『ありがち日記』

「哭声/コクソン」

地元上映が決まって、待っていました。
たったの1週間上映で焦りましたが、今日何とか観られました。
日本から國村準さんが出演していることも話題だし、
個人的には「新しき世界」で好きになったファン・ジョンミンさんも見逃せなくて。

あらすじから。
警察官ジョング(クァク・ドウォン)が妻と娘と暮らす平和な村に正体不明のよそ者(國村隼)が住み着いて以来、住人たちは彼のうわさをささやいていた。やがて、村で突然村人が自分の家族を手にかける事件が発生する。犯人には、濁った目と湿疹でただれた肌という共通点があり……。(シネマトゥデイ)

一言では表せない恐怖がありました。
ホラー、サスペンス、オカルト、何と言ったらいいんだろう…という感じ。
キリスト教と関連していることはわかるのですが。

小さな村で殺人事件が連続して起こり、その動機も何もかも不明な中、
狭いコミュニティでありがちな「よそ者」への偏見や噂だけがどんどん膨らんでいく。
そして、主人公たちが何を信じたらよいのかわからないのと同じように、
私たち観客も拠り所となるものを見いだせず、不安で怖くて、とにかく心許ない。

「よそ者」の謎の日本人として描かれるのが國村準さん。
自ら何かを話すのではなく、聞かれたら必要最低限で答えるのみ。
表情も乏しく(でも何かを語っている表情)、謎めいている役。
「何者なのか?」と問われても、はっきりと答えず「どうせ信じない」というだけ。
何者でもない気がするし、この謎の男と対峙した者が思う姿形となって現れるものかもしれない。
最後まで、悪魔なのか悪霊なのか祈祷師なのかわからない。

祈祷師役でかなり印象的だったファン・ジョンミン、最高でした。
あの祈祷のシーンだけまた見たい!
この祈祷師もまた謎だらけ。味方なのかそうじゃないのか。
それもまた、見る人や自分の思いによって変わってくるという存在。怖い。

謎の女性もまた何者なのかわからず怖い。。

何を信じたらよいのかわからないと、人間はどんどん恐怖の深みにはまっていき、
見えないものが見えたり、逆に見えるはずのものが見えなくなったりするんだと思う。
そこに信仰や宗教といったものがあるわけで。
物事は見え方が一つじゃないのだということか。
偏見や差別だって、ある一方の見方しかできていないということだし、
立場や考えや信じるものが異なれば、見方は変わってくる。
そういう人間のあやふやで危うい部分に鋭く切り込んでくるような映画だったと思う。

たぶん、また観たら違った感想になるかもしれない。
不思議な映画だわ…じわじわくる。


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