リートリンの覚書

日本書紀 巻第二十二 豊御食炊屋姫天皇 三十八 ・高麗、使者を派遣する ・河辺臣と霹靂



日本書紀 巻第二十二 豊御食炊屋姫天皇 三十八

・高麗、使者を派遣する
・河辺臣と霹靂



二十六年秋八月一日、
高麗が、
遣使をして方物(くにつもの)を
貢ぎました。

これを機に、
「隨の煬帝(よいだい)は、
三十万の兵を興して我を攻めましたが、
返って我のために破れました。

故に、
俘虜貞公(とりこていこう)、
普通(ふとう)の二人、

及び、
鼓吹(つつみふえ)、弩(オオユミ)、
抛石(いしはじき)の類十種、

あわせて土物(くにつもの)、
駱駝(らくだ)一匹を
貢献(たてまつ)ます」
といいました。

この年、
河辺臣
(名を欠く)

を安芸国に遣わして、
舶を造らせました。

山に至り舶の材を求めました。
すぐに好い材を得ることができ、
伐ろうとしました。

時に、ある人が、
「霹靂(へきれき)の木です。
伐ってはいけません」
といいました。

河辺臣は、
「それが雷神であったとしても、
どうして皇(きみ)の命に逆らうだろうか」
といい、

多くの幣帛(へいはく)を祭り、
人夫を遣わして伐らせました。

すなわち、
大雨がふり、
雷電がとどろきました。

ここに河辺臣は、
剣の柄(つか)に手をかけ、
「雷神よ、人夫を侵してはならぬ。
我が身を傷つけるがよい」
といい、
仰いで待ちました。

十余、霹靂しましたが、
河辺臣を犯すことができませんでした。

すなわち、
小さな魚と化して、
樹の枝に挟まりました。

すなわち、
魚を取って焼きました。

遂に、
その船を修理しました。



・方物(くにつもの)
=地方の産物。国産。土産
・鼓吹(つつみふえ)
=くすい・ 鉦鼓 (しょうこ) や笛を主楽器とする、古代の軍用の楽
・抛石(いしはじき)
=・代の武器の一種。城壁やがけの上に装置し、木や綱で留めた石を弾き飛ばして敵を殺傷するようにした仕掛け。石弓。機械
・霹靂(へきれき)
急激な雷鳴
・幣帛(へいはく)
神道の祭祀において神に奉献する、神饌以外のものの総称



(感想)

推古天皇26年秋8月1日、

高麗が、
使者を派遣して産物を献上しました。

これを機に、
「隨の煬帝は、
三十万の兵を興して我が国を攻めましたが、
返って我のために破れました。

故に、
俘虜貞公、普通の二人、
及び、
鼓吹、抛石の類十種、
あわせて土物(くにつもの)、
駱駝(らくだ)一匹を献上します」
といいました。

この年、
河辺臣
(名を欠く)

を安芸の国に派遣して、
船舶を造らせました。

山に到着し船舶の材料を求めました。

すぐに好い材料を得ることができ、
伐ろうとしました。

この時、ある人が、
「霹靂の木です。伐ってはいけません」
といいました。

河辺臣は、
「それが雷神であったとしても、
どうして皇の命に逆らうだろうか」
といい、

多くの幣帛(へいはく)を奉って祭り、
人夫を派遣して伐らせました。

すなわち、
大雨がふり、
雷電がとどろきました。

ここに河辺臣は、
剣の柄(つか)に手をかけ、
「雷神よ、人夫を侵してはならぬ。
我が身を傷つけるがよい」
といい、
仰いで待ちました。

10回余、
落雷しましたが、
河辺臣を犯すことができませんでした。

すなわち、
小さな魚と化して、
樹の枝に挟まりました。

すなわち、
魚を取って焼きました。

遂に、その船を修理しました。

雷神が魚に変化とはするとは。
不思議なお話ですね。

焼いた後はどうしたのでしょうか😋

明日に続きます。

読んでいただき
ありがとうございました。


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