魏志倭人伝・現代語訳 29
答謝
原文正始元年、太守弓遵遣建中校尉梯儁等、奉詔書・印綬詣倭国、拝仮倭王、并齎詔賜金・帛・錦・罽・刀・鏡・采物。倭王因使上表答謝詔恩。
書き下し文正始元年(240)、太守の弓遵(きゅうじゅん)、建中校尉の梯儁(ていしゅん)等を遣わし、詔書(しょうしょ)・印綬(いんじゅ)を奉じて倭国に詣(いた)り、倭王に拝仮(はいか)し、并(ならび)に詔(みことのり)を齎(もたら)し金・帛(はく)・錦(きん)・罽(けい)・刀・鏡・采物(さいぶつ)を賜う。倭王は使いに因(よ)りて上表し詔恩(しょうおん)に答謝(とうしゃ)す。
現代語訳
正始元年(240)、
(帯方郡の)
太守・弓遵(きゅうじゅん)は、
建中校尉の梯儁(ていしゅん)等を派遣し、
詔書(しょうしょ)・印綬(いんじゅ)を
奉じて倭国に行きました。
倭王に拝仮(はいか)し、
ならびに詔(みことのり)をもたらし、
金、帛(はく)、錦(きん)、罽(けい)、
刀、鏡、采物(さいぶつ)を賜りました。
倭王は使者によりて上表文を奉り、
詔恩(しょうおん)に
返答の言葉を述べました。
・詔書(しょうしょ)
天子のおぼしめしを記した書。
・印綬(いんじゅ)
印と綬。印は官吏の身分を証明する印形。綬は印の環を保つひも。
・奉
うやうやしくささげる。
・拝仮(はいか)
許されてまみえる
・帛(はく)
絹
・罽(けい)
毛織物。毛氈。毛と絹で加工して織った敷物。
・采物(さいぶつ)
彩色文章を施したもの
・上表
書類などを綴じる時、一番上にある紙。表紙。表を奉る。
・詔恩(しょうおん)
天子のありがたいみことのり。
・答謝(とうしゃ)
答礼の言葉をのべる。
ランキングに参加中。励みになります。
ポッチっとお願いします。
参考
倭人・倭国伝全釈 鳥越 憲三朗
中央公論新社
Wikipedia