先ずは家庭教師探しだ。
いわゆる英語ペラペラの日本人で、翻訳業20年のベテランおばさんを気持ちよく引き受けてくれる先生はいるのか。
大学でも大学院でも論文の成績は優秀だし文章を書くのは大好きなのだ。
なのに、カリフォルニア州の教師資格基本学力試験の論文に三回も落ちてしまった。
(8年生程度の実力で十分受かるらしいのに … トホホホ …)
この試験は三ヶ月に一回しか受けられないので、大学院の授業も大幅に遅れている。
(この試験に受からないと、次の講義を受けられません。)
自分ではイケてると思いこんでいたのに、(あくまでも、論文が …)三回も落とされて、
自信喪失血糖値沸騰。雑誌や新聞、インターネットにも広告を出してみたが、良い先生が見つからない。
終いには、インチキ論文オンラインコースで300ドルボッタクられる始末。(くっそぉ~!!)
州立ロングビーチ大学で、この論文試験の対策クラスがあるとわかり申し込んだが、それだけでは不安だ。
血糖値が高いままなので、血圧も上がって来た。
既に6種類も薬を飲んでいるのでこれ以上増やしたくないから、血圧上昇はドクター・シューベルトには内緒にする。
体調は特に悪くないが、夜はよく眠れない。理由は明白、tea moment & vicious circle。
心配事が出来ると美味しい紅茶が飲みたくなる。少し濃くして蜂蜜をたくさん入れて、
今にも火傷しそうだけれどギリギリでしない温度の紅茶を(素敵なティーモーメント …)一日何べんも飲んでしまう。
考え無しに夜も紅茶を淹れるので、明け方まで寝付けない。
朝は疲れてパッと起きれない。悪循環だ。
探しても探しても良い家庭教師が見つからないのでドンヨリ眼になった私をみかね、
大学院の先生が友達の小学校の先生を紹介してくれた。
スペイン語と英語で三年生のクラスを教えているダブルイマージョンの先生だ。
バイリンガル教授法にも英語が母国語ではない生徒への英語教授法にも精通していて経験も豊かだという。
ただし日本人のおばさんに教えた経験は無い。
日本とアメリカとで違うところはたくさんあるが、教育システムは特に違う。
教育に関する一般常識も大幅に違う。
日本では良しとされているのにアメリカでは絶対ダメというのもあるし、その反対もいくつかある。
例えば、年寄りの学生に対する認識は呆れるほど食い違う。
中学や高校で他の生徒より年齢が上の学生は、「他の生徒に悪影響を与える学生」というレッテルを貼られる。
諸事情で高校中退だったのに頑張って二十歳で再入学が美談にはならない。
大学や大学院でも、高齢の学生は煙たがられる。
54歳の大学院生でみんなの人気者なのは、アメリカ中で私一人でしょう。(←性格的幸福者、いわゆる頓馬です。)
第一、奨学金は対象外(45才まで)、授業料の税金控除も対象外(40才まで)、という差別付だ。
60才で25%減、80才で授業料半額等の広告を見うける日本とは雲泥の差だ。
待ちに待った家庭教師一日目、私は嬉しくてソワソワしていた。
気持ちは既に、オアシスを発見した砂漠の旅人。因みに、先生の名前はマリリンさん。
糖尿病予防クラスのマリリンさんも新しく論文の家庭教師になってくれたマリリンさんも年恰好が非常に似ている。
今までは、マリリンといったらマリリン・モンローしか知らなかったのに、
ここに来て私の人生に、マリリンさんが一気に増えた。
後で聞いた話では、1960年少し前に生まれた女の子にはマリリンさんが多いらしい。
いわゆるマリリン・モンローの全盛期だ。
家庭教師のマリリン先生は、ディズニーの白雪姫が大好きで、家中白雪姫グッズだらけ。
キュートな置物が苦手な私は少々居心地が悪い。けれど先生の家だから仕方が無い。
たくさんの白雪姫に囲まれた大きな勉強机でマリリン先生の横に座る。
先生「コンピューターと人間とどちらが良い先生だと思いますか?」
私「それは、人間だと思います。」
先生「何故ですか?」
私「えーと、もちろん、コンピューターは人間が作ったもので、ただの機械ですし … 」
先生「コンピューターより人間の方が良い先生だと証明できますか?」
私「 …。」
先生「では、コンピューターの方が人間より先生に向いていると仮定して、証明して下さい。」
私「コンピューターは、平等、疲れない、いつでも使える …。」
先生「そうですね。その方が証明が簡単ですね。」
私「え? でも …。」
先生「論文の試験では、論理的に証明できる内容を選択して下さい。」
私「 …。」
こんな風に、個人教授は始まった。
マリリン先生は、西洋人の思考は直線型で、常に白黒がハッキリしているから、
論文は迷い無く先ず結論を書き、その結論を3種類の論点を以って証明すると言う。
コンピューターか人間かのトピックなら、コンピューターの方が人間より教師として優れていると結論付け、
何故なら、1.コンピューターは常に冷静、感情に左右されない、学生へのえこ贔屓がない、
2.コンピューターは24時間スタンバイ状態、学生が好きな時間に学習できる、
3.コンピューターは疲れない、家庭の事情や、体調管理の必要がない、常に万全の状態である、という風に続ける。
人間の方が教師に向いていると証明するのは複雑で難しいので、論文の試験では避けるべし。
東洋人は渦巻き思考で、試行錯誤しすぎるのでアメリカやヨーロッパの論文試験には受かり難いとのアドバイス。
(ひょえ~ 驚き・桃の木・山椒の木、でございます。)
個人教授第一日目の1時間で、私は開眼。トンネルの向こうに明かりが見えた。
いわゆる英語ペラペラの日本人で、翻訳業20年のベテランおばさんを気持ちよく引き受けてくれる先生はいるのか。
大学でも大学院でも論文の成績は優秀だし文章を書くのは大好きなのだ。
なのに、カリフォルニア州の教師資格基本学力試験の論文に三回も落ちてしまった。
(8年生程度の実力で十分受かるらしいのに … トホホホ …)
この試験は三ヶ月に一回しか受けられないので、大学院の授業も大幅に遅れている。
(この試験に受からないと、次の講義を受けられません。)
自分ではイケてると思いこんでいたのに、(あくまでも、論文が …)三回も落とされて、
自信喪失血糖値沸騰。雑誌や新聞、インターネットにも広告を出してみたが、良い先生が見つからない。
終いには、インチキ論文オンラインコースで300ドルボッタクられる始末。(くっそぉ~!!)
