リートリンの覚書

日本書紀 巻第十六 小泊瀬稚鷦鷯天皇 六 ・春日娘子を皇后にたてる ・妊婦の腹を裂く ・生爪を剥ぐ ・城上を造らせる ・百済の意多郎が亡くなる ・人の頭髪を抜く ・百済の新王 ・三刃で刺し殺す



日本書紀 巻第十六 小泊瀬稚鷦鷯天皇 六

・春日娘子を皇后にたてる
・妊婦の腹を裂く
・生爪を剥ぐ
・城上を造らせる
・百済の意多郎が亡くなる
・人の頭髪を抜く
・百済の新王
・三刃で刺し殺す



元年春三月二日、
春日娘子(かすがのいらつめ)
皇后に立てました。
(娘の父は未詳です)

この年、太歳は己卯(つちのとう)。

二年秋九月、
孕める婦の腹を刳(さ)き、
その胎を観ました。

三年冬十月、
人の指甲(なまづめ)をぬいて、
山芋を掘らせました。

十一月、
大伴室屋大連に詔して、
「信濃国の男丁(よほろ)を発して、
城の像(かたち)を
水派邑(みまたのむら)に作れ」
といいました。

すなわち、城上(きのへ)といいます。

この月、
百済の意多郎(おたら)が
卒(お)わりました。
高田丘の上に葬りました。

四年夏四月、
人の頭髪を抜き、
樹の巓(すえ)に昇らせました。

樹の本をきり倒して、
昇った者が落ちて死ぬのを
快(こころよ)いとしました。

この年、
百済の末多王(またおう)が、
無道(ぶどう)で、
百姓に暴虐(ぼうぎゃく)でした。

国人は、
遂に除いて、
嶋王を立てました。
これが武寧王(むねいおう)です。

(百済新撰は云う、末多王は無道で、百姓に暴虐であった。国人は、ともに除いた。武寧王を立てた。諱は斯麻王(しまきし)。これは琨支王子(こんきせしむ)の子で、末多王の異母兄である。琨支は、倭に向かった時に、筑紫の島に至り、斯麻王が生まれた。嶋より還し送ったが、京に至らぬうちに、嶋で産んだ。故に名の由来となった。
今、各羅(かから)の海中に主嶋(にりむせま)がある。王の産まれた嶋で、故に百済人は名づけて主嶋と名づけた。
今案ずるに、嶋王は蓋鹵王(こうろおう)の子である。末多王は琨支王の子である。これを異母兄というのは、未詳であると)

五年夏六月、
人を塘(つつみ)の楲(いい)に
伏せて入らせ、

外に流れ出るのを
三刃(みつは)の矛を持って、
刺し殺すことを快いとしました。



・男丁(よほろ)
労務の税として集めた男性
・城上(きのへ)
奈良県北葛城郡広陵町
・巓(すえ)
=いただき
・無道(ぶどう)
人としての道にそむく・こと。非道
・暴虐(ぼうぎゃく)
乱暴で残虐なこと。荒々しい振る舞いで人をくるしめること
・各羅(かから)
長崎県東松原郡鎮西町加唐島か?
・塘(つつみ)
水をためた池。土手などの意味をもつ漢字
・楲(いい)
池や用水の堤見などから水を引くところに設ける水門の一種



(感想)

武烈天皇元年春3月2日、
春日娘子を皇后に立てました。
(娘の父は未詳です)
この年、太歳は己卯。

武烈天皇2年秋9月、
妊婦の腹を裂き、
その胎を観察しました。

武烈天皇3年冬10月、
人の生爪を剥ぎ、
山芋を掘らせました。

武烈天皇3年11月、
大伴室屋大連に詔して、
「信濃国の
労務の税として集めた男性を徴発して、
城を水派邑に作れ」
といいました。

すなわち、
城上といいます。

この月、
百済の意多郎が薨じました。
高田丘の上に葬りました。

武烈天皇4年夏4月、
人の頭髪を抜き、
樹の頂に昇らせました。

その樹の根元をきり倒して、
昇った者が落ちて死ぬのを
快(こころよ)いとしました。

この年、
百済の末多王が、
人としての道にそむき、
百姓に荒々しい振る舞いをし、
苦しめました。

国の人は、
遂に末多王を排除して、
嶋王を立てました。

これが武寧王です。

(百済新撰は云う、末多王は無道で、百姓に暴虐であった。国人は、ともに除いた。武寧王を立てた。諱は斯麻王。これは琨支王子の子で、末多王の異母兄である。琨支は、倭に向かった時に、筑紫の島に至り、斯麻王が生まれた。嶋より還し送ったが、京に至らぬうちに、嶋で産んだ。故に名の由来となった。
今、各羅の海中に主嶋がある。王の産まれた嶋で、故に百済人は名づけて主嶋と名づけた。
今案ずるに、嶋王は蓋鹵王の子である。末多王は琨支王の子である。これを異母兄というのは、未詳であると)

武烈天皇5年夏6月、
天皇は、人を、
水を溜めた池に設けた水門の一種に
伏せて入らせて、
外に流れ出るのを

三刃(みつは)の矛を持って、
刺し殺すことを快いとしました。

各文にタイトルをつけて、
ザッと見たら…

オイオイ、
物騒だな。

かなり、
ヤバイ奴じゃん。

((((;゚Д゚)))))))

天皇になった途端、
行動に異常性が…

本当にやったのか?

明日に続きます。

読んで頂き
ありがとうございました。


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