3つの短編と、表紙裏の短編?と、4つのお話が入っています。
「ダンス」 踊れない性分の女の話。
「二人の場合」 女の友情の話
「風」 50代の姉妹二人の話
王様のブランチで紹介されていた女性同士の友情について、とても興味を持ったので読んでみました。
それは「二人の場合」という短編でした。
テレビでは「私は、友情っていうのは、消えることもあると思う。そこにあったという事実は残るけど、友情が燃え尽きちゃうこともあると思う」という事と、男女のカップルの場合は、別れ話が出た時が最後だったりすることが多いため、ハッキリとした終りの時が解るけれど(もちろん自然消滅もあるけれど、それにしたって、せいぜい1~3か月程度の曖昧さでしょう)同性の友情となると、いつが最後に会ったんだっけ・・・いつから終わってしまったんだっけ・・・っていうのが、ハッキリしないというのに、なるほどーそうだよな、と思いました。
今まで気がつかなかったところに着目している青山さんの視点に感心しました。
ただ、読んだ後味は、あまり良いとはいえず・・・。
他のお話が、私にはあまりピンと来なかったせいもあって、「二人の場合」だけを、もっと長く深く書いたお話を読みたかったなあーと思いました。同じ題材同じ登場人物で。
以前角田光代さんの「対岸の彼女」を読んだときにも、同性同士の友情は、環境が変わってしまったり、双方の暮らしぶりが変化して違ってしまうと上手く行かなくなる・・というのを題材にしていたけれど、でも、なんだろうな、なんだかこう活力があるというか、諦めではない締めくくりになっていましたが・・
青山さんのこの小説では、なんだかクールで、ため息が出てしまいそうな・・、現実的といえばそうなのだけれど。
でも、面白く読みました。3つ★
グリーンの表紙の装丁が、とてもインパクトあります。
つい読んでみたいな、って思わせられます。
「風」青山七恵 2014/5/22
青山七恵
「風」
「かけら」
「ひとり日和」
「街の灯」
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