滅びの前のシャングリラ
凪良ゆうさんの本は初めて。
1年以上前から「流浪の月」をリクエストしているのですが、まだ回って来てないんですよね。
それで、こちらの新刊の方が早くに届いたので読んでみました。
地球に隕石がぶつかるため、あと1か月でみんな死んでしまう。という設定の元のお話。
伊坂幸太郎さんの「週末のフール」と若干似たテーマで(本を読んだ後、編集者さんもそのあたりのことは重々承知で、内容がかぶらないように注意して書いて下さい、と釘をさされたとか)
4章に話は分かれていて、途中で、登場人物がつながって、なるほど!ってなります。
地球が滅びる直前ってことで、SF的な要素も多く、日常とはかけ離れた騒動の世の中の様子とか、それと並行して、いけてない男子と憧れの美女の関係とか、いろいろな要素が入っていて、でも長編ってわけでもないので、薄く広く・・・みたいな印象もあったかな。普通に面白かったです。3つ★
滅びの前のシャングリラ – 2020/10/7 凪良 ゆう
「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。そして―荒廃していく世界の中で、四人は生きる意味を、いまわのきわまでに見つけられるのか。
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流浪の月
1年以上かな・・?ずいぶん待ってやっと回って来たのですが、このところDVとか子供の性的虐待等のお話を読んだり見る事が偶然重なっていて(図書館の本などは、リクエストが届いた順に読むので・・・) またもや、こういう題材でキツかったです。3つ★半
すごく引き込まれて一気読みさせてもらいました。読みやすいし、ラストも明るい気持ちで終える事が出来たし、面白い本だったとは思ったのですが、
★以下ネタバレ★
文が実はロリコンではなかった、カルマン症候群かクラインフェルター症候群だった。ってのが明らかになって、そうか病気だったのか・・ロリコンじゃなかったんだと、少しほっとしてしまったことに対して、微妙な気持ちにもなりました。
ロリコン小児性愛者っていう嗜好も自分では変えることが出来ないものだったのなら・・・適切な言葉が見つからないのですが、それはそれで誰にも言えない辛さを持ってる人でもあるわけなんですよね・・・。犯罪を全く犯さず自分の中でだけ秘めたる性癖を持った人もいるだろうし・・・。
とにもかくにも、ラストは文と更紗が一緒にずっと一緒にいる、日本全国を流浪しながらカフェをやっている。一時預かった女の子梨花も2人を慕っているし、2人の事を理解してくれている、というのがとても救いだなーと思いました。
更紗が文が捕まっても、何もされなかった等詳しいことを言えないままでした。その時はまだ幼かったからしょうがないと思うのですが、その後に帰った叔母夫婦の家で再び性的嫌がらせを受けかけて、そこんちの息子の頭をかち割る事件を起こしますが、ここでもハッキリ主張しなくて、事件をもみ消そうとした叔母夫婦に対して何も言えず施設に入るんですよね。ハッキリ言おうよ!ってシーンが結構あって、モヤモヤしました。
あと、結果的には問題あるDV男だったから別れて正解ではあったんだけど、亮に対してDV発覚する前から、ちょっと良くないよな・・・と部分的に思いました。確かに暴力ふるったりとか大問題な彼氏だったけれど、彼の生い立ちとかを知った後で(彼も気の毒な経験をしていて、実の母の事でトラウマになってる部分もある)、いきなり夜逃げみたいな感じでとんずらだし。ちゃんと置き手紙を残すなり、昼間のカフェとかで、だれかに一緒にいてもらって話をするとかすれば良かったのになあ・・・
文は性的なことが出来ないだけで他は何も問題のない優しく魅力的な男性じゃないですか、それでもいい、性的なことしなくても一緒にいられる関係を望んでいる(結婚含めて)って人も世の中に少なからずいると思うんですよ。セック〇が嫌い、したくない、って人もいますよね。ただ、なかなかオープンにしにくい個性の一つだと思うので、そこは将来的にマッチングアプリみたいなやつで、普通に「性交渉望まない関係」みたいなのにチェックを入れられるようになると良いのになあ・・・と思うんですよ。双方がそれにチェックを入れた同志が知り合えて、気が合えば最高じゃないですか! 以上
流浪の月 2019/8/29 凪良ゆう
この本と朝井リョウ「正欲」の後、小児性愛者の小説を読んでみたくなって、「ラブセメタリー」木原音瀬を読みました。凄かったです。
「滅びの前のシャングリラ」、確かに「終末のフール」に似てるなと思っていましたが、編集者さんからそんなことを言われていたんですね。知りませんでした。
確か「終末のフール」はいろんな暴動が起きたけどそれが何もかも去って最後を待つのみみたいな状態から物語が始まった気がします。「滅びの前のシャングリラ」は「終末のフール」の少し前の時期の話みたいなものかなって思って読んだ記憶があります。それも失礼な気がしますが^^;
滅びる直前に家族が一つになるというのは悔しい気もしますが、こういう状態だったからこそ一つになれたのかなとも思いました。
「流浪の月」は読んでいてひたすらつらかったです。でも読む手が止まらなくて一気読みでした。文と更紗には幸せになってほしいとそれだけを願って読み終えました。でも読んだ後の余韻が凄くてしばらくは引きずってましたね…それくらい素晴らしい作品だったと思います。
私も昨年の3月に読んでいて以下のような感想を残していました。
>「更紗と文君、もう2度と手を離したら駄目だよ。いつまでもしっかり手を繋いでいて」と、呟いて本を閉じた。色んな求めあい方があっても良い! 1日で読み終えるほど惹きつけられた本でした。当面、更紗と文君が安住の地となっている場所が長崎。追われ追われて最果ての街、長崎に流れ着いたとありますが、長崎を選んでもらったのが誇らしく嬉しかったのを覚えています。
>「終末のフール」はいろんな暴動が起きたけどそれが何もかも去って最後を待つのみみたいな状態「滅びの前のシャングリラ」は「終末のフール」の少し前の時期の話
おお!まさに、そうですね
的確!!
