薔薇色ファンタジー★ヴェルヴェットの小部屋

色褪せぬ美しきもの・映画・音楽・文学・絵画等。ヴェルヴェット・ムーンのサブchouchouの偏愛日記です。忙中有閑♪

シャルル・トレネの『ブン!(BOUM!)』が印象的なベルギー映画『トト・ザ・ヒーロー』♪

2009-12-14 | 好きな映画
★1991年のベルギー映画『トト・ザ・ヒーロー』が大好き!この映画は不思議なファンタジー映画。監督はジャコ・ヴァン・ドルマル。劇中で効果的にこの『ブン』が使われている。映画のことは『クララの森・少女愛惜』にて以前少し触れています。此方では本家のシャルル・トレネの古い映像がありましたので掲載させて頂きます。

1938年のトレネによる作詞・作曲。同年、映画『輝ける道』(ピエール・カロン監督)の中でご本人が歌われているのだそうですが未見です。"チク、タク、チク、チク”や”ピク、パク、ピク、ピク”、そして”ブ、ブン!”と僕らの心が鳴る。この擬音語と軽快なリズム、愉快な歌声が好きです。「シャンソン」にも色々な名曲が沢山ありますが、このようなファンタジックなシャンソンも魅力のひとつです。

下の動画はモノクロで美しい舞台に心が和みます。優美な時代に夢を馳せて♪


シャルル・トレネ:CHARLES TRENET (1)

2009-12-14 | シャンソン・フランセーズ人名 A to Z
シャルル・トレネ:CHARLES TRENET  1913年5月18日生まれ 没年:2001年2月19日

★第二次世界大戦前から戦後にかけて活躍され、多くの名曲を残された「シャンソン」というと欠かせないお方のおひとり。私の個人的な好みですが、幾つものお写真を眺めていると、その朗らかなクルクルした瞳の輝きが好きです。「シャンソン・ファンテジスト」の代表的なお方でもあります。あと、帽子姿が多いです。

ベスト盤などに必ずと云ってよい程、収録される名曲に1937年から1938年録音ものが多く、「喜びあり(Y A D'LA JOIE)」「青い花(FLEUR BLEUE)」「王様のポルカ(LA POLKA DU ROI」「ラ・メール(LA MER)」「メニルモンタン(MENILMONTANT)」「ブン!(BOUM)」「私はうたう(JE CHANTE)」...と大変な時期です。その後も「残されし恋には(QUE RESTE-T-IL DE NOS AMOURS)」「詩人の魂(L'AME DES POETE)」他多くの名曲があります。

幼少時から曲を書いていたそうですが、15歳頃にドイツ(ベルリン)に留学されています。美術の勉強をされており絵を描いてもいたそうですが、その道ではなく歌の世界でチャンス到来!そのきっかけとなるお方にマックス・ジャコブとの出会いや映画があります。シャルル・トレネとしての前に「シャルルとジョニー」というコンビで活動されていました。同年代のジョニー・エスというスイス出身のお方と。

けれど、戦争という時代もあります。兵役中にも曲を書いていたそうです。『歌う狂人』とも呼ばれる由来は、その在隊中に軍服とも平服とも云えぬ奇妙な格好で町に出向いて歌っていたのを、楽譜出版社のラウル・ブルトンが見初めたことによるものだそうです。愉快なお方です。

そして、モーリス・シュヴァリエやジャン・コクトーの存在も欠かせません。「メニルモンタン」はシュヴァリエに捧げられた曲です。

初期のおおまかな軌跡です。また続きも追々にと想います。


この「シャンソン」を中心としたブログにつきまして

2009-12-11 | このブログについて
★随分前にGOO様のブログに登録しておりましたが放置状態でした。つい先日、古いカセットテープを整理していると、数本のかなり偏った内容のものが出てきました。10年程前に自分で編集したものたちです。久しぶりに聴いていると、自分で好きな曲ばかり入れているので当然ではありますが、今の私の心にやはり必要な音楽たちであると痛感いたしました。その10年程前というのは、色んなことが重なり合ってでしょうが、心と神経のバランスを崩していた頃。それでもお仕事は休む事はできませんでしたので悪化してゆくばかり。そんな時期なのにです!その時の私の心の救いであったもののひとつに大好きな音楽があったということに感激してしまいました。

多くがシャンソンやフレンチ・ポップス、あるいはヨーロッパの女性ヴォーカリストの歌声たちでした。私は80年代育ちですのでその同時代性というものが強くあります。けれど、「温故知新」という好きな学びゆえに、音楽も映画も文学も新旧織り交ぜ、国籍も時代も超えて心に響くものを大切にしているつもりです。いつの間にか、バラバラだったものがまるでパズルのように美しく結ばれてゆきます。

