今回この小説を読むにあたって、森沢明夫さんって、他にどんな作品を書かれているのかな?って調べたら、沢山小説を発表されていて、映像化になった作品も多く、人気の作家さんだったことを知りました。
この小説を読もうと思い立ったのは、先日「散歩の達人 船橋編」っていう雑誌をパラパラ見ていて、そこに「ふなばし三番瀬海浜公園」の夕暮れの風景写真が載っていて、成田空港から夜に帰宅する途中、ここらあたりの風景を目にするたびに、なんだろうなあ・・・哀愁を感じるんですよ。みなとみらいの観覧車は見ても全くそういう気持ちにならないのに、不思議なんですけど・・・。(この公園、小説に何度か登場してきます)
雑誌には、この「きらきら眼鏡」および森沢さんご本人のインタビューも載っていて、それをきっかけに興味が湧いたのでした。
さて、小説を図書館でリクエストした直後、テレビで、偶然この作品の映画化の宣伝をやっているのを見かけたら、ヒロインに池脇千鶴さん、監督は犬童一利、って出ていて、一瞬「ジョゼと虎と魚たち」を連想しちゃいました。
でも犬童一心さんとは別に親子ではないみたいですね(^-^;
本を読む前に、こういう映像化作品のキャスティングを知ってしまうのは、その役者さんのイメージでつい読んでしまうので、あまり好きではないのですが、池脇さんは好きな女優さんだったし、まあどのくらい彼女と合ってるお話なのかな?って思いながら、読み始めました。
最初は主人公の明海のペットロスの部分が語られますが、そこまで溺愛したペットを飼った経験が無い私には、この本に入っていけるだろうか・・?という不安も少々よぎったのですが、、(猫好きな人には凄く響くと思います)
何の気なしに古本屋で買った本を読んだら、自分が一番心に残った一文に線が引かれていて、偶然抜き忘れたであろう、名刺が挟まれていて・・・ 個人情報とか心配な作況、お知らせandちょっとした好奇心から、メールしたことがきっかけで会う事になる、っていう設定とかも、なかなかユニークで面白いな、って思いました。
会ってみたら、笑顔がペコちゃんみたいで、気が合う女性だった。そりゃ好きになるでしょう?
ところが、彼女には余命宣告されている彼氏がいた・・・。
って内容です。
この森沢さんっていう作家さんは初読みだったのですが、高倉健さんの遺作映画の「あなたへ」と、吉永小百合さんの「虹の岬の喫茶店」は、映画で見たことがあって、そういえば、なんとなくどの作品にも通じる、優しさ・人間愛、みたいな・・・・。
意地悪な人とか出てこなくて、きっと作家さんは、とても良い人なんだろうなあ・・・っていうのが伝わって来る。
でも、私は若干天邪鬼で性格が歪んでるので、100%大絶賛で素直に受け取れない処も若干あったりもするんですけれどもね(^-^; でも、そんな私でさえも、良いお話を書く方だなーと思いました。
タイトルの「きらきら眼鏡」っていうのも、そういうの良いなあーって思ったし(キラキラ眼鏡をしてると思って世の中を見てみるようにすると、普通のことも良く見えたり、当たり前の事もありがたみを感じる・・みたいな)
あかねちゃんは、良い子なんだけど、ちょっとズルいかなー、主人公を振り回してるかな・・って思う処もあったかも。(しょうがないんだけど) でも、池脇さんが頭に浮かぶと、イメージ補正が効いて、ズルさよりも可愛らしさの方が勝ったので、そんなに嫌な印象無く、最後まで読めました。
あと、小ワザが効いてるなあー!と思ったのが、
★以下ネタバレ★
本のカバーの裏にメッセージ、コーラのボトルに黒いサインペンで文字を・・とか、そんなの良く思いついたな?って思いました。
カバーの裏のメッセージは、俺の詩を輝かせてくれるのは、俺の生を輝かせてくれたあかねの存在です。もし来世があったなら、必ずあかねを見つけ出して、今度こそプロポーズするからね。そのときは、絶対にこの手であかねを幸せにする。俺と出会ってくれて、本当にありがとう」って書かれていました。
