順番としては「ベーコン」を最初に読み、その後半年くらい経って「切羽へ」を読みました。
その半年間の間に、耳鼻科の待合室で読んだ週刊誌に、井上荒野さんのインタビューが載っていたのを読みました。著名な作家であるお父さん(井上光晴)がガンで亡くなるまでの思いや闘病について、そして、その後自分もが若くしてガンになってしまった事、荒野さんの離婚について(理由として、夫は人間としてとても良い人であったが、何年か経つうち、男と女という感じではなくなったことが彼女にとっては不満だったとか・・)今のパートナーとは良い感じで続いていることなどが語られていて、すごく恋愛体質な人なんだなあ・・・という印象を受けました。
そして「ベーコン」にしても「切羽へ」にしても、ソレがにじみ出てる本だなぁ~と感じました。
さて「切羽へ」の感想です。1週間ほど前に図書館の順番待ちがやっとこさっとこ忘れた頃回って来たんです。4つ☆
あまり長くない小説で、文章も読みやすかったし、私的には結構面白かったです。 「切羽」って言葉を知らずにこの本を読んだのですが、その意味が後半出て来ました。トンネルを貫通してしまったら「切羽」が無くなるというのが、セイと石和の関係と重ねているのかな~?と思って、なるほどなー!と思ったりしました。
脇に出て来る人たちが、ピリッとさせる効果があって良かったです。同僚の月江が、セイとは対照的に、ちょっとえげつないというか・・・・あからさまでオワッ!と思ったんですが、
☆以下ネタバレです 白文字で書いています☆
石和と月江がそうなっちゃうんじゃないかなぁ~というのは、最初の方から、そんないや~な予感がしてたんですよ 月江みたいな人って、密かに友達(セイ)が好きな男(石和)と、そうなっちゃったことを友人に報告して、妙な優越感に浸りたいというか・・そういうタイプの人かな?とか、ちょっと思ったんですねー。
それと、しずか婆さん、この人の印象も強くて・・。彼女が入院して、意識がもうろうとして来た中で、ある男の名前を呼び続けてる・・とか、お見舞いに来ているセイたちの前でも、寝間着の裾から手を入れて・・(この後どうなったのか怖すぎます・・)など・・・。
それにしても、セイの旦那さんは、ラストシーンで可愛そうというか、なんというか切なかったよ~。セイと石和が出て行って洞窟に行った後、一人で片づけをし続けていた・・というのが泣けたぜ!! セイ、こういう良い旦那さんを悲しませたらアカン!と思っちゃったわ・・・
(内容・あらすじ)静かな島で、夫と穏やかで幸福な日々を送るセイの前に、ある日、一人の男が現れる。夫を深く愛していながら、どうしようもなく惹かれてゆくセイ。やがて二人は、これ以上は進めない場所へと向かってゆく。「切羽」とはそれ以上先へは進めない場所。宿命の出会いに揺れる女と男を、緻密な筆に描ききった哀感あふれる恋愛小説。
「ベーコン」は表紙が可愛かったのと、9つの食べ物読みやすそうだな・・と思って読みました。九つの食べものと、九人の人生のある時をすくいとった短篇集。
読んで半年くらい経っちゃったので、多くを忘れちゃってますが、短編なのでアッサリ味で、普通に面白く読みました 3つ☆
井上さんの「あなたの獣」だっけ、読みたいんですよね~。
今は本屋大賞の準備で大変。
また時間ある時にきますね。
セイの旦那さんが一人残っている場面、旦那の心情は書かれていないんだけど、私もと~っても気の毒に思ってしまいました。
タイトルが上手でしたね。
セイと月江としずかさん。
それぞれの生き方が、印象的でした。
たいした事件が起こるわけではなかったのに、
読んでいてジワジワと伝わってくるものがありました。
昨日gooの方でバージョンアップなるものを(強制的に近く以降する)したら、なんか文字の大きさとか幅とか絵とかが勝手に変わってしまい、どうも慣れなくて落ち着きません・・・。
お仕事忙しそうですね!がんばっていらっしゃるんですね
>「ひどいかんじ 井上光晴」っていう本が好きです。
ほ~!お父さんの本、読んだことあるんですねー。さっすが~牧場主さん♪
また、落ち着いたらお話しましょう
>女同士はりあってしまう部分もある関係
うん、うん。セイ側にはそういう意識は無くても、月江の方はそれがアリアリでしたよねー
私はそういうタイプの女性が苦手なんで、ぞわ~~っ・・・と思いながら読みました。
エビノートさんも、セイの旦那さんのあの状態・・・描かれてなかったものの、同じように思われたんですね
ほんと、タイトルは一見して読めなかったり、意味がわからなかったりする人も多いかと思いますが(私もその中の一人)
意味を知ったら、なるほど~~!と思いました。
>たいした事件が起こるわけではなかったのに、読んでいてジワジワと伝わってくるものがありました。
ほんと。そうでしたね
短い小説で、登場人物も限られてるって訳でもないのに、濃~い感じがして、私は楽しく読みました
latifaさんはベーコンの方を先に読んだのね。
これも面白そう・・
↑の作者の雑誌の記事。そうなのね。
別れちゃったのね。
↑の考え方みると、この本の展開は理解できるよね・・。私は結婚すれば、男女の形って
ある程度変わってしまうのはしょうがないって納得しちゃうけど・・・笑
そうそう、あのおばあさん、凄かったよね。
同じ病室にいる方もどうリアクションしていいかわからないよね・・・・。
ベーコンは、ちょっと薄味だったの・・・。
短編集だったしね・・。
私は「切羽」の方がず~~~っと好きです
この作家さん、恋愛体質なんだなぁ~って思うわ・・・。今の旦那さんも、うかうかしていられないね
>私は結婚すれば、男女の形ってある程度変わってしまうのはしょうがないって納得しちゃうけど・・・笑
私も そういう考えの男女カップルだと、まあ、平穏におじいさんおばあさんになれる率は高いけど、片方が結婚した後も恋愛体質だと、、、危険よね
おばあさんの、あのシーンは、結構衝撃だったわ・・・。私もボケちゃって、とんでもない事口走ったり、妙な行動したら、どうしょう??って凄く怖いわ・・。
確かあのおばあさんには子供がいなかったよね? もしあのおばあさんに子供がいて、お見舞いにベットの側に付き添ってもらっていたら、、、アチャ~~!子供にそんなの見られたら、、