久々の三連休、嬉しいね。
前々から気になっていた「ラ・ブーム」をついに購入した。
ひとえにソフィー・マルソーを見るための映画。
なんて愛らしい!!これに尽きますねぇ。
でもこれは途中で切り上げて、あとはずっとこれを見ていた。
「ニキータ」。フランスつながりですな。
リュック・ベンソン監督の出世作。
あとどうしても外せないものとして「レオン」があるけど、
あちらはどうも悲しすぎて。。。。。。
好きには好きだけど、あまり繰り返して見られない映画なのだ。
「ニキータ」のほうがよく見ている。
だからきっと「ニキータ」の方が好きなのかも。
警官殺しの罪で終身刑を言い渡されたニキータが、
国家の秘密工作員として生きていく物語。
表向きは獄中で自殺したと処理された。
しかし彼女はひそかに工作員として教育されていたのだ。
一人前になると偽の経歴、身分証明書を携え、
別人になって刑務所から出て来た。
表向きは善良な市民、しかしその実は秘密の任務を遂行する暗殺者。
それが彼女に与えられた使命。
どちらかというと、こういうスパイもの、バイオレンスものは苦手。
だけど、この映画だけは別なの。
なんたってニキータがいい。
残忍で凶暴な不良少女の顔。
恋人に甘える天真爛漫な少女の顔。
そして、悲しい宿命に耐える女の顔・・・
映画の中で見せる様々な表情が本当に魅力的。
ショートカットからのぞく細っこい首筋、
スレンダーな肢体、小ぶりの胸。
華奢で小鹿みたいで、こういうの憧れるなあ。
この映画で好きな場面。
23歳の誕生日、ボブ(彼女の教育係)からレストランに誘われる。
息をのむようなハイソサエティなお店。
生まれて初めてドレスアップして、刑務所から外に出た。
客席に着き、ボブから思いがけずプレゼントを受け、
大はしゃぎするニキータ。
しかし、開けてみたら、中身は拳銃。
なんて残酷な贈り物だろう。
ミッションは、レストランに客として来ていた要人を殺すこと。
3分以内に!
しかしボブから聞いた逃げ道は完全にふさがれており、
その時初めてニキータはだまされたと知る。
しかし、任務遂行して生きて戻らねば。なんとしても。
息も絶え絶え、疲労困憊で、帰りついた刑務所。
先に帰っていたボブは涼しい顔で迎える。
逃げ道がふさがれていたことをニキータから聞いても、
「それがどうした」といわんばかりの反応。
激高してつかみかかるニキータに、ボブは「これで卒業できるんだ」と告げる。
そう、これはニキータの卒業試験だったのだ。
見事にパスし、ニキータは一人前の暗殺者として出所したのだった。
おしゃれして、レディとして扱われ、男からプレゼントを受け取り。
普通の女性としての喜びを与えられて有頂天になっていたのもつかの間、
彼女はそこから突き落とされる。非情な世界へ。血も涙もない世界へ。
この残酷さが、なんともいえずたまらない。
ニキータには普通の幸せは望めない。
出所後、愛する男性とめぐり会っても、
忘れたころに告げられるミッションによって、
彼女はいやおうなしに、現実に引き戻される。
この宿命が、なんともいえず痛ましい。
いったん任務を命じられると、彼女は
冷酷な暗殺マシーンになることを強いられるのだ。
任務はいつも突然告げられ、彼女には、その背景も、
ターゲットになる人物がどういう人間かも、まるで知らされない。
ただ、言われたままに動くだけ。
彼女はまさに、殺人のための機械なのだ。
そして、彼女は守られない。
失敗したら自分が命を落とすだけ。
そうなっても、誰に文句が言えるだろう。
だって表向き自分はすでに死んだのだから。
どうせ拾った命なのだから・・・・
小鹿のように細っこい身体。
かよわい女性の身でありながら、彼女が背負う運命はどれほど重いのだろう。
孤独に必死に耐えるニキータが、いとおしくてたまらない。
そして、あのラストシーン。フランス映画らしいですね。
だから、物足りなく思う人もいるかもしれない。
たぶんハリウッド映画だったら、続編あったでしょうね。
でも、それがないとこが、「どうなっちゃったんだろう」で終わったとこがいいんだね。
だから、ずっと好きなんだろう。
ニキータは、幸せになったんだろうか。
いったい今はどうしているんだろう。
そう思えるところがいいんだね。
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