やさしくて残酷
現実的で超現実的
恐ろしくて滑稽
夜のごとく
昼のごとく
平静で突飛な
素晴らしき
気狂いピエロ
★ゴダール映画を初めて観たのは高校生の頃。後追いながら強烈な衝撃のようなものを受けました。同時期にブリジット・フォンテーヌの音楽から大変な衝撃と感動を抱いていたあの頃。アンナ・カリーナの真っ赤なワンピースや行動、映し出される活字や主人公の台詞、青い海と空...。知らず知らずに所謂「ヌーヴェル・ヴァーグ」と呼ばれるフランス映画を機会があれば観るという習慣になって行き、今はもう無い小さな映画館へと足を運こぶのが楽しくて。殊に古いリバイバル上映を優先していました。今のような綺麗な劇場ではなかったけれど、あの真っ暗な空間は私の居場所であるようにしっくりするのでした。最近は映画館から遠のいてしまい申し訳ないのですが、今もやはり古い映画が好きで、好きな作品は観返すことも多いです。
●追記●
ある知人とゴダール映画のお話になり、そのお方が「きぐるいピエロ」とおっしゃった。瞬間に「今はそのように呼ぶのだな」って。でも、何だか私の好きな『気狂いピエロ』ではない気がするので、今もついつい「きちがいピエロ」と云ってしまいます。作品名としての呼名であり、その時に他意は無いのです。いつの間にか、言葉の規制も多くなりましたね。ちょっと複雑な想いですが、どなたがご覧になられるのか分からないこのようなブログ等での言葉、発言には責任を持ちながらも、柔軟かつ寛容に綴ってゆきたいと思っています。