
「和柄の生地で」との衣装の依頼があり、バリエーションが必要だったので、既成の生地ではなく、状態の良い着物を崩して使うことにしてみた。
生地買ってくる方が、製作もしやすいし、早いし楽なのだけれど、どうしても柄の種類やテイストが限られてくるので。
かなり状態の良いものがまとまって手に入ったので、「もったいないなー。」と思いながらも解体。
面倒な作業ではあるんだけど、解体してみると、着物の凄さに驚嘆。
絹のものは糸の細さに加えて、織りの緻密さで適度な重みと馴染み、丈夫さを兼ね備えているし、
作りの合理的さといったら!
限りある資源を、いかに効率的にミニマムに活用するかの粋を極めた、というか。
無駄にハサミを入れていないから、崩して作り直せるし、最後の最後まで使えるように、傷んだら作り替え、最終的にはオシメや台拭きにしていたと聞いたこともあります。
今の化繊の安い着物は、着ても心地よくないし、着崩れするし、やっぱり「いいものはいい!」と感じます。
あー、でも、そんなこと思って作っても、若い世代にはわからないかなー。
「着ていて気持ちいい!なんか心地いい!」とかくらいでも感じてくれたらいいなー。