たとえば職場でも学校でも、思うに任せないこと、気持ちが疲れたり傷ついたりすることはあるものです。そうしたときに、図書館で自由に本を読み、自由に時間を過ごすことはいくらかでも生きる支えにもなると思います。図書館の「居場所」としての役割が注目されていることも耳にします。
数年前に、ある図書館が学校に行きづらい子どもたちにネット上で「逃げ場所に図書館も思い出してね」と呼びかけたことを思い出します。
乃木坂46のメンバーだった生駒里奈さんは小学生の時、いじめの被害を受けていました。そのころ、休み時間は図書室で読書に夢中になることで自分を守っていたということです。
学校の図書室といえば、『図書館の神様』(瀬尾まいこ、筑摩書房:ちくま文庫)という小説を思い出します。高校の図書室を主な舞台として、文芸部の顧問教師(女性)とただ一人の部員(男子)との不思議な交流が描かれています。文学には特に興味はない、図書館に行くこともほとんどないという方にもおすすめです。ちなみに、主人公の先生もそうした人物です。
図書館、図書室の存在価値をより広くとらえていくのはいいことだと思います。