コカ・コーラのボトルには、病院で裕二さんに渡した「いつまでも ライバルでいて下さい」への返信として、「ライバルへ。あかねが欲しければ、奪ってみろ」って、泣けますね・・。
ラストは、きっと良い感じになるんじゃないかな・・・って風に終わっています。
そうそう、会社の1個上の弥生先輩だけは、ちょっと可哀想だったかな・・・以上
猫をもらい受けたって事や、子供時代にイジメにあって孤独だった時のエピソード(名前のエピソードで、おばあちゃんなんて・・って思ってたら突然亡くなってしまってのトラウマ等や、「ざわざわ公園」など、それらのお話が、ちゃんと物語を語る上での繋がりや、キーになっていて、隅から隅まで、じっくり練られて作られた小説なんだなあ・・と感心しました。
あと、生きる上での名文句とか、ウンチクも色々登場して、なるほどなーとか、良いなーって思う文も何度か登場してました。
また、この作家さんの別の本も読んでみようかな?って思いました。
きらきら眼鏡 森沢 明夫 2015/11/18
内容(「BOOK」データベースより)
愛猫を亡くし、喪失感にうちひしがれていた立花明海は、西船橋の古書店で普段は読まない自己啓発系の本を買う。すると、中に元の持ち主の名刺が栞代わりに挟んであり、明海が最も心を動かされたフレーズにはすでに傍線が引かれていた。気になった明海は意を決して名刺の「大滝あかね」に連絡をとる。会うと、あかねは明るい年上の女性で、日常の物事を幸福感たっぷりに捉えている“幸せの天才”だった。明海には、今まさに恋愛関係に発展しそうな会社の同僚・松原弥生がいたが、あかねの存在が徐々に大きくなっていく。だが…あかねには恋人がいた。彼は病に伏し、余命宣告を受けているという―。
この小説を読もうと思い立ったのは、先日「散歩の達人 船橋編」っていう雑誌をパラパラ見ていて、そこに「ふなばし三番瀬海浜公園」の夕暮れの風景写真が載っていて、成田空港から夜に帰宅する途中、ここらあたりの風景を目にするたびに、なんだろうなあ・・・哀愁を感じるんですよ。みなとみらいの観覧車は見ても全くそういう気持ちにならないのに、不思議なんですけど・・・。(この公園、小説に何度か登場してきます)
雑誌には、この「きらきら眼鏡」および森沢さんご本人のインタビューも載っていて、それをきっかけに興味が湧いたのでした。
さて、小説を図書館でリクエストした直後、テレビで、偶然この作品の映画化の宣伝をやっているのを見かけたら、ヒロインに池脇千鶴さん、監督は犬童一利、って出ていて、一瞬「ジョゼと虎と魚たち」を連想しちゃいました。
でも犬童一心さんとは別に親子ではないみたいですね(^-^;
本を読む前に、こういう映像化作品のキャスティングを知ってしまうのは、その役者さんのイメージでつい読んでしまうので、あまり好きではないのですが、池脇さんは好きな女優さんだったし、まあどのくらい彼女と合ってるお話なのかな?って思いながら、読み始めました。
最初は主人公の明海のペットロスの部分が語られますが、そこまで溺愛したペットを飼った経験が無い私には、この本に入っていけるだろうか・・?という不安も少々よぎったのですが、、(猫好きな人には凄く響くと思います)
何の気なしに古本屋で買った本を読んだら、自分が一番心に残った一文に線が引かれていて、偶然抜き忘れたであろう、名刺が挟まれていて・・・ 個人情報とか心配な作況、お知らせandちょっとした好奇心から、メールしたことがきっかけで会う事になる、っていう設定とかも、なかなかユニークで面白いな、って思いました。
会ってみたら、笑顔がペコちゃんみたいで、気が合う女性だった。そりゃ好きになるでしょう?
