、段々意識がもうろうとし、お花が見える様になって、2匹のワンコのお迎えらしきものも来て、きっとこの後
亡くなるんだろうな・・・以上
このカケイさんの通っている老人施設のスタッフさんたちは、良い人が多いんですよね。
今迄老人施設のスタッフさんが酷いってパターンを多く読む事が多かったため、ほっとさせてもらいましたよ・・・。
ミシンと金魚 2022/2/4 永井みみ
内容「カケイさんは、今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?」
ある日、ヘルパーのみっちゃんから尋ねられた“あたし”は、絡まりあう記憶の中から、その来し方を語り始める。母が自分を産んですぐに死んだこと、継母から薪で殴られ続けたこと、犬の大ちゃんが親代わりだったこと、亭主が子どもを置いて蒸発したこと。
やがて、生活のために必死にミシンを踏み続けるカケイの腹が膨らみだして……
永井 みみ (ながい・みみ)
1965年神奈川生まれ。ケアマネージャーとして働きながら執筆した『ミシンと金魚』で第45回すばる文学賞を受賞。
インタビュー記事
受賞のことばで、長年ずーっとほんとは作家になりたかったと思っていたそうで、一発奮起して本作を書き上げて、結果的に受賞・出版されることになって素晴らしいですね。幾つになっても夢を諦めずに挑戦されて良かったですね!これからも色々な作品書いて下さい。
ケアマネージャーとして働いていた彼女ならではの作品が書けると思うので、また他の本も読んでみたいです。
ケアマネージャー経験者の50代後半の女性が書いたとのこと。面白かったです。3つ★半~4つ★
「おらおらでひとりいぐも」や宇佐見りんさんの「かか」等の喋り言葉は読むのがとても大変で苦労しましたが、この作家さんの主人公の喋りは、ちょっとだけ変だけど充分解る範囲に崩れており、かわいらしい崩れ具合なのでストレスを感じず読めました。
最初、どこか病院に連れて来られて、みっちゃんと呼ばれているガタイのいい介護のスタッフさんが診察に付き添っている。この女医さんはあまり良い医師じゃなさそう。認知が入ってるっぽい主人公の代わりにガタイの良いみっちゃんが女医さんに薬の処方に関して疑問を感じて、ズバリ言ってくれるところは、やるぅー!と思ったな。つい最近私事ですが、とある医師にビックリするような対応されて気分が悪かったので、スカッとしちゃった。
この最初のエピソードのつかみが良かったせいか、すぐ引き込まれて一気読み。
★以下ネタバレ★
カケイさんの息子は数年前に亡くなってそのお嫁さんが定期的に来てお世話をしてくれてるのよね。言葉とかキツイけど、彼女にしてみたら、カケイさんは夫の母。かつ夫が既に亡くなってる事を思うと、この役目は大変だなあ・・・と思う・・・。
後に解って来るのが、みっちゃんというのは、幼くして亡くなった娘の道子のみっちゃんから来てるのね・・・。カケイさんの人生、あの当時の方たちの壮絶な過去、こんな大変な人生を送って来られたんだ・・・というのが徐々に解って行きます。
チンピラ系の兄は姉の娘みっちゃんを可愛がり、人間が変わりましたが、みっちゃんが突然赤痢で亡くなった後、生きる気力を失ったかのようにまた坂道を転げ落ちる感じになっちゃいました・・・。兄嫁も流産や子宮の負担から、もう子供を産めなくなって、以前用意していた産着等をくれたり親切にしてくれました。
カケイさんは最近まで知らずにいましたが、実はこの2人がカケイさんの為に色々奔走したりお金を工面してくれていたのが解ります・・・。ラストはカケイさんがどうやら脳疾患で倒れた様子、段々意識がもうろうとし、お花が見える様になって、2匹のワンコのお迎えらしきものも来て、きっとこの後
亡くなるんだろうな・・・以上
このカケイさんの通っている老人施設のスタッフさんたちは、良い人が多いんですよね。
今迄老人施設のスタッフさんが酷いってパターンを多く読む事が多かったため、ほっとさせてもらいましたよ・・・。
ミシンと金魚 2022/2/4 永井みみ
内容「カケイさんは、今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?」
ある日、ヘルパーのみっちゃんから尋ねられた“あたし”は、絡まりあう記憶の中から、その来し方を語り始める。母が自分を産んですぐに死んだこと、継母から薪で殴られ続けたこと、犬の大ちゃんが親代わりだったこと、亭主が子どもを置いて蒸発したこと。
やがて、生活のために必死にミシンを踏み続けるカケイの腹が膨らみだして……
永井 みみ (ながい・みみ)
1965年神奈川生まれ。ケアマネージャーとして働きながら執筆した『ミシンと金魚』で第45回すばる文学賞を受賞。
インタビュー記事
受賞のことばで、長年ずーっとほんとは作家になりたかったと思っていたそうで、一発奮起して本作を書き上げて、結果的に受賞・出版されることになって素晴らしいですね。幾つになっても夢を諦めずに挑戦されて良かったですね!これからも色々な作品書いて下さい。
ケアマネージャーとして働いていた彼女ならではの作品が書けると思うので、また他の本も読んでみたいです。
http://blog.livedoor.jp/todo_23-br/archives/28567388.html
コメントありがとうございます
そうなんですか!去年のベスト10にランキングしていたんですね。
私も短い割に内容が濃く読みやすいし後味も悪くなかったので、この作家さんの別の本も是非読んでみたくなりました。
この本、挫折本です。一応ね、評判が良かったから最後までは読んだけど、文章が読みにくかったです。
今とは違う意味で、生きるのが大変だった時代もあるんですよね。今は今で違う意味で生きるのが大変ですけどね。
コメントありがとうございます。
あ!わぐまさん、読んでいたんですねー。
わぐまさんちで読み終わった後、検索してはいたの。
記事は書かなかったのかー。
そっかー、読み難かったかー。
私も最初の数ページで、うわ・・認知の人の視点なのね、こりゃキツイかも・・ってくじけそうになったんだけど、医者にガツンと言う介護士さんのシーンで、もうちょっと読んでみよう!って背中を押されたんだー
そうよね、その時代、時代で大変な事は形を変えてあるのよね。。。
でも、なんかこの先の日本の行く末と、これから老後をを迎える世代(自分含め)の将来が不安