「 ヴォイスコンサルタント 林重光 のブログ 」

声・話す・読む・歌うことの悩みを解決するヴォイスコンサルティング MAKE UP VOICE 代表。ヴオイストレーナー。

~ プレゼンテーションとは何か ~

2015年05月31日 | 更新記事
私は年に70本ほど、依頼講演•講座をさせていただいていますが、その中には『プレゼンテーション作成』もあります。

企業様、個人様からご依頼をいただき、プレゼンテーションにおけるストーリー作成•スライド作成•声の使い分け•体の動きなど、『プレゼンテーションという作品』をつくっていきます。

プレゼンテーションとは、企画•商品(製品)を伝えていくことを言います。
そして、伝えていく人をプレゼンターと言います。

企画•商品が作品であり、プレゼンターは伝え手。
紙芝居に例えると、伝え手は本の後ろに位置する。
紙芝居や朗読をされている方を聞いていて感じることがあるのですが、『本の前に自分が出てしまっている。』

つまり、作品を伝えるのではなく、自分を伝えてしまっている。

作品のことを考えていけばいいのに、自分のことを考えている。
『うまく読めるかな』
『服装はもっとオシャレに』
などなど、自分のことを熱心に考えている。
自分が作品の邪魔をしているのです。

結局、『作品ではなく、自分を伝えている時間』になってしまっている。

朗読、紙芝居、読み聞かせ、歌、そしてプレゼンテーションなど、作品がある時は常に『自分が作品の邪魔をしないこと』
『自分を消すこと』をしていけばいいのです。

作品がよりよく伝われば、自分の評価は後からついてきます。
嫌でもついてくる。
もっと作品のことを、本気で考えていただければいいのです。

そのうちに、作品が要求してくることがわかります。
『こういう声を使ってね』
『こういうスライドにしてね』
と、作品が教えてくれます。

技術とは、『作品が望んでいることを表現するために身につけておく』ものなのです。
自分をよく見せるためのものではありません。

プレゼンテーションが素晴らしい方の一人が、アップルの故スティーブ•ジョブズ氏です。
スティーブ•ジョブズ氏のプレゼンテーションを分析した本は多く世に出ており、見せ方やストーリー作成について書かれていることはありますが、ここが書かれていません。
スティーブ•ジョブズ氏は『徹底的に自分を消したプレゼンター』だったということ。
作品のことを本気で考えて、作品が要求することを徹底的にした人。
それがスティーブ•ジョブズ氏です。
自分をよく見せようとか、自分のことなど、目もくれなかった。
『自分が作品の前に出れば、作品は伝わらない』ことをよくわかっておられた方。
そこにオリジナリティや、自己主張など全くなかったのです。

『伝えたいことを、伝わるように伝える』

そのためには、自分が出てはならないということを身につければいいだけなのです。