カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

自分の持っているマジックの道具をカップを中心に紹介。

上口龍生氏のチョップカップDVDみました。

2021-01-04 13:39:00 | 日記

日記的に。マジックファンタジアさんから出ている上口龍生氏のチョップカップDVDを見ました。個人的にお勧めだと思ったので、ブログに書かせて頂きます。

 正直なところ、商品ページに詳しく書いてありますので、私が特別に何かをお伝えできるわけではないのですが、、、

商品ページ




 商品ページにありますように3つのパターンでの解説が行われています。それぞれに特徴があり、しっかり構成されています。クロースアップバージョンでは、クラシックな感じでハンカチやショットグラスを使った手順が解説されています。これらを使わないバージョンに比べ様々な「不思議」を伝えることができます。最後にショットグラスにドリンクが入って出現するのですが、何も考えずショットグラスを使っていましたので、少し反省をしました。ちなみに、現在チョップカップをレパートリーにしている方でグラスやハンカチを使う人がどのくらいいるのか?と思いました。

 次にテーブルホッピングのバージョンの解説です。これが一般的な手順のかなと勝手に思っていました。リセットも考えられており、観客の体験も含まれている良い手順だと思います。

 最後はパーラーでもできるバージョンです。ギャンブル的に組み立てることで観客の理解を促進し、参加もしてもらっています。大勢の人に見せる見せ方などについてのアドバイスもあります。


 この値段でこの内容でしたら、かなりお得だと思います。チョップカップを始めたばかりの方には特におすすめです。録画映像ではロードしているところなどが気になってしまいますが、おそらく実演では大丈夫だと思います。逆にそこに目が行かれるようだったら、演出で何か間違っていたか見せる観客を間違っていたかだと思います。


 チョップカップはカップ&ボールに比べて携帯性が高く、1つなので現象がシンプルでさらにギミックを使っているので不思議というメリットを持ちます。テーブルホッパーなどには特に便利なものだと思います。カップ1つという事もあり、カップ&ボールのカップに比べると様々なバージョンのチョップカップが出ています。私のカップの紹介ブログでもおいおい、紹介していきたいと思います。


 チョップカップを有名にしたのは何と言ってもドン・アラン氏ですが、私はドン・アラン氏の演技を見たとき、ロードするときの音(?)を目立たなくさせるために、テーブルのコーナーで一度カップを叩きつける動きがとても気になりました。しかし、有名なマジシャンたちもその動きをする方もいて、個人的には演技のノイズになるので、しない方が良いと思っているのですがどうでしょう。

 あと、チョップカップの場合、叩きつける動作が目立っている演技も気になります。一般の観客からしたらそこは気にならないのでしょうかマジシャンだけが気になる要素ならいいんですが。なのでギミックがゆるいタイプのものを好んでいます。


 私はだいぶ前に「徹子の部屋」でふじいあきら氏がチョップカップを演じられていたのを見て、チョップカップもいいなぁと思い少しやるようになりました。氏の演技では叩きつけるようなイメージは無く、そこが個人的にはとても良かったです。黒柳さんのリアクションも良かったです。。。フェイクトスをして手をポケットに持っていくのですが、「私持っていくの見えてましたから!」とさも、手に握っている玉が見えていたように言ってくれてます。マジックでもっともありがたいパターンですよね。

 ちなみにこのふじいさんのチョップカップルティーンは最近商品化されましたね。もちろんカップは氏がテレビなどで使っているものとは違いますが


缶タイプのソリッドカップ

2021-01-03 21:12:00 | カップアンドボール

 前回紹介した高木先生のソリッドカップが発表されたのは1977年ですが、その数年前からボールとコーンの中身が詰まってしまうという考えはあったようです。しかし、高木先生の影響は大きく、Tommy Wonder氏(トミー・ワンダー氏)が高木先生の手順に触発され同年「開いてない缶」を使った手順を「Tommy Wonder Entertains」で発表しています。残念ながらこのトミー・ワンダー氏のCups&Ball作品集を私は読んだことが無いので、実際のところはわからないのですが、缶を使った手順は"Canned Craziness"という作品のようです。マジシャンShuta Takada氏の旧ブログに詳細があります(Canned Craziness by Tommy Wonder<旧ブログより>|Shuta Takada|HLAB, Inc. COO・マジシャン|note


このトミー・ワンダー氏の、高木先生のようないわゆるカップをソリッドにしたのではなく、まだ、空けていない缶を使ってカップ&ボール(というかチョップカップというか)を行い、実はまだ開いていないんだ!というクライマックスは、同時期にポールハリス氏も考え付いたようで1978年の「Las Vegas Close-up」の中で「Uncanny」というタイトルで発表されています。これは、映像で見ることができます。ご興味ある方はスターオブマジックのポールハリスの2枚組の2巻をご覧ください。



 その後、マイケル・アマ―氏もこの缶を使ったソリッドカップについて1983年に「Encore 3」で独自の手順を発表しています。この映像も見ることができます。Magic of Michael AmmarEarly Ammar)の#2にあります。タイトルは「Beanie Weenie」です。



