子供が大きくなって、それぞれに家庭を持ち孫が出来ると、インターネット加入プロバイダーのメーリングリスト(ML)サービスを利用し、一つの家族・グループアドレスを設定して、仮想家族会議を持てます。学生時代の同窓、現在の趣味仲間についても同様に、MLを利用し、重宝しています。
役所庁内ネットを活用すれば、「会議室」とか「プロジェクト」のタグの中に、各メンバーアドレスを登録して独自のグループ会議を持てる。民間では20年以上も前から、プロジェクトチーム運営の必需ツールだが、睦沢町役場には、その活用を確認できない。朝・晩にメールチェックをして、意見を書き込めばメンバー全員に確認されて、誰が閲覧していないかも確認できます。
会議室に集合して会議をするのはごく少なくして、そのかわりメンバーに1日2回のメールチェックを義務付けて、日常的に議事を進める、これに慣れることが肝要です。プロジェクトリーダーに3~5%アップ、意見のない人は0査定の人事評価加点制度を取れば、参加メンバーには励みになる。
意見参加のないメンバーは半期単位で見直しメンバーチェンジが好い。どういうプロジェクトがどのようなメンバーでいつまでに終える予定なのかを、端末機からは庁内誰もが閲覧出来るとよい。横断的思考に恵まれた職員なら、自ら参加を希望することもできる、複数のプロジェクトに参加したい、参加できるメンバーも居るだろう。
睦沢町職員提案規程第7条2では「採択された提案は、その内容を公表する」ことになっているが、ホームページでは見たことがないので、規程からして冬眠していると見受けられる。例えば「庁内の美化」「住民からのクレーム減少対策」「業務手順書(マニュアル)の作成」などの職員提案があれば、その提案者をリーダーにして「プロジェクト」を立ち上げてメンバーを募れば動き出します。
「業務手順書(マニュアル)の作成」は格好の「バーチャル会議」に適したテーマでしょう。リーダーのリード次第で驚くほどの成果が出ます。成功体験を積むほどに、うまく回り出すのが、「バーチャル会議」の良いところです。「庁内の美化」など、女性職員が張り切れるテーマに見えます。「3過多経費の節減」チームプロジェクトを副町長がリーダーで立ち上げれば、合理的に事が運びそうだと夢想してしまいます。
典型的な組織として、命令系統で動く階層組織(ヒエラルキー)と、調整者がリーダーになる網状組織(ネットワーク)を念頭に置くと、「バーチャル会議」技術はメールを駆使して網状組織をそのまま支援している。メールでの発言はSNSに見られるように、時系列に記録は残るし、そのまま、電子文書として記録が出来る。階層組織においても、事務処理の“伺書”電子文書として電子印鑑を使い、処理のスピードアップになる。応用技術は多数見つかるでしょう。
例えば町の職員提案規程に定められた提案者は“1級から3級までの職務の級にある者”となっており、いまだ提案の無い制度を有効にするには、階層組織が職位にこだわるのであれば6級まで枠を広げることが大事でしょう。もっぱらメールを使う網状組織なら、住民からの提案をメールで受けて、職員に限定することにこだわらぬ規程にすれば、実効が顕れること、間違いなしです。
仮想会議技術は、慣れるほど、使いこなすほどに活用が広がり、従来の文書事務には出来なかった分野に拡張して、対外的にも応用できます。こうした技術に慣れるようにして、主査クラスの職員の自覚と養成・実践が他の職員の蒙を拓くことが大事です。何よりも大事なのは、町長の意識です。