⑧営業諸々Ⅲ その192

曇よりとした一日の千里山

日中の気温も余り上がらなかったため
事務所ではエアコンいらずの日となった

エアコンをつけなかったのは久しぶりだ



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では　その192　です



不動産の取引は実に色々なことがある

今から約32年前
私が初めて不動産業界に入ったときのこと

先ずは千里山の土地を覚えるために
地域を歩きながら今で言う「ポスティング」をしよう

チラシは手書きの手紙を便せん用紙に印刷
更に封筒に入れて配布することにした

ところが千里山の住宅は山坂ばかり
おまけに大きなお家が多く
道路から郵便受けのある
門扉まで階段のあるお家も多い

全く捗らない

その時事務所の片隅にある
ラッタッタに目が止まった

これを整備して使うことにしよう

ラッタッタを辻に駐めて
その一角を一回り

これを繰り返す

でも1時間に150枚がやっとだ

しかし毎日続けることに意義がある
と言うことで１週間が経った

昼間出かけているとポケットベルが…

当時は未だ携帯電話がない時代
事務所からの連絡だ

近くの公衆電話から事務所に連絡を入れると

「えっ？本当ですか…」

毎朝配布しているチラシを持って
年配の方が来られているという

しみちゃん「ハイすぐに戻ります」

「ご売却の依頼が貰えますように…」
心の中で祈りながら事務所へ向かった

つづく