 正直なところ、ポールハリスに比べてやはりアマ―氏の方がパフォーマンスは上です。うまいです!上記DVDの紹介映像の後半に少し入っていますので、まだ見たことが無い方は是非見てください。


 最後に紹介するのは日本を代表するマジシャン前田知洋氏の手順です。前田氏の素晴らしいのは、導入ですね。子供のころ、立派なカップを買うことができず、缶とスーパーボールとスプーンで見様見真似でやってました。という入りがとてもすてきだと思いました。前田氏の手順は、テレビでも放送されてまし、ナポリニコフの魔術学校というDVDの中で演じられてますので興味がある人はご覧ください。ブログでこのDVDが紹介されている記事を見つけましたので、示します。



 私は写真のようにカレーの缶を使っています。前田さんが使っているような大きなスーパーボールはなかなか手に入らなかったのでカレーとかけてジャガイモを出したりします。前田さんのように缶に仕込みを入れ毎回開けるというのはちょっと難しいので、空いていないところを見せて終わるアマ―氏の手順を真似て一時期やっていました。

 実はこの手順をしようとしたとき、困った事があります。この手順ではカップに蓋が必要なんです。カップの蓋を開けたら玉が出てくるという見せ方を何度かします。しかし、意外と蓋のある缶詰、しかもその蓋には開けやすいようにつかむところがある缶というのが、当時(私がこの手順をしていた15年~20年くらい前)はなかなか見つかりませんでした。そこで、写真にありますように、緑茶の蓋を使っていました。でもやはりつかむところが無いと開けづらいもし、最適なキャップ付きの缶をご存知な方がいらっしゃいましたら是非教えて欲しいです…













SHIGEO TAKAGI'S ONE CUP ROUTIN (THE SOLID CUP)

2021-01-01 14:24:00 | カップアンドボール

 高木重朗先生のソリッドカップです。ソリッドカップの名前の方が有名ですが、写真のように解説書にはワンカップルーティーンと書かれていますので、そのタイトルをはじめに持ってきました。

 別のマジシャンのソリッドカップ(SOLID CUP)については、次回少し書かせて頂くとして、ここでは高木先生のカップの紹介です。このカップは木製のソリッドカップです。ソリッドカップというのは穴が無いカップのことです。手順としては、1つのカップとボールを使ったマジック(ボールがカップから消えたり出たり貫通したり、大きなボールが出たりというマジック)を行いますが、最後に実はカップに穴が無い、というかカップではなく、単なるカップの形をした木の塊であるということを示すという強烈なエンディングのマジックです。写真のウォンドはセットだったか怪しいですが、非常にシンプルな木製ウォンドでしたので、一緒に撮影しました。

 この高木先生のカップの手順は1977年ジェフ・バスビー氏によって発表されたそうです。2つの「ソリッド・カップ」の手順のうち発表されたのは1つと本に書かれていますので、2つの手順があったと思われます。どのような2つの手順かはわかりませんが、少なくとも初めに発表された手順や作られたカップは上記に示したような木の塊を示して終わるというエンディングだったと思われます。この時代にこの手順を日本人が発表するとは高木先生さすがです。

 それからさらに改良して、大きな玉にカップを被せて、おまじないをかけ、持ち上げると大きな玉が消えており、カップを2つに割るとそこから出てくるという手順になり、今回紹介するカップになったようです。その証拠に、解説書の表紙に「2」という数字があるとともに、解説書には割れない手順が書かれており、別紙で「NEWTYPE」と書かれた割れる手順がありました。この割れたカップから大玉が出てくる手順についてはトン・オノサカ氏の発案とのことがあるブログ(ザ・ソリッド・カップ: 素人マジシャンの一人言)で書かれていました。2009年なので10年以上前ですが、この当時、この記事を見つけてカップが欲しくてマジックランドさんに問い合わせをした記憶があります。今問い合わせるとさすがに残っていないとは思います。ただ、私が持っているカップの手順書にはマジックランドの名前は無いので(イラストはトンさん)、私のカップはマジックランドで製作されたものではないと思われます。どなたか情報ございましたら是非お知らせくさい。


 手順に関しては、写真にありますリチャード・カウフマン著、二川滋夫訳の「高木重朗の不思議の世界」に「ソリッドカップ」として解説されています。

高木重朗の不思議の世界 | リチャード カウフマン, Kaufman, Richard, 滋夫, 二川, 良, 三好, 智之, 乃坂, 信彦, 池田, 浩, 志村 |本 | 通販 | Amazon


また、映像では、以前紹介しましたが、黒田氏のDVDで解説されています。

(モテまじっくクラブさんのHPは保護されていない通信とでますので気になる方はアクセスをしないでください)



 最後にこのカップで演技をしたい方がいらっしゃいましたら、高木家から許可をもらって作られたカップが海外で販売されていますので、購入することができます。ただし、これも残りは少ないと思います。