この間、思い立ってこの映画を見ていたよ。
ダスティン・ホフマンもメリル・ストリープも若いよねぇ。
無理もない、もう40年も前の映画なのだ。
前にも見たことがあるけど、やっぱり泣いちゃったな。
公開当時、私はまだ小学生だったけれど、
しかし、今や子を持つ親になって、親の視点でも見てしまう。
🌟🌟🌟
両親の離婚に胸を痛める坊や。
7歳という設定だけれど、もっと幼く見えるなぁ。
5,6歳・・・・わが息子がそのくらいだった頃を思い出す。
あの頃は一番可愛かったんじゃあるまいか。
そして、子どもの涙には、無条件で心を乱される。
こっちまで泣いてしまう。
🌟🌟🌟
お父さんもお母さんも、同じくらい君のことが好き。
君も、お父さんとお母さんを同じくらい好き。
今までも、そして、これからも・・・・
だけど、お父さんとお母さんは、どうして好き同士ではいられないの???
🌟🌟🌟
これは、公開当時から40年経った今も不変のテーマでしょう。
だからかなぁ。そんなに昔の映画って感じはしなかった。
🌟🌟🌟
今ね、私はyoutubeで、「テレフォン人生相談」というのを聞いている。
youtubeで聞き始めたのは最近だけど、
このラジオ番組の存在は前から知っていた。
月曜日から金曜日まで、15分程度、午前中にニッポン放送がやっていて、
前はradikoで聞いていたんだよ。
テレフォン人生相談
http://www.1242.com/jinseisoudan/
私がいつもこの番組を聞いているもんで、息子にもあきれられている。
私にとっては面白くて、ついつい聞いてしまうんだが、
息子は人の悩みを聞いていると暗くなるからイヤだという。
まぁ、そこんとこは好みが分かれるだね。
🌟🌟🌟
おっと、話がそれそうになってしまったけど、
要は、日ごろから人様の離婚の悩みをさんざん聞いているせいで、
この映画のストーリーも、そのパターンだなぁと。
妙に納得してしまったところがあるのだ。
🌟🌟🌟
「クレイマー・クレイマー」は、妻ジョアンナ(メリル・ストリープ)が
息子の寝姿に後ろ髪引かれつつ、
涙ながらに部屋を出て行くところから始まる。
🌟🌟🌟
夫テッド(ダスティン・ホフマン)にとっては、青天の霹靂。
妻が突然家出をしてしまった。
その事実を受け入れがたく、逆上したり、戸惑ったり。
🌟🌟🌟
しかし、残された息子との生活は、待ったなしなのだ。
慣れない仕事と家事と育児の両立に、てんやわんやになる・・・・
🌟🌟🌟
そんな生活がやっと落ち着いた頃、
妻から息子を引き取りたいとの連絡を受け、夫は激高。
やがて、離婚調停が始まり、息子の養育権をめぐって争いが始まる・・・・
🌟🌟🌟
後半の調停になってからは、とにかくせつないの一言。
あまり見たくないね、という部分ではあるのだが、
私が俄然興味を引かれたのは、前半部であります。
🌟🌟🌟
妻に別れを切り出され、呆然と立ち尽くす夫。
その、ハトが豆鉄砲を食ったような間抜け面。
まさに荷物を持って出て行こうとする妻に向かって、
機嫌を直せなんていう。
そのずれてる加減がすごいのデス。
🌟🌟🌟
この期に及んで、まだ他愛ないケンカと信じ込んでいる。
男って馬鹿だね。
妻の、ただごとでなく思いつめた表情にも気づかないんだから。
🌟🌟🌟
現代の離婚劇だってそうなんだよ。
妻は、別れの理由は、これまでの積み重ねだという。
我慢に我慢を重ねてきて、耐えられなくなって、別れを切り出すけど、
夫は「突然」こうなった、という。
そして、こうなった理由はわからないのだ。
🌟🌟🌟
要は、妻が散々出してきているサインに気づかないんだよね。
信じられないけど。
妻の本気を知って、夫は初めてあわてるのよ。
そして、「話し合おう」なんて必死になるけど、
妻には、とうにその気はなくなっている。
🌟🌟🌟
「だって、この人は私の話なんて聞いてくれやしないから。
これまでだって、ずっとそうだったから。
もはや私の問題なの。あなたはそういう人だから。」
🌟🌟🌟
ね?「テレフォン人生相談」の王道パターン。
「クレイマー・クレイマー」だって、まさに、そうじゃないの!!
🌟🌟🌟
男なんて、そんなもの。
この年になって、初めて合点がいったのでした。
そう思えば、夫と昔あったあんなこと、こんなことも、
ちょっと見方が変わってくるような・・・そうでもないかな?
🌟🌟🌟
しかし、40年経った今も、あの頃の映画が見られることの幸せ。ですね。