魏志倭人伝・現代語訳16
葬儀
原文其死有棺無槨、封土作冢。始死停葬十餘日、当時不食肉、喪主哭泣、他人就歌舞飲酒。巳葬挙家詣水中澡浴、以如練沐。
書き下し文その死には棺ありて槨(かく)なく、封土(ふうど)して冢(つか)を作る。始め死するや停葬(ていそう)十餘日、時に当りて肉を食わず、喪主は哭泣(こくきゅう)し、他の人は就(つ)きて歌舞し酒を飲む。已(すで)に葬れば家を挙げて水中に詣(いた)りて澡浴(そうよく)し、以て練沐(れんもく)の如し。
現代語訳
死んだときには、
遺体を治める棺がありますが、
外棺である槨(かく)がなく、
土を盛り上げて墓を作ります。
始め亡くなると
十日余りもがり(喪)し。
その時には肉を食べず、
喪主は泣き叫び、
他のひとは歌舞し、
酒を飲みおもむきます。
埋葬が終了すると
一家を挙げて水辺にいき、
水浴びをし、
髪を洗ったりします。
それは、
練沐(れんもく)のようなものです。
・棺
遺体を納めて葬るもの。
・槨
そとひつぎ
・封土(ふうど)
土を盛り上げて祭壇とする。
・冢(つか)
墓
・哭泣(こくきゅう)
泣き叫ぶ。声をあげて泣く。
・就
おもむく
・澡浴(そうよく)
水あみと髪を洗うこと。
・練沐(れんもく)
行法としての水浴び。
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参考
かくも明快な魏志倭人伝 木佐 敬久
富士房インターナショナル
倭人・倭国伝全釈 鳥越 憲三朗
中央公論新社
Wikipedia