日本書紀 巻第三十
高天原廣野姫天皇 三十七
・調役・雜徭の免除
・赤い鳥の雛
五月六日、
阿胡行宮(あごのかりみや)の時、
贄を進めた、
紀伊国の牟婁郡の人の
阿古志海部河瀬麻呂
(あこしのあまのかわせまろ)等、
兄弟三戸に、
十年の調役・雜徭を免しました。
また、
挾杪(かじとり)八人の、
今年の調役を免しました。
七日、
相摸国司が
赤鳥(あかからす)の鶵(ひな)を
二隻を献(たてまつ)り、
「御浦郡で獲ました」
といいました。
十二日、
吉野宮に幸しました。
十六日、
車駕が宮に還りました。
十七日、
大夫・謁者(えっしゃ)を遣わして、
名のある山、岳、瀆を祠(まつ)り、
請雨(しょうう)しました。
二十日、
文忌寸智徳(ふみのいみきちとこ)に
直大壹を贈りました。
あわせて、賻物を賜りました。
二十三日、
淨廣肆の難波王(なにわのおおきみ)等を
遣わして、
藤原の宮地を鎮祭(ちんさい)をしました。
二十六日、
使者を遣わして、
幣を、
伊勢・大倭・住吉・紀伊、
四つの大神に奉りました。
新宮のことを告げました。
・阿胡行宮(あごのかりみや)
伊勢神宮豊受大神宮(外宮)の第一回式年遷宮に際して、持統天皇の宿泊等のために、仮に設けられた施設(行宮)
・挾杪(かじとり)
古代から中世に,一船の長として船の舵をとって漕いだものの呼称で,のちの船頭に連なる。古くは挟杪,柁師などとも書いた
・謁者(えっしゃ)
1・尋ねてきた人を主人に取り次ぐ人。 とりつぎ2・身分の高い人や目上の人に面会を求める人
・請雨(しょうう)
日照り続きの時、雨の降ることを神仏に祈ること。雨乞い
・賻物(ふもつ)
古代において,位を有する者が死亡した際に支給される葬祭料
・鎮祭(ちんさい)
諸神をまつり、その土地をしずめ固めるための祭儀。また、それを行なうこと
(感想)
(持統天皇6年)
5月6日、
阿胡行宮に行幸した時、
贄を献上した、
紀伊国の牟婁郡の人の
阿古志海部河瀬麻呂ら、
兄弟三戸に、
10年の調役・雜徭を免しました。
また、
舵取り・8人の、
今年の調役を免除しました。
7日、
相摸国司が赤鳥の鶵を2隻を献上して、
「御浦郡で獲ました」といいました。
12日、
吉野宮に行幸しました。
16日、
車駕が宮に戻りました。
17日、
大夫・取次ぎを派遣して、
名のある山、川を祠り、
雨乞いをしました。
20日、
文忌寸智徳に直大壱を与えました。
あわせて、賻物を与えました。
23日、
淨広肆の難波王らを派遣して、
藤原の宮地をしずめ固めるための
祭儀をしました。
26日、
使者を派遣して、
幣を、
伊勢・大倭・住吉・紀伊、
四つの大神に奉りました。
新宮のことを告げました。
明日に続きます。
読んでいただき
ありがとうございました。
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