「シャンソン」というと、今ではもう外来語として、また日本独自の単語として在るように想います。「フレンチ・ポップスもシャンソンではないのですか?」と訊かれる事もありますが、認識としてジョニー・アリデイがプレスリーに憧れ英語圏のロックンロールやポップスをフランス語で歌い始め、イェイェ・ブームが起こる1960年代。この時代を追うように日本でも和製フレンチポップスな歌謡が多くあったこと、今度はフランス語の曲を日本語で歌うという。また、シルヴィ・ヴァルタンやフランス・ギャルも日本で人気があり、日本語で歌うということもあった時代に夢を馳せます。

「フレンチ・ポップス」というと、やはりセルジュ・ゲンスブールとミッシェル・ポルナレフの存在は大きいと想います。また、ダニエル・ヴィダルは日本を拠点に活動されていた時代。そして、ポール・モーリアの華麗なるイージー・リスニングの世界も魅惑的だったと想います。母もそれらのレコードを持っていたものです。

私個人としましては、ブリジット・フォンテーヌ、フランソワーズ・アルディ、バルバラとの出会い(レコードですが)は決定的だったと今も想えます。欧米の風変わりな音楽やポップスを聴きながら、「フランスの音楽」に興味を抱き意識的に好きなジャケットのレコードを買い始めました。それから30年弱経った今、忙しさに感けて持っているだけで1回聴いただけのものも多く、そんなのではレコードたちが可哀相に想えます。

勝手な思い込みで間違った記述も多々あると想いますが、時間と年月がかなり必要な作業となりますが、もしも、私の好きな作品についての拙い記事を読んでくださり、何かしら共鳴して頂けるお方がおられましたら、お気軽にコメントやメッセージ等をください。

どうぞ、末永く宜しくお願いいたします♪

イヴ・モンタン 『シャンソン・フランセーズ その栄光と知られざる歴史』 序文より

2009-12-11 | ノスタルジー・メモ
 
花が自然のものであるように、シャンソンは人間のものといえる。それは、可憐にして純粋な表現で、情熱という嵐、感情という雷雨、怒りという大風、優しさというそよ風、愛の風・・・・・・・といった心の変化に晒されている。希望、苦悩、歓喜、抵抗、不安がそこに表現されるシャンソンは、人間でもあるのだ。

 今日は微笑みを、明日は厳しさを、往々にして気紛れで、時には狂ったように・・・・・・・シャンソンは泣き、笑い、情熱に燃え、踊り、そして思考する。数多くの秘密を分かち合った友人でもあるのだ。

 バラの花がいつまでも愛されるように、シャンソンも永遠である。その要素である美しさ、優しさ、そして希望が永遠なのだから。

「シャンソン・フランセーズ その栄光と知られざる歴史」
著:ピエール・サカ 序文:イヴ・モンタン 監修・訳:永瀧達治

★私はどういう訳か、洋楽が好きになり最初は英国のロックやポップスに夢中になっていた。体が弱くなかなか子供が産まれなかったという母が私を産んでくださった。当時では高齢出産という時期のこと。なので、私の両親と私の世代は大きく違っていた。けれど、そのことがいつの間にか私には学びとなってゆき今に至り継続中。映画好きの両親と一緒に古い映画をよく観た。お陰で私は同世代の作品と古い映画を平行して愛好するようになった。音楽も同じように、無意識のうちに、あるいは運命的な出会いのようなレコードたちを聴き続けている。それらに国境はない。アイドルやポップ・ミュージックも大好き!

文学も同じようにフランス文学が特に好きらしい。けれど、英国文学やドイツ文学に大好きな作家が幾人もおられる。国籍や言語をあまり意識しているつもりはないけれど、何故だか「シャンソン・フランセーズ」は相性が良いのか心が安堵する楽曲が多い。母の持っていた古いレコードをなんとなく聴いていた頃から、意識的に自分でも購入するようになったのは80年代の初め。ヨーロッパのニュー・ウェイヴの音楽を聴きながら。リオやヴァネッサ・パラディ、シャルロット・ゲンズブールやエルザ、ミレーヌ・ファルメールやパトリシア・カースたちが大好きで聴き入っていた頃。ブリジット・フォンテーヌ、バルバラ、フランソワーズ・アルディは既にキャリアの長い方々であった。英国のマリアンヌ・フェイスフル、ドイツ人だけれど無国籍な佇まいの孤高のニコも同じく。

イヴ・モンタン!大好き。俳優だと想っていたのに、歌手としても偉大なお方だと知ったのもそんな頃。初めて観た映画は『戒厳令』。政治映画でとてもシリアスな作品から知った。劇中の苦悩する渋い表情に魅せられた。そして、今でも「好きな男優」の指折りに必ず入るお方。モンタンの出演作品は結構観ることができている。作品によって様々なモンタンの魅力がある。晩年のモンタンも大好き!額の皺や白くなった髪は長い芸能生活、「イヴ・モンタンの軌跡」である。両親と私が一緒に鑑賞したり、魅せられたお方のおひとり。なので、私のあの時、あの頃が共に蘇るのである。そして、愛する両親との想い出も。みんな、もうこの世に居られないけれど、私の心の中にはずっと、いつまでも。