

*:・'゜☆。.:*:・'゜★゜'・:*:.。.:*:・'゜:*
静江は寝室のドアを開けた・・・
そこで目にしたのは( ̄0 ̄アッ
義男にしがみついて泣いている多佳子の姿だった・・・。
静江を見た途端、弁解を始める義男!!
『静江、聞いてくれ・・・多佳子は男と別れて1人暮らしをしてる内に寂しさからパチンコのギャンブルにはまって街の消費者金融からお金を借り気が付いたら利子が利子をよび多額になってしまい相談したかったが静江の存在に気づき自分で何とかしようとしてるうちに益々パチンコにのめり込んで泥沼になってしまったんだと』
静江は嘘だと思った
(この人はお金が目当て?)
『それで義男さんは、どうしてあげたいの?』
(多佳子さんと、やり直すの?私は義男さんの寂しさを紛らすだけの存在だった訳?)と言いたかったが
ここは、ぐっと堪えた
『借金を何とかして・・・・』
口ごもる義男だ
『お願いよあなた、私が愚かだったの・・・仕事、仕事で帰ってきても交わす言葉の少なかったあなたにも責任があったのよ私にチャンスを頂戴』
心が揺れているのか、そんな多佳子の言葉に黙ってしまう義男だ!
静江は困り果てて友人に電話をした
『ごめんね、まだお店の営業中だろうけど相談に乗って欲しいの』
静江1人では、どうする事も出来ない
電話する静江に多佳子は
『あんた、ホステスだったんだってね、怖いお兄さんでも呼んだの?』
果てしない憎悪が多佳子にはあるらしい!!
身勝手な憎悪、
静江は堪えた、何を言われても堪えた・・・。
義男は多佳子の静江を野次る言葉を静止しようともしない
優しく包容力のある義男が小心者の小さな存在に思えた
(こんな男のどこが良かったのだろう?)
多佳子の身勝手な態度と悪態に、たった一晩で長い月日を無駄にしたなと感じてた。
『ごめんください』
まもなく友人が到着
『夜分遅くに、ごめんなさいね、義男さん暫くだね』
静江の普通じゃない電話に急いで駆けつけたスナックのママの助っ人だ
スナックのママは落ち着いた声と態度で元、スタッフだった静江の動揺を見抜き冷静に常連だった義男に笑顔で挨拶した!
電話で呼んだのが女だったので面食らったか?
多佳子は自分から自己紹介を始めた
『元妻の多佳子です』
落ち着き払った態度、見た目は30代後半、別段いい女ではない!!多佳子を見た友人のママは、これが元妻か・・・・。
良く平然と挨拶なんか出来るものだと思った
静江の話を聞くのが先だ
『それで?静江どうしたの?』
静江は状況を友人であるスナックのママ奈津子に全て話した!!
話しは解ったわ・・・
『多佳子さん、あなたは子供の母親だってのは分かった、だけど今現在、幸せな夫婦してる間に入って、もみくちゃにしてるのよ今日はホテルか実家か別な所に泊まって下さいな』
多佳子は引き下がらない・・・
『帰る実家があるのは静江さんよ私には行く所がないわ』
多佳子の策略が奈津子には分かった!
『多佳子さん 、ここに泊まるなら子供部屋でもなく夫婦の寝室でもなく客間に泊まって下さい』
奈津子は鋭い目で睨みながら言い放った
『静江、あんたは義男さんの妻なんだから遠慮なんかしてちゃ駄目よ、それに義男さん・・・あんた、だらしない』
奈津子の一括に、その場は収まった。
ふてくされた顔をして多佳子は客間へ・・・。
多佳子が客間に行ってる内に
奈津子は義男に今後どうするのか聞いた。
『義男さん、あんた見掛け倒しの男だね!!静江がどれだけ傷ついてるか分かってんの?深夜に静江が私を呼ぶってのは、よっぽどの事があったからよ』
『済みません・・・突然の事で・・・』
『いくら突然の事でも元の奥さんはアンタと子供を1度は捨てた女でしょ?』
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。』
姉御肌が出る奈津子だ
静江は奈津子にそっと耳打ちした
『たった1日で義男が、どんな男か分かった、一緒に居たくない、多佳子とよりを戻したっていいよ、お腹の子は1人で育てる』と・・・・。
しかし、静江に決断するのは早い
『ちょっと調べる事があるから今日は、その気持ちを胸にしまっておいて』
疲れていたが奈津子はその日、泊まって様子をみる事にした。
長い夜が終わり早朝、台所の茶碗の音で目が覚めた
『カチャカチャ』
ふと見ると疲れたのか静江はまだ眠ってた、
奈津子は静江を起こさないように台所へ行った、案の定、多佳子が台所を仕切ってた
『夜のホステスにしては朝ちゃんと起きるのね』
毒づく多佳子
続いて静江が起きてきた
けだるい様子
『実家に戻るわ』
預金通帳を引き出しから取り出しバックに入れた
それを見た多佳子は走り寄って
静江からバックをとりあげた
『義男さんの通帳でしょ?
義男さんが良いって言ったの?』
『その通帳は私の名義よ』
この女・・・・義男でもなきゃ子供でもない?
ただ、金目当てか?
『あんた名義でも義男の働いたお金でしょ?』
『結婚する時、両親が私に持たせた通帳よ』
『嘘よ、義男が働いたお金よ』
奈津子は唖然とした
その時だ義男の何気ない一言で静江が切れた
『たいした金額じゃないんだし貸してやれ』
『親が何かの為にって持たせた通帳、何でゲスな女に貸す必要あるのさ』
怒りで声が震えてた
*:・'゜☆。.:*:・'続゜★゜'・:*:.。.:*:・'゜:*
心に余裕が無い人間は笑いを忘れる
しかし友達って良いものだ・・・
電話1本で駆けつけた奈津子が静江の為にとった行動とは?
多佳子は手段を選ばない・・・。

