「 ヴォイスコンサルタント 林重光 のブログ 」

声・話す・読む・歌うことの悩みを解決するヴォイスコンサルティング MAKE UP VOICE 代表。ヴオイストレーナー。

『 音痴は才能豊か 』

2014年10月10日 | 更新記事
~ 音痴は才能豊か ~
『 絶対音感 』という言葉を聞いたことがありますか?
絶対音感は、例えばカラスの鳴き声を聞いて、ピアノで音が取れる。
世の中に存在する音が全て、音階でわかるのが、絶対音感です。
絶対音感を持つ人は、音楽の才能があると言われることがありますが、あまり関係ありません。
音がわかることは入力であり、演奏することは出力ですから、入力と出力が比例するとは限らないからです。
哺乳類は絶対音感を持つと言われています。
つまり、犬も猫も持っている。
人も赤ん坊の時は皆、持っています。
それが成長とともに失われていく。
なぜかというと、言葉の獲得が影響していると思います。
絶対音感があると、言葉を使う上で不利になりるからです。
絶対音感があると、『 おはよう 』という言葉が同じに聞こえなくなってしまう。
絶対音感は、音感が絶対なんです。
音感が言葉よりも優先されるということです。
ですから、お父さんとお母さんがいう『 おはよう 』が、違う言葉に聞こえてしまう。
音楽でも同じことで、『故郷』の曲を弾く場合、キーを変えて演奏すると、違う曲を引いていると思ってしまう。
これが絶対音感です。
現代社会は言葉ありきの社会。
ですから、絶対音感があると生活しにくくなります。
ですから、その対極にある『音痴』は、言葉を使う上では優れているのです。
音痴は人間の進化によるものなのですね。
現代社会に適応しやすい。
10年ほど前、絶対音感を身につけるという本がベストセラーになりました。
何事にも言えることだと思いますが、利害関係があります。
絶対音感についての僕の回答は、『 絶対音感があることは、日常生活が大変になることだよ。あっても音楽の才能とは比例しないよ 』ということになります。