州立ロングビーチ大学で、この論文試験の対策クラスがあるとわかり申し込んだが、それだけでは不安だ。
血糖値が高いままなので、血圧も上がって来た。
既に6種類も薬を飲んでいるのでこれ以上増やしたくないから、血圧上昇はドクター・シューベルトには内緒にする。
体調は特に悪くないが、夜はよく眠れない。理由は明白、tea moment & vicious circle。
心配事が出来ると美味しい紅茶が飲みたくなる。少し濃くして蜂蜜をたくさん入れて、
今にも火傷しそうだけれどギリギリでしない温度の紅茶を(素敵なティーモーメント …)一日何べんも飲んでしまう。
考え無しに夜も紅茶を淹れるので、明け方まで寝付けない。
朝は疲れてパッと起きれない。悪循環だ。
探しても探しても良い家庭教師が見つからないのでドンヨリ眼になった私をみかね、
大学院の先生が友達の小学校の先生を紹介してくれた。
スペイン語と英語で三年生のクラスを教えているダブルイマージョンの先生だ。
バイリンガル教授法にも英語が母国語ではない生徒への英語教授法にも精通していて経験も豊かだという。
ただし日本人のおばさんに教えた経験は無い。
日本とアメリカとで違うところはたくさんあるが、教育システムは特に違う。
教育に関する一般常識も大幅に違う。
日本では良しとされているのにアメリカでは絶対ダメというのもあるし、その反対もいくつかある。
例えば、年寄りの学生に対する認識は呆れるほど食い違う。
中学や高校で他の生徒より年齢が上の学生は、「他の生徒に悪影響を与える学生」というレッテルを貼られる。
諸事情で高校中退だったのに頑張って二十歳で再入学が美談にはならない。
大学や大学院でも、高齢の学生は煙たがられる。
54歳の大学院生でみんなの人気者なのは、アメリカ中で私一人でしょう。(←性格的幸福者、いわゆる頓馬です。)
第一、奨学金は対象外(45才まで)、授業料の税金控除も対象外(40才まで)、という差別付だ。
60才で25%減、80才で授業料半額等の広告を見うける日本とは雲泥の差だ。
待ちに待った家庭教師一日目、私は嬉しくてソワソワしていた。
気持ちは既に、オアシスを発見した砂漠の旅人。因みに、先生の名前はマリリンさん。
糖尿病予防クラスのマリリンさんも新しく論文の家庭教師になってくれたマリリンさんも年恰好が非常に似ている。
今までは、マリリンといったらマリリン・モンローしか知らなかったのに、
ここに来て私の人生に、マリリンさんが一気に増えた。
後で聞いた話では、1960年少し前に生まれた女の子にはマリリンさんが多いらしい。
いわゆるマリリン・モンローの全盛期だ。
家庭教師のマリリン先生は、ディズニーの白雪姫が大好きで、家中白雪姫グッズだらけ。
キュートな置物が苦手な私は少々居心地が悪い。けれど先生の家だから仕方が無い。
たくさんの白雪姫に囲まれた大きな勉強机でマリリン先生の横に座る。
先生「コンピューターと人間とどちらが良い先生だと思いますか?」
私「それは、人間だと思います。」
先生「何故ですか?」
私「えーと、もちろん、コンピューターは人間が作ったもので、ただの機械ですし … 」
先生「コンピューターより人間の方が良い先生だと証明できますか?」
私「 …。」
先生「では、コンピューターの方が人間より先生に向いていると仮定して、証明して下さい。」
私「コンピューターは、平等、疲れない、いつでも使える …。」
先生「そうですね。その方が証明が簡単ですね。」
私「え? でも …。」
先生「論文の試験では、論理的に証明できる内容を選択して下さい。」
私「 …。」
こんな風に、個人教授は始まった。
マリリン先生は、西洋人の思考は直線型で、常に白黒がハッキリしているから、
論文は迷い無く先ず結論を書き、その結論を3種類の論点を以って証明すると言う。
コンピューターか人間かのトピックなら、コンピューターの方が人間より教師として優れていると結論付け、
何故なら、1.コンピューターは常に冷静、感情に左右されない、学生へのえこ贔屓がない、
2.コンピューターは24時間スタンバイ状態、学生が好きな時間に学習できる、
3.コンピューターは疲れない、家庭の事情や、体調管理の必要がない、常に万全の状態である、という風に続ける。
人間の方が教師に向いていると証明するのは複雑で難しいので、論文の試験では避けるべし。
東洋人は渦巻き思考で、試行錯誤しすぎるのでアメリカやヨーロッパの論文試験には受かり難いとのアドバイス。
(ひょえ~ 驚き・桃の木・山椒の木、でございます。)
個人教授第一日目の1時間で、私は開眼。トンネルの向こうに明かりが見えた。
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