台風19号は
東日本のあちこちを水浸しにして
去っていきました
ワタシの両親・そしてご先祖様は
遠い昔から、川の氾濫と密接な関係で
暮らしてきました
というのも日本一長い信濃川、
長野では千曲川と言いますが
この川のほとりにある村で生きてきたからで
しかも、ここが超氾濫ポイント
父は上京し、結婚後、横浜に居を構えた後も
長野が台風や大雨になれば
母と一緒に
「堤防持つかな」
「切れなければいいんだけどなぁ」
など、常に心配していました
横浜の家は
高台にあり洪水の心配は全く無いので
「洪水の心配が無いのは
本当にありがたい」
と、子供の頃から常々口にしておりました
堤防は切れるたびに
どんどん高くされ
今では
ワタシが子供の頃より
随分高く立派な姿に変貌しました
昔の面影が全くないほど見違えた
立派な堤防を今年の春
菜の花畑から眺めたワタシは
「これは もう洪水の心配は2度とないだろうなぁ」
と、しみじみ感じ入ったものでした
とはいうものの
昔から川の氾濫と共存して生きてきたワタシの親戚は
土曜日の昼間の動けるうちに
こぞって親戚の家に避難してしまいました
今回は切れずにすみましたが
父はというと この堤防について
色々不満があるとのことで・・
側面には
美しい桜の木が何本も植えられていて
堤防脇の桜を眺めながら
堤防を超えると
その先は一面の菜の花畑
という、春は全くもって
心踊るように美しい
本当に素晴らしさ満載の
その桜の木たちが
父は解せない❗️とおかんむりなのです
「なんだってまあ
あんなところに桜の木なんか植えるんだ!!!」
堤防ときたら「桜」はお約束では(・・?)
桜のない堤防なんて
クリープを入れないコーヒーと同じじゃないの・・
と、かなり古いCMのキャッチフレーズを
持ち出しても分かる人がいるかどうか・・
(昭和生まれでございます故・・)
なんで桜が悪いのか❓
そもそも日本人は桜が好きなので
桜のある所に人は集まる
ということは、たくさんの人が
土を踏み固めて地盤を強くしてくれる
というメリットがあるそうで
景観もよくなるし
観光客も集うし 観光収益にも
つながるし
いいことづくめだと思うんですけど
父の言い分はこうです
桜を植えるとミミズやモグラが増える
それが堤防の中にたくさん穴を作る
堤防が決壊するときは
越水するから崩れるのではなく
堤防の中のわずかな穴が原因だ
わずかな穴に一気に水が流水することで
巨大な圧がかかり決壊につながる
難しいので ちょっと父の言い分と
違うかもしれませんが
川幅が狭い所の流れが速い原理と
似た感じ?
そんなこんなで
必ずしもモグラやミミズだけのせいでは
ありませんが
万に一つでも可能性があるものは
出来るだけ排除する
完璧主義の父ならではの言い分なわけでして
堤防の強度を考えた時に
そんなことまで考えるとは
さすが土木の仕事を40年やってきた人は
目のつけどころが宇宙人だぁ・・と
思いました
先週、遊川ドラマの「同期のサクラ」が
スタートしましたが
主人公のサクラは生まれ育った島に
橋がかかることを願いながら育ち
それが実現すると知り
自分もその事業に関わりたいという気持ちで
請け負う会社に入社しました
父は 子供の頃から堤防工事を
ずっと見ながら育ちましたが
その工事で
「ああしろ こうしろ」と
腕を組んで指図だけしている
「現場監督」に憧れ
現場監督になりたくて土木の道に進みました
とにかく現場監督になることだけが
夢だったようなので
絶対切れない堤防を作って この村を救いたい
とか、そういう方向へ気持ちが
向いたわけではなかったようで
就職した会社も建設業ではありませんでした・・( ̄◇ ̄;)
そんな彼に 桜を植えやがって〜
などと怒る資格はないんですけど
堤防が父の人生に大きな影響を
与えたことだけは間違いないのでした
父は、発達障害っぽい性格ですし
母は天才すぎる(奇人)父に疲れ果て
精神を病んでしまい
姉は、そんな家庭環境で育ったせいで
うつ病になり
もう一人の姉は よくわからない宗教に
ハマり会話が成立しなくなりました
考えてみたら
遊川さんが
ドラマの脚本作りに
好みそうな要素たっぷり?