リートリンの覚書

日本書紀 巻第二十二 豊御食炊屋姫天皇 四十 ・聖徳太子薨る



日本書紀 巻第二十二 豊御食炊屋姫天皇 四十

・聖徳太子薨る



二十九年春二月五日、
半夜(よなか)、
厩戸豊聡耳皇子命
(うまやとのとよとみみのみこのみこと)が、

斑鳩宮(いかるがのみや)で
薨(みまか)りました。

この時、
諸々の王、
諸々の臣及び天下の百姓は、
ことごとく、

長老は、
愛児を失ったように、
塩、酢の味が、
口にあっても嘗(な)めず、

幼少は、
慈父母を失ったの如く、

哭泣(こっきゅう)の声が
行く道に満ちました。

すなわち、
耕夫は耜(すき)を止め、

舂(うすづ)く女は、
杵の音をたてませんでした。

皆、
「日月は輝きを失い、
天地も既に崩れてしまった。

いまから以後は、
誰を恃(たの)んだらいいのか」
といいました。



・哭泣(こっきゅう)
声をあげて泣くこと。泣き叫ぶこと



(感想)

推古天皇29年春2月5日、

夜中、
聖徳太子が、
斑鳩宮で亡くなりました。

この時、
諸々の王、
諸々の臣
および天下の百姓は皆、

長老は、
愛児を失ったように、
塩、酢の味が、
口にあっても味わえず、

幼少は、
慈父母を失ったのように、
泣き叫ぶの声が行く道に満ちました。

すなわち、
耕夫は耜(すき)を動かす手を止め、

米をつく女は、
杵の音をたてませんでした。

皆、
「日月は輝きを失い、
天地も既に崩れてしまった。

いまから以後は、
誰を頼みにしたらよいのか…」
といいました。

推古天皇29年。
遂に天皇に即位しないまま
聖徳太子が薨去してしまいました。

推古天皇が即位してから
29年も経っています。

かなりいい年になっていたはずの聖徳太子。

国内の政治を任され、
冠位十二階位を始め
憲法十七条を作った聖徳太子。

聖人と呼ばれた聖徳太子が、

どうして、
天皇に即位できなかったのでしょうか?

これ、
私が昔から疑問に思っていたことです。

推古天皇が
自分の子や孫に
天皇を継がせたかったからという説を
あげていますが。

推古天皇は
即位することを何度も断っています、

その彼女が
子孫を天皇にするということに
こだわりがあるとは思えません。

では、何故、
聖徳太子に譲位しなかったのか?

その前に、もう一つ、
天皇について疑問があります。

それは、
DNA鑑定のない時代にどうやって

神武天皇の血統であることを
判断していたのでしょうか?

これ、かなりの疑問です。

海外では不義が起こらないように
宮廷に出入りする男性は
去勢手術をして宦官となっていました。

警備だって
しっかりと行なっていたと思います。

しかし、
日本では宦官もなければ、
内裏の警備なんて甘々。

ちょっと頑張れば登れる塀で囲っただけ、
戸も壁も薄々。

そんな状況、
もしかしたら、
不義が起こっていたかもしれませんよ。

それでも、
長年、内裏の警備が強化されずにいました。

それは何故?

長年疑問に思っていたのですが、

もしかすると、
神武天皇の子孫には、
身体的に何か特徴があったのではないか
、と閃きました。

そう、
少女漫画にありがちな
身体にアザが遺伝するとか。

そう考えると色々と腑に落ちます。

武烈天皇が後嗣を定めずに崩御したため、

大連・大伴金村、物部麁鹿火、
大臣・巨勢男人ら有力豪族が協議し

継体天皇に請願したのも、

彼が神武天皇の血統特有の特徴が
色濃く身体に現れていたのではないか?

ここで、聖徳太子の話に戻ります。

聖人と呼ばれた聖徳太子を
何故、人々は天皇にと望まなかったのか?

それは、
神武天皇の血統と呼べる
身体的特徴がなかったのではないか、

むしろ、
周囲の人々と容姿が
全く異なっていたのではないか?

と考え至りました。

つまり聖徳太子は、
欽明天皇の皇女、
穴穂部間皇女の子であるが、

聖徳太子は
用明天皇の子ではなかった。

天皇の子である身体的特徴もなく

周囲の人々と
容姿が全く異なっていたのでは、
誰も彼のいうことを聞かないと思います。

しかし、
天才である彼を登用しないとは
不利益である。

そこで、
皇太子という立場を与え
人々を納得させていたのではないか?

真実を知る
推古天皇や蘇我氏、
その他諸々の臣たちは

最初から聖徳太子に
天皇の位に
即かせるつもりはなかったのではないか…


な〜んて、
妄想してみました。

皆さんはどう思いますか?

今日はこの辺で。

明日に続きます。

読んでいただき
ありがとうございました。


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