[ニューヨーク 17日 ロイター] 米国株式市場は続伸。原油価格が引き続き大きく下げたことに加え、JPモルガン・チェース(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)などの決算が予想外に底堅かったことが相場上昇を後押しした。
米原油先物は5ドル超下落し、過去1カ月あまりで初めて1バレル=130ドルを割り込んだ。原油価格の急落を受けて、インフレによる米経済への影響をめぐる懸念が和らいだ。
JPモルガンは13.5%急伸。同行の第2・四半期決算は株式・債券引受業務からの堅調な収入が寄与して、予想より小幅な減益となった。
バンク・オブ・アメリカ(BAC.N: 株価, 企業情報, レポート)も17%近く、シティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)は9%超、それぞれ上昇した。
今決算発表シーズンは今のところ、ポジティブ・サプライズとなっている。トムソン・ロイターが17日に発表した調査によると、アナリストはS&P500構成企業の第2・四半期決算について16.1%減益、金融セクターは76%減益と予想している。
シティの決算発表を翌日に控え、JPモルガンの発表は企業決算に対する投資家の楽観的見方を支えた。16日に発表されたウェルズ・ファーゴ(WFC.N: 株価, 企業情報, レポート)の決算が底堅い内容となったことも支援材料となっている。
ウェルズ・キャピタル・マネジメントのジム・ポールセン最高投資責任者(CIO)は「2日前は世界が終わりに近付いていると思う人もいたが、ここに来て原油は130ドルを割り込み、企業決算は幅広いセクターで予想を上回っている」と述べた。
ダウ工業株30種は207.38ドル(1.85%)高の1万1446.66ドル。
ナスダック総合指数は27.45ポイント(1.20%)高の2312.30。
S&P総合500種指数は14.96ポイント(1.20%)高の1260.32。
連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)(FNM.N: 株価, 企業情報, レポート)は18.2%高、連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)(FRE.N: 株価, 企業情報, レポート)は22%高。フレディマックが実施した債券発行には好調な需要が集まった。
総合電機大手のユナイテッド・テクノロジーズ(UTX.N: 株価, 企業情報, レポート)は予想を上回る決算を好感して5.9%上昇。
地銀ハンティントン・バンクシェアーズ(HBAN.O: 株価, 企業情報, レポート)も第2・四半期決算を受けて40.3%急伸した。
ブラックロック(BLK.N: 株価, 企業情報, レポート)は16.4%高。第2・四半期の利益が予想を上回ったほか、今後数カ月の見通しについて楽観的な見方を示したことが背景。
コカ・コーラ(KO.N: 株価, 企業情報, レポート)は3.8%安。
イーベイ(EBAY.O: 株価, 企業情報, レポート)は13.9%急落。短期の見通しについて慎重な姿勢を示したことを受け、複数のアナリストが目標株価を引き下げたことが嫌気された。