いつも旅のなか (2005)
角田光代さんが今まで行かれたあちこちの国での出来事や、出会った人、心に残ったエピソードなどを綴ったエッセイ本。私が行った国が幾つかかぶっていたので、興味深く読みました。
まず冒頭の「BE HAPPY」
モロッコのティネリール近郊に現れる、バヒール君という謎の少年について書かれており、私も昔モロッコに行った時、この少年のように、ちょっと変わった人を見かけた事があるんです。私はこういう人を避けて、冷たい様だけれど、無視に徹してしまうんですけれど・・・。私が最後に行ったのは1992年だから、きっと最近は、日本人観光客も凄く増えただろうし、もっと不可思議な人達も増えているのかもしれない。
「the border」
ロシア国境でのお話。
笑ってしまったのが、トイレが何時間か使えない!と宣告されて、焦る部分に、いたく共感私もロシアに行った時、すごく怖い冷仮面の様な警察?軍隊?を沢山見たし、しょっぴかれる人もみかけ(一体何をやったのか解らず)とにかく、怖い・・・と思った経験者です。
「コノミ」
オーストラリアで、日本女性が大好きだという、人の良いオーストラリア人夫婦のお話・・・
これは、なにか、とても辛かったです・・・。こういうことってあるんだろうな・・・。今回はたまたまオーストラリア人が、日本人女性を・・ってパターンだったけれど。むしろ逆のパターンも多そう。日本人女性が、●○の国の人を・・ってパターン。。。ありがちだ・・・・
「旅と年齢」
これは、読んで、はっ!としたエッセイでした。
20代に楽しかった旅のスタイル(貧乏放浪)が、30代後半になって、なんだかつまらない・・・って思う様になってしまった角田さん。もうちょっとグレードアップした旅行してもいいんだ・・・って思う様になって、現在新しい旅行スタイルに挑戦中とか。私も20代は、どれだけ安く行けるか?って事に一番重きをおいていたところがあって、でも30代になって子供が同行するようになった為か、ホテルは出来たら素敵なホテルに・・・(と言っても値段の限度・制限があるけど)、楽な時間帯の飛行機に・・・等、贅沢で楽な方にどんどん変わって行ってしまいました。今はもう昔と全く同じな貧乏旅行は、出来ないかも・・・。部分的に節約しつつ、たまには豪華に・・・と、ミックスさせたいな~って感じになりました。
「Rさんのこと」
9ヶ月サンフランシスコでタクシーの運転手として働き、あとの3ヶ月は、ベトナムに来ているという生活サイクルを送るRさん・・・。過去にどんな事があったんだろう・・・?と私も考えてしまいました。なんだか、読みながら、じわ~っと来たお話でした。
「ビバ団体旅行」
これも身につまされるお話でした。私も旅行は本当は自分で何から何まで手配したり苦労して移動したりしたくない。出来たら、人まかせで、団体旅行に混ざって座っていたい。団体旅行って本当に凄く楽で天国なんですもん・・・・。
ただ、一緒に行ってくれる人がいないから・・って事で、好き好んで一人旅してたわけじゃないのに、一人旅になっちゃっていたこと思い出し、角田さんも同じだったんだな~と親近感が
「はつ恋」
角田さんがタイに、はまるきっかけや、タイが変わって行った様子を自分の目で見て来たことについて書かれています。
角田さんは1991年に初めてタイに行って、心底タイに惚れてしまったそうで、その時のタイは、貧しかった・・・という説明がされており(私が初めてタイに行ったのは1988年でしたから、やっぱり同様な事を感じたものでした・・・)
その後、1999年、角田さんは3度目?のタイ旅行に行き、その変化に驚いた・・・(とても綺麗になって、都会的になっていた)と言っており・・・。
奇しくも私も2度目にタイに行った1994年に、同じ事を思ったんです。89年から94年なので、たった5年なのですが・・・その時のガイドさんに私が、タイの変化に驚いた・・・という話をしたら、彼女もバンコクはここ数年で急激に変化したんです・・・とおっしゃっていました。きっと角田さんの行かれた1999年、そして現在2006年、バンコク、タイは、すごく変わったんだろうな~。でも今でも私はタイが大好きです。