ところが、彼女には余命宣告されている彼氏がいた・・・。
って内容です。
この森沢さんっていう作家さんは初読みだったのですが、高倉健さんの遺作映画の「あなたへ」と、吉永小百合さんの「虹の岬の喫茶店」は、映画で見たことがあって、そういえば、なんとなくどの作品にも通じる、優しさ・人間愛、みたいな・・・・。
意地悪な人とか出てこなくて、きっと作家さんは、とても良い人なんだろうなあ・・・っていうのが伝わって来る。
でも、私は若干天邪鬼で性格が歪んでるので、100%大絶賛で素直に受け取れない処も若干あったりもするんですけれどもね(^-^; でも、そんな私でさえも、良いお話を書く方だなーと思いました。
タイトルの「きらきら眼鏡」っていうのも、そういうの良いなあーって思ったし(キラキラ眼鏡をしてると思って世の中を見てみるようにすると、普通のことも良く見えたり、当たり前の事もありがたみを感じる・・みたいな)
あかねちゃんは、良い子なんだけど、ちょっとズルいかなー、主人公を振り回してるかな・・って思う処もあったかも。(しょうがないんだけど) でも、池脇さんが頭に浮かぶと、イメージ補正が効いて、ズルさよりも可愛らしさの方が勝ったので、そんなに嫌な印象無く、最後まで読めました。
あと、小ワザが効いてるなあー!と思ったのが、
★以下ネタバレ★
本のカバーの裏にメッセージ、コーラのボトルに黒いサインペンで文字を・・とか、そんなの良く思いついたな?って思いました。
カバーの裏のメッセージは、俺の詩を輝かせてくれるのは、俺の生を輝かせてくれたあかねの存在です。もし来世があったなら、必ずあかねを見つけ出して、今度こそプロポーズするからね。そのときは、絶対にこの手であかねを幸せにする。俺と出会ってくれて、本当にありがとう」って書かれていました。
コカ・コーラのボトルには、病院で裕二さんに渡した「いつまでも ライバルでいて下さい」への返信として、「ライバルへ。あかねが欲しければ、奪ってみろ」って、泣けますね・・。
ラストは、きっと良い感じになるんじゃないかな・・・って風に終わっています。
そうそう、会社の1個上の弥生先輩だけは、ちょっと可哀想だったかな・・・以上
猫をもらい受けたって事や、子供時代にイジメにあって孤独だった時のエピソード(名前のエピソードで、おばあちゃんなんて・・って思ってたら突然亡くなってしまってのトラウマ等や、「ざわざわ公園」など、それらのお話が、ちゃんと物語を語る上での繋がりや、キーになっていて、隅から隅まで、じっくり練られて作られた小説なんだなあ・・と感心しました。
あと、生きる上での名文句とか、ウンチクも色々登場して、なるほどなーとか、良いなーって思う文も何度か登場してました。
また、この作家さんの別の本も読んでみようかな?って思いました。
きらきら眼鏡 森沢 明夫 2015/11/18
内容(「BOOK」データベースより)
愛猫を亡くし、喪失感にうちひしがれていた立花明海は、西船橋の古書店で普段は読まない自己啓発系の本を買う。すると、中に元の持ち主の名刺が栞代わりに挟んであり、明海が最も心を動かされたフレーズにはすでに傍線が引かれていた。気になった明海は意を決して名刺の「大滝あかね」に連絡をとる。会うと、あかねは明るい年上の女性で、日常の物事を幸福感たっぷりに捉えている“幸せの天才”だった。明海には、今まさに恋愛関係に発展しそうな会社の同僚・松原弥生がいたが、あかねの存在が徐々に大きくなっていく。だが…あかねには恋人がいた。彼は病に伏し、余命宣告を受けているという―。
その後、森沢さんの「津軽百年食堂」っていう作品も読んだのですが、そちらも良かったです。
後味も良いし、優しい人とか、人間的にいいなーって人が登場するので、疲れている時でも気軽に読めますよ
森沢明夫さんの作品はまだ読んだことがないです。
latifaさんもこの作品で初めて読んだのですね。
記事を見ると面白そうな小説という印象を持ちました
意地悪な人が出てこないのは良いですね。
小技が効いているというのも興味深く、優しい物語の中に少しの驚きが入っているのだろうなと思います
こにさんも、森沢作品、色々読んだり見たりされていたのですねー!
そうかー、結構身近なブロガーさんが、森沢さんお好きだったのねー、今まで無知過ぎて、全然知らずにいました。
「津軽百年食堂」さっそく読んでみます!
コメント、残して下さって、ありがとうございましたー
初めて読んだのは「津軽百年食堂」で、大好きになりました。これも映画化されていて、なかなかの佳作と思います。
そうなんです、恥ずかしながら、全く知らずにいて、、、
だから、度々お邪魔していた、Todo23さんのブログに、この作品の感想が上がっていたのにもかかわらず、記憶にも全く残らずにいた・・・という、勿体ない状況でした。
コメント残して下さって、感謝です!
周りで読んでる人が皆無で、灯台下暗しだったんですね
池脇さんと、あかねさん、ピッタリ合ってました。(映画見てませんが、本を読んだ印象で)
latifaさんは森沢さん初読みですか、私はしばらく前から追いかけています。
悪人が出ない。出来過ぎの物語なんだけど、まあそれも良いかと許してしまえる優しさ。映像化されてる作品が多いですよね。「あなたへ」は映画のノベライズ作品ですが。
なるほど池脇千鶴さん、良さそうですね。