リートリンの覚書

日本書紀 巻第三十 高天原廣野姫天皇 二十八 ・降り続く雨



日本書紀 巻第三十 
高天原廣野姫天皇 二十八

・降り続く雨



五月二十一日、
百濟の淳武微子(じゅんむみし)の、
壬申の年の功を褒美して、
直大參を賜りました。

かさねて、絁(ふとぎぬ)、
布を賜りました。

六月、
京師(みやこ)、及び郡国四十に、
雨水がふりました。

戊子(つちのえね)、
詔して、
「この夏は、陰雨(いんう)が、
節を過ぎた。

懼(おそ)らく、
必ず稼(みの)りを傷(そこ)なうだろう。

夕までおそれ、
朝まで憂懼(ゆうく)している。
その愆(けん)を思うに。

それ、
公卿、百寮人等は、酒と宍を禁断し、
摂心(せっしん)し、
悔過(けか)をするように。

京、及び畿內の諸々の寺の、
梵衆(ぼんしゅう)もまた、
五日に当たり
誦經(じゅきょう)するように。

庶(こいねが)う、
ここに、補(たす)けがありますように」
といいました。

四月から雨がふり、
この月に至りました。

二十日、
天下に大赦しました。

ただし、
盜賊は赦しの例に入れませんでした。



・戊子(つちのえね)
五月十八日
・陰雨(いんう)
しとしとと降りつづく陰気な雨
・憂懼(ゆうく)
好ましくない事態になることを心配しおそれること。憂虞(ゆうぐ)。憂悚(ゆうしょう)。憂惕(ゆうてき)
・愆(けん)
あやまち、あやまる、たがうなどの意味をもつ漢字
・摂心(せっしん)
接心とも書き、散乱する心を一つに摂むることをいう。心によく気をつけること。 摂心不乱(せっしんふらん)などともいう
・悔過(けか)
仏教において、三宝に対して自ら犯した罪や過ちを悔い改めること
・梵衆(ぼんしゅう)
僧衆
・誦經(じゅきょう)
経文を声を出して読むこと



(感想)

(持統天皇5年)

5月21日、
百済の淳武微子の、
壬申の年の功績を褒美して、
直大參を与えました。

かさねて、絁、布を与えました。

6月、
京師(みやこ)、
および郡国40に、
雨水がふりました。

5月18日、
詔して、
「この夏は、
しとしとと降りつづく陰気な雨が、
季節を過ぎても降っている。

必ず実りを損ねるとおそれている。

朝から夕までおそれ
夕から朝まで心配しおそれている。

そのあやまちを思うに。

公卿、百寮人らは、
酒と肉を禁断し、
心によく気をつけ、
三宝に対して、
自ら犯した罪や過ちを
悔い改めをするように。

京、及び畿内の諸々の寺の僧衆もまた、
5日間、経文を読むように。

こいねがう、
ここに、
たすけがありますように」
といいました。

4月から雨がふり、
この月まで続きました。

20日、
天下に大赦しました。

ただし、
盜賊は赦しの例に入れませんでした。

明日に続きます。

読んでいただき
ありがとうございました。





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