「きらい、きらい・・・好き?」
中国の上海近郊に行かれた時のお話。
私も中国に行った時、同じことに驚き、同じ事に嫌な気持ちになりました。
角田さんは、前に何かのインタビューで、今まで回った国の中で、しいて言うなら中国がちょっと苦手かな?って感じの事をおっしゃっていました。
私は街角の人の視線とか怖かったし、ツバ吐く人や、お金投げてよこす、愛想のない店員、恐怖のトイレなど、色々マイナスポイントもあったものの、風景が好きだったのと、何でも激安だったのと、桂林で日本語勉強しているという高校生の少年に、すごく親切にしてもらって、色々話して、それがとても良い思い出になっているので、TOTALすると結構良い印象なのです。
「いのちの光」
キューバ旅行のお話。
前からキューバには行ってみたかったけれど、これ読んで、ますます行きたくなりました。こういう国、好きだな~って思いました。
同様に「なんにもない」のモンゴルや、「明るい未来」の台湾も、ますます良い印象になっちゃいました。
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「誰かのことを強く思ってみたかった」角田光代×佐内正史
写真家は、佐内正史さんという、有名な方らしいのですが、いまひとつ私にはピンと来なかったです。私が読んだのは、文庫本だったから小さくて良さが出てなかったのかも。でも、ジョゼと虎と魚たち中で使われていた写真も、この方の作品らしく、あの映画の中での写真の使われ方は、良い感じと思っていました。小説は、東京の街角を少し切り取った様な、短編が色々入っていました。なんとな~くサラサラ読める本ではありますが、あまりインパクトが無かったかも。
角田光代さんの本は未読ですけれど、なんだかlatifaさんと同じ視点から、旅を続けて来られたようで、そんなところが共感を呼ぶのでしょうね。
私の場合はと言えば、共感出来る紀行文って、滅多に出会ったことがありませんです。(^^ゞ
いやいや、もう15年以上前のことが殆どです。
最近は、お気楽なビーチ関係にしか行ってません・・・。
私も「家が大好き(気楽)」な人間なもので、旅行に行っても、家に着いたと同時に「あ~~やっぱり家は良いわ~」なんて最後つぶやくのでした
年齢と共に旅行のスタイルも変わりますね。
学生時代は特に貧しくて時間があることから、そうした旅行が良いと思っていましたが、収入があってちょっとリッチに旅行する良さを味わってしまうと見方が変わったりしますね。
体力が落ちるとハードな旅は避けたくなりますし(笑)
旅先は、以前と変わらないという所と
時代とともに変わり続ける所とあって、
「変わらない」に嬉しかったり、
改善されて良くなっていることなら嬉しいですが、ミーハーなオブジェが建設されて見苦しくなった町などはガックリしてしまいます。
こういう本も良いですねー
やっぱり、年とともに旅行のスタイルが変わって行く人は多いようですね☆
確かに体力が落ちるとハードな旅はキツイですもん・・・^^
そうですね、両方ありますな~。私はどっちかっていうと、旅先で「変わらないな~」っていう方が嬉しいことが多いかな・・・。
この本、記事を書いたものの、実は、そんなにお薦め!って感じでは無いんですよ。1000円越えるお金を出して買うのは引き留めます(爆)
もちろん、面白くない訳じゃ絶対無いし、普通に面白かったのですが、図書館で借りてですし・・・
中谷美紀の突発的に旅立ったインド旅行エッセイが一気に文庫本で2冊発売されたのですが、買うところまでいきませんでした。
図書館で借りて読めればベストですねー
やっぱり1000円越える本を買うか?ってなかなか勇気の要ることです。(私には)図書館助かってます。
中谷さん、インド旅行のエッセイ本を出されていたのですね~。サリーを着た姿とかもあるのかな?
彼女綺麗だから、インドのお姫様みたいな姿が想像出来ます。