『ありがち日記』

恩田陸『クレオパトラの夢』

神原恵弥シリーズの第2弾です!
今作はついに主人公として登場しまして、彼の生まれ育った境遇など、
よりパーソナルな部分が掘り下げられておりましたね。
しかも舞台が北国のH市。
明らかに函館です。地理的にもわかる場所だとよりストーリーに入り込めました。

まずは双葉社のホームページよりあらすじです。

北国のH市を訪れた神原恵弥。不倫中の双子の妹を連れ戻すという名目の裏に、外資製薬会社の名ウイルスハンターとして重大な目的があった。H市と関係があるらしい「クレオパトラ」と呼ばれるものの正体を掴むこと。人々の欲望を掻きたててきたそれは、存在自体が絶対の禁忌(タブー)であった――。シリーズ第二弾、新装版!

ところで、「クレオパトラの夢」って曲ありますよね。
作中でもちょろっと触れられてて、あっやっぱり!?って感じでした。

クレオパトラというものが一体何なのか、実際に存在するものなのか、
最初から最後まで謎なままで終わります。
あ、推測の中ではそれらしき答えを出していましたが。
現実にはあり得ないような、夢のようなお話なのでした。
本当にあったとしたら怖い話ですよ…
ネタばれはしませんが、恵弥の職業がウイルスハンターですから。

双子の妹や、彼女を取り巻く人々もどこかミステリアスで、
一体本音がどこにあるんだろう…?って思いながら読んでいました。
これもまた複雑に“愛”が絡み合っていたなぁ…。
クレオパトラが何なのか、国の安全をも揺るがしかねない危険物かも…という不安と、
そのクレオパトラを通してつながっている人々の営みと言いますか。
同時進行で描けるのはさすがだと思いました。
上手く言えないんですが。

MAZEも面白かったですが、こちらはまた別の面白みもありました。
これでやっと次のシリーズ3作目へ行けます!(これが読みたかったんだわ~、長かった)
でも、その前に寄り道をしてから…(^^;)
読んでいない本が溜まってしまって、この秋でどんどん消化していきたいと思っています。


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