朝井リョウ君の作家生活10周年記念作品
まだ10年しか経ってないのかーという感じ。
もう若手の大御所の地位を確立していますよね。
分厚い本だし字も小さいし、なんか今日は読書欲がわかないから、どうかなあ・・なんてちょっと数ページ軽く見てみようとしたところ、ページをめくる手が止まらない。
すごい吸引力。とても興味深く、最後まで一気に読ませてもらいました。4つ★
★以下ネタバレ★
小児性愛者3名が捕まったと思っていたら、そうではなかったんですね。
中盤で解る「水」というのに、びっくり。でも、ソレって全然嫌悪感が無いですよ。相手に迷惑かけるわけじゃないし、きっと「水好き」というのを聞いてびっくりはしても、距離を置きたいとか気持ち悪いと思う人はあまりいないんじゃないでしょうか・・・。
ただ、先日読んだ他の本でもそうだったのですが、それじゃ小児性愛者だったら、どうなんだ?という処がどうしても頭によぎります。
そして、学生時代に偶然同じクラスに同胞がいた!って事は素晴らしい偶然であり、普通の恋愛関係とかじゃなくても、この2人が一緒にならないのは勿体ない!って思っていたので、後半で結婚するところは嬉しかったですよ。
恋愛での結婚ではなく、同志結婚って良いなと思いました。
ただ、逮捕の発端となったパーティー参加者で、24歳学校教師の矢田部について、ほとんど描写されないんですよね・・・。彼だけは、少年愛及び水愛と複数の性癖があったって事よね。それがちょっとモヤモヤする・・。
あと、彼らの求める「水」の画像とか動画とかは、小児性愛者と勘違いされるような方法じゃなく作成したりできなかったのかな・・と少し思いました。以上
正欲 朝井リョウ
2021-03-26
他の朝井リョウ君作品の感想
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桐島、部活やめるってよ
10周年に凄い作品を書きましたよねー。
賛否両論あるかも知れませんが、私は好きです。
面白かったと一言で言い表せないですが凄く余韻の残る作品でした。読み終えた後も色々考えてしまって。
朝井さんの作品は心をえぐられることが多いのですが、この作品はちょっと違いました。
現在マイノリティだと思われているゲイとかビアン等以外の凄く少数派の人、っていう視点は斬新でしたね。
大学生のイケメン君が、勝手にゲイだと思われて、違うんだけど!って内心ウンザリしている様子が一杯描かれていましたね。
10年後位には、本作の主人公達含め、そういう・・・いろんな人がいる、って風に思って行きそうな気もしますが・・・。
ただ、本作の2人は受け入れやすい対象だったからであって、
ちょっとそれは・・って思う様なグロテスクな物だったりすると、拒否反応起こしてしまうかもしれませんが・・・。
なかなか出会えないし、いてもわかりづらいしねえ・・・気づくのも難しいし(笑)
良かったよね。イケメンの大学生は仲間がいなったから可哀想だったわ。私も矢田部に関してはモヤッとする・・私はこのあと
流浪にいったよ・・・
そうだよね、なかなか実生活では、巡り合えないのにラッキーだったわ。
それと、大学生の子は、みんなが見ていて当然のAVだかに登場するプールだっけか?それを知らなかったから・・・ってのは、びっくりした。
女の子では、絶対みんな見てるはず!なんてものは無いよね・・。
これは書いてるのが男性作家で、あちらは女性作家さんで(とはいえ女性作家さんが男性主人公の心理を想像して書く訳だけど)、偶然似たテーマで、興味深かったよ。
緊張感をはらんだ挑戦的な作品でしたね。
性癖がマイノリティであるだけなら問題はなのですが、その性癖が法に触れる、なんて方の苦しみは想像すらできません。
大きな一石を投じた作品だと思います。
これ、お読みになられたんですね。
なかなかに衝撃的というか、yoriさんがおっしゃる通り挑戦的な作品でしたね。
そうそう、法に触れる様な事件に・・・っていうのは辛すぎます。
色々考えさせられる部分がある小説でしたね。
私も、グイグイ読まされました。
誰を傷つけるものでもなかった欲望なのに、それをわかってもらえず曲解されて、「犯罪者」扱いされる・・・。
彼らの孤独が、とても切なかったです。
彼らの未来に誰からも糾弾されない、安らかな日々が訪れますように、と願ってしまいました。
とはいえ、明らかな犯罪に含まれる欲望に関しては、認められないと思ってます。その線引きが難しそうです。
https://aosyo6.seesaa.net/article/495137533.html
これ、読まれたんですねー。
そうなんですよ、ちょっと変わった嗜好から、なんと犯罪者扱いされるって展開が読んでいて辛かったです。
>明らかな犯罪に含まれる欲望に関しては、認められないと思ってます。その線引きが難しそうです。
そうなんですよね。
これ読んだ後、小児性愛の人の小説も読んでみたくなって少し読んでみたりしました。
そうそう、これって映画化されるんですってね。
決定している役者さんとか聞いて、へえーって思ったり。話題になりそうですね。
そうなのよね、ただ水が好きってだけだと許されるけど、小児性愛者だったら嫌悪感があるんですよね。
でももし、自分がそれだったら?って思うと苦しくなった。だって、自分を満たすものが犯罪ってかなり残酷ですよね。
LGBTだとか、多様性だとか騒いでいる人に読ませたい本です。
これ、衝撃的でしたよねー。
色々考えさせられる内容でした。
今、手元に朝井リョウ君のエッセイ本があるのだけれど、わぐまさんちに確か感想アップされていたので、後日お邪魔しますねー。
今年はわぐまさんと色々お話出来て、仲良くさせてもらえて、すっごく嬉しかったです。
ありがとうございましたー!