逆に最初に終末のフールを読んだときには、こんなにみんな落ち着いちゃって・・・もっと混乱とかパニックで大変なんじゃないのー?なんて思った記憶があります。そうかー、その動乱期を描いたのが、滅びの前~になるのね!
苗坊さんは、この作品すごくお気に入りなのね。私辛口な感想で、申し訳ない・・・。
更紗が追っかけて隣の部屋に引っ越す辺りとか、ちょっとびっくりして引いちゃったんです・・・。
とはいえ、凄い引き込み度と、ラストもよい締めくくりになっていて、とても面白かったです!
「滅びの前のシャングリラ」もお読みになられていたんですねー!挫折されちゃったんですか、わかりますよ。。
私も1話目とか、あんまり好みじゃなくて、、、その後もなんだか引き込まれず、やっと読んだ感じでした。
「流浪の月」かなり早々に読まれていたのですね
先ほど、しずくさんちで記事読んで来ました。
長崎が出て来たの、嬉しくなりましたよね。このまま、ずっと静かに2人で暮らし続けられると良いなーと願うばかりです。
え・・また性的なもの?って思ったけど
これも違っていて、病気だったんだもんね。
求めあっている世界が同じ人同士が
一緒にいることができるのって幸せですよね。まわりは、ほっといてあげて欲しいと思ったわ。
いろんな愛の形はあるものねえ。映画化はどんな感じかしらねえ
そうなんだよねー、なんか偶然なんだけど、私もあちらと本作と、ほぼ同時期に立て続けに読んじゃって・・・。
これら以外にも、最近はこういう性的マイノリティと言われる人のお話が多いよね。
全然話が違うんだけど、昨日数十年ぶりに「マレーナ」を再見したのよ。あの映画、基本的に好きなんだけど(モニカ・ベルッチさんが綺麗だから)前半の少年の思春期の性欲が凄くて、ドン引きしたのよね。今回見てもやっぱり同じだった。男の子って一般的にみんなあんな感じらしいけど、これが普通なら、みんなと違う性的嗜好の人は凄いキツイわ、、って思った。友達との日常会話とかも、こういう事が大半を占めるんだもの、生きずらさ、半端ないよなあって。
昨日、何食べた?の映画化もあるね。
私はレンタル鑑賞になりそうだけど、あの2人の中高生時代も、あんまり描かれてないけど、かなり辛かったんだろうね・・。
作家別のインデックス「な」で探したんだけど見つけられなくて。
私は『神様のビオトープ』っていう凪良さんのデビュー作(?)しか読んでなくて、次『流浪の月』だったんだけどね。
『神様~』のほうにも小児性愛者のことが出てくるから、そういうことをテーマに書く作家さんなのか?と思ったり。
でもまぁ2冊だけではわからないけどね。
↑に挙げられている木原さんの本、なんかすごそうだね。。
latifaさんは読書も映画鑑賞も貪欲にされてて、素晴らしいよ!
コメントありがとうー!
そうだったんだ・・・わざわざインデックス調べて下さったなんて、ごめんね。
最近更新さぼっていて、作ってなかった・・申し訳ない。
デビュー作から、小児性愛者のこと書かれていたんだね。
木原さんのも凄いけど、動物との愛を書かれた「聖なるズー」も凄かった・・。
いやいや、暇人だからね。コロナで外出も出来ないし・・・。
それと、ここでレス書いちゃってごめんよ。チョコプラ、知らないー。初耳。
>顔と名前が一致しないから誰が何したかわからない
爆笑!同じ!