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リートリンの覚書

名所江戸百景を訪ねて 第55景 「浅草川首尾の松御厩河岸」


名所江戸百景を訪ねて


名所江戸百景を訪ねて
第55景 「浅草川首尾の松御厩河岸」
 

松の下に描かれているのは屋根舟です。

舳先に二足の履物が置かれています。

摺りによっては簾に女性の姿がうっすら映っているものもあります。

奥に描かれているのは、御厩河岸と対岸の本所石原を結ぶ御厩の渡しです。

季節は夏。満天の星が描かれています。
 

屋形船の歴史


平安時代からその原型はあり、貴族の遊びに使用されていました。

江戸時代に入ると河川整備が進み、豪商や有力大名が自前の船で盛んに遊覧するようになりました。船も大型のものになり、造りも豪華になっていきました。

明暦の大火後に一時、鎮静化しますが、江戸の街が立ち直ると再び贅を尽くした絢爛豪華なものになっていきました。この時期になると、屋形船は武家のみが使用することができ、一般の庶民は乗船することができませんでした。

そこで屋根舟と称する小型の船を浮かべて遊覧するようになりました。

屋根舟は、船の上に小さな部屋が一つ乗っているような形で、障子を用いず簾(すだれ)をつかい棹(さお)は使わず櫓(ろ)で船を操りました。
 


描かれた場所は
現在どのようになっているのでしょうか?
訪ねてみました。



 

描かれた場所、蔵前橋のそばで撮影しました。



最後に

当時の面影は全くありませんね。満天の星の代わりに曇天の空。

遊覧船の上から撮影したらもう少し同じ構図になるかもしれません。でも、訪れたのはコロナ禍の真っ只中、船中の密が怖い、怖い。

いつの日か機会があったら遊覧船から撮影してみたいものです。





参考
別冊太陽 広重「名所江戸百景」の旅 平凡社 監修 安村敏信
Wikipedia

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