偶然見つけた日本庭園。日本の大使館が手入れしているのであろう、入場無料で、思いのほか多くの市民が静かに散策していた。
アルゼンチンらしく、ゴミなども全く落ちていない。
昭和50年代末、丁度日本人移民75周年に当たる年だったのだが、ここで小さな"事件"が現地の日本字紙で報じられた。日系人協会が
記念行事の名誉総裁を大統領に依頼し、大統領は快く応じたのだが、日本の大使館が「日系人の団体は日系人協会ではなく日拓であり、
大統領は間違った選択をした」との広告を現地主要紙に掲載したとのこと。会員数でも日系人協会は数十万人、日拓は数千人規模だっ
たか、大使館の主張は疑問なのだが数の問題ではない。そう主張したいなら、直接政府関係者に伝えるべきであり、突然新聞で批判
するのは大統領に対してもアルゼンチン国民に対しても失礼と誰しも感じよう。日本では読売新聞が紙面を大きく割いて報道し、外
務省は苦慮しているとも聞いた。大使館は面と向かって政府に伝えるよりも穏便と考えたのかもしれないが、日本の外交センスに不
審を感じる一例であった。ただ、少なくともこの庭園に来ていた人々はそんなことには無関心で知りもしないようであったのは救い。
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