日本書紀 巻第二十九
天命開別天皇 三十六
・嘉禾の献上
・朝嬬での流鏑馬
・賑給をする
八月五日、
法官(のりのつかさ)の人が、
嘉禾(かか)を貢ぎました。
この日から始めて三日、
雨がふり、
大水(たいすい)となりました。
十四日、
大風がふき、
木が折れて屋を破りました。
九月九日、
朝嬬(あさづま)に幸しました。
よってもって、
大山位以下の馬を
長柄杜(ながらのもり)で看ました。
乃ち、
馬的射(むまゆみいさせ)させました。
二十三日、
地震がありました。
二十七日、
桑内王(くわうちのおおきみ)が
私家にて卒(お)わりました。
冬十月四日、
京內の諸々の寺の
貧乏な僧尼及び百姓を恤(あわ)れみ、
賑給(しんごう)しました。
僧、尼、一のごとに各々
絁(ふとぎぬ)・四匹、
綿(わた)・四屯、
布(ぬの)・六端。
沙弥(しゃみ)及び白衣(びゃくえ)には、
各々、
絁・二匹、綿・二屯、布・四端。
・法官(のりのつかさ)
令制の式部省
・嘉禾(かか)
穂がたくさんついた優良な穀類
・大水(たいすい)
河川があふれて、多量の水が流れ出ること。出水。洪水。おおみず
・朝嬬(あさづま)
奈良県御所市朝妻
・長柄杜(ながらのもり)
現在の奈良県御所市名柄
・馬的射(むまゆみいさせ)
流鏑馬の古称
・賑給(しんごう)
律令制において貧民や難民に対し朝廷が食料・布などを支給したこと
・沙弥(しゃみ)
仏門に入り、髪をそって十戒を受けた初心の男子。修行未熟な僧
・白衣(びゃくえ)
白い衣服。 (古代中国)平民。 下級官吏。 軍服を着ていない兵士、便衣。 在家の男性仏教徒、居士
(感想)
(天武天皇9年)
8月5日、
法官の人が、
嘉禾を献上しました。
この日から三日目に、
雨がふり、
洪水となりました。
14日、
大風が吹き、
木が折れて家屋を破壊しました。
9月9日、
朝嬬に行幸しました。
よって、
大山位以下の官人の馬を長柄杜でみました。
そこで、
流鏑馬をさせました。
23日、
地震がありました。
27日、
桑内王が私家にて亡くなりました。
冬10月4日、
京内の諸々の寺の貧乏な
僧尼および百姓をあわれみ、
食料・布などを支給しました。
僧、尼、一人のごとに各々、
絁・四匹、綿・四屯、布・六端。
沙弥および白衣には、各々、
絁・二匹、綿・二屯、布・四端。
明日に